恐ろしい4人組
五稜郭ギルドに付いて大きな扉を開ける。中は暖かい。
ちらほら見かける冒険者。やはり寒い所は人気が無いのかも知れないが、五稜郭迷宮も鬼畜の迷宮で有名だ。
受付嬢は元気な声で
「五稜郭ギルドにようこそ」
ジル、ホムラ、ロート、ネロは、元気な挨拶をした受付嬢の処に行き迷宮に入りたいと言う。
「ギルドカードの確認を致します。」
ジル、ホムラ、ロート、ネロはギルドカードを出す。
ジルとホムラはBランク。ロートとネロはCランク。
ギリギリ行く事が出来る。
「桜の木に登って、木が折った馬鹿がいますので、もし折ったら賠償金を払って貰います。」
「ちなみに、桜を植えたのは誰ですか?誰が折ったんですか?」
「桜は、1000年前に五稜郭迷宮を踏破した小さな子供とその従者である仲間の方々が植えたと聞いております。後、桜を折った馬鹿はこの国とは違う国から来たマナーも常識も教えて貰えないし知る事もしない、自分達が一番と思い込んでる阿呆だと聞いております。」
「辛辣だな」
「私たちのギルドでは、そんな行いをした者は、女は子宮を取り出し、男は玉と竿を切り落として晒し者にしてから生きたまま焼却処分にしております」
怖い。怖い。怖い!!
ニヤリと笑うその顔が怖い。
「その御触れが出てから馬鹿と阿呆が減って有難いです。」
爽やかな笑みにジル、ホムラ、ロート、ネロは黙った。
「ロート、ネロ」
「「わ、分かっておる!!」」
ジルに声を掛けられて焦る2人。
ホテルでやらかした事はまだ新しい。ジド目で見てくるジルとホムラ、信用性が無い二人。
通行手形を貰い、ギルドを後にしてジル、ホムラ、ロート、ネロは五稜郭迷宮に行った。
「シルビア。珍しい髪の人だったね」
「ええ。私もビックリしました。1000年前の記述に子供の髪の色は白銀髪と書いてあります。」
「そうそう。文献で子供の特徴は見た事も無い白銀髪と紫の瞳って書いて有ったし」
「黒髪の人は瞳が紫だった」
「「本当にあの2人を元に五稜郭迷宮の踏破した人達の姿が分かればいいのですが」」
シルビアは、頬に手を当てた唸った。
五稜郭迷宮の扉に星形の絵が書いてある。これが五稜郭の言われだろうか。
否、上空から見た姿が星形になっているのだ。
扉を押して開け暗闇の中を歩くジル、ホムラ、ロート、ネロ。
迷宮の中は寒く吐く息が白い。
何も無い通路に腕を出して見る。
壁から発射される銃弾。遠くから狙って来る砲弾。
だが、ジル、ホムラ、ロート、ネロは口元で笑い早歩きで銃弾の雨を掻い潜る。
「一定のスピードで歩ける様になってるね。」
「ああ。」
「うむ。」
「そうだね。」
ジルにとってはマスケット銃で弾丸を弾丸で弾きたかった。
「まだ実戦では出来ないか」
手を広げたり、閉じたりしてポツリと呟いた。
「ジルどうしました?」
「何でも無い」
ジルは何事も無かった様にホムラ、ロート、ネロが待つ処に行く。
次のゾーンは、草原だった。
何も無い草原。1つ違う事は、剣を持って奥から走ってくる、自分達が知っている人達。
だが、ジル、ホムラ、ロート、ネロは笑って剣を抜いて迎え撃つ。
例えそれが、知っている仲間でも容赦なく首を切り飛ばすジル、ホムラ、ロート、ネロ。
ここで殆んどの冒険者は、戦意喪失する。
次から次へと襲ってくる二足素行の人間に良く似たモンスター。
倒しても倒しても湧いてくる。
ジルが剣を鞘に納め火魔法で弓を作り矢を放つ。1本が2本に別れ3本、4本と別れ最後には1000以上の矢に別れて敵を打つ。
「爽快だな」
「追撃機能付き」
「ジルは、敵に回したく無いな」
「最近出来るようになった」
フフンと腰に手を置いて笑うジル。
(((可愛い処もあるな~)))
「じゃ、僕も」
水魔法で水刃を作り敵に目掛けて放つ。水刃が通った処は何もかも無かった。
「おおっ、やるなホムラ。次は我だ!」
雷魔法で、あちらこちらに雷を落とす。
「次は、俺だな」
土魔法で大地を割れモンスターが次々と落ち大地を元に戻す。
普通に考えれば、魔法は使えないはずなのに、迷宮の意識とは関係無く魔法を撃ちまくる。
迷宮 : 水晶の迷宮が二度と来て欲しくない4人組って・・・こいつらか!!
「やっと少なくなって来たか!」
「こんなに時に憂さ晴らしが出来るのは最高だね!」
「おお、あれは王都にいた時に我が物顔の受付嬢だ!」
ジルやホムラの記憶から一番嫌いな受付嬢が出て来た。
そのモンスターを見た瞬間にジルは
「殺ろう!!」
「「「「おー!!」」」」
ジル、ホムラ、ロート、ネロは、容赦なくボコボコのズタズタにした彼らの顔は、見た事が無い程に輝いて汗ですら輝いていた。
ただ、ジルとホムラの顔が一段と輝いていたのは言うまでも無かった。
迷宮 : 普通嫌がるだろ!?何であの4人の内、特に白銀髪と黒髪の奴らはあんなに嬉しそうに笑顔でズタズタに出来るんだ?原型止めて無いよ!!
「もう終わり?」
「殺り足りない。」
原型を止めて無いモンスターを剣でザクザクと刺す。
「ジル、ホムラ」
「「ん?」」
ジルとホムラは、ロートとネロを見る。
「其奴は倒してしまったが、まだ他が有る。」
「まだ、楽しめるぞ?」
ロートとネロぎ言うとホムラは頷き、ジルは、ニヤリと笑い、その笑顔を見たホムラ、ロート、ネロは、背筋がゾッとした。
迷宮 : 怖い、怖い、怖い!!
何なの?あの白銀髪の人!怖いよ!!
「まだ、殺り足りない!!」
「大丈夫です。第2軍が来ます!!」
「そうだぞ!次々に来るぞ!」
「魔法の試し撃ちが出来る、最高な迷宮だ!」
その後、ジル、ホムラ、ロート、ネロは魔法と剣で迷宮がモンスターが出なくなるまで続けた。
「もう終わりか?」
「もう来ないのか?」
「足りない」
「何であの女は1回しか出ないんだ?もっと沢山出てくれたら色んな殺し方が出来たのに、ちょっと物足りない」
迷宮 : イヤイヤ。ここ迷宮だよ?色んな殺し方を考える処じゃ無いよ?冒険者が剣で戦う処だよ?間違ってないよね?合ってるよね?ねぇ?ねぇ?何で黙ってるの?水晶の迷宮!ヘルプミー!!
次のゾーンは桜ゾーンだった。
だが、ジル、ホムラ、ロート、ネロは桜の木を見て「桜の木のチップスで燻製を作らない?」と言う4人。えっ?怖く無いの?良く見て、動いているよ?目も口も有るよ?ねぇ?ねぇ?
「何か面倒だ、ホムラ火魔法で焼き払え!」
「イエッサー!」
ホムラは敬礼して火球を桜の木のゾーンに落とした。
「たっまやー!!」
「かぎや~!!」
面白い程燃えてジル、ホムラ、ロート、ネロは炎を見ながらハハハと笑い続けた。
迷宮 : 何なのあの4人?もう恐怖しか無いのだけど・・・
難なく桜ゾーンを通りセーフティゾーンに着いたジル、ホムラ、ロート、ネロは休みを取り、ボス部屋の目前で英気を養う。




