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ジルは保護者?

3時のおやつに氷室から桃タルトを出して来たホムラ。東屋にいるジル、ロート、ネロが待つ所に行きテーブルの上にタルトを置いた。


「俺のは小さくていいぞ」

「駄目だよ。皆4分の1づつだよ」


タルトにナイフを入れて分ける。

1人4分の1づつ。手掴みてタルトを持つとガブリと一口食べた。


「あまーい」

「旨い」

「美味しい」


手を付けないジルにホムラが食べてと進めて来る。

ロート、ネロ、ホムラは甘いタルトを食べて身悶える。

ジルは、タルトを掴んで一口食べた。


「!」

「ジル、美味しいですか?」

「ああ、美味しい」


甘さ控えめで果物の甘さを出してる桃タルト。

ジルはどうやら果物の甘さの方が好きの様だ。

氷水を作り梨やメロンをドバドバ入れて冷えてから食べる。

メロンを冷して半分に切り種を取り出して空いた穴にブランデーを注ぎペロリと食べてしまう。

梨は3玉程ペロリ、巨峰も2房何て簡単に食べてしまう。食卓に果物を出す様になってからはジル、ホムラ、ネロ、ロートは病気にならなくなった。

元から健康だが、さらに健康になってる。さらにジルは身体にいい物、ネバネバの食品を積極的に取る。

ジルが食事を作る時は必ずネバネバ食品のオクラ、納豆、長芋、なめこを使う。

仲間達からはあんまり嬉しがれない。甘い果物の方がいいのだ。


桃タルトをペロリと食べて紅茶を飲むジル、ホムラ、ロート、ネロは、今日の夕飯を何を作るか案を考える。


「今日は、回鍋肉にする?」

「先日、回鍋肉でした」

「いつもの料理にするか?」

「えー!飽きた」


ネロが唇を尖らせて言う。

ジルとホムラの後ろにビシッと稲妻が走った。


「お、おい、ネロ。余計な事を言うな!作って貰ってるのに!」

「だって飽きたんだもん」


目を閉じたまま言う言葉に、ジルとホムラは蔓延なる笑みを浮かべ


「今日は、ネロが作ってくれるって、良かったね!ジル」

「本当に良かった。メニューを考えるのも大変だからな」


その言葉でネロはパチリと目を開けて、慌てて言い訳をするが、ジル、ホムラはとり会わない。ロートも気配を殺して紅茶を飲む。誰もネロを助けなかった。

結局、ネロはいつもジルとホムラが作る料理を作った。


「もっと凝ったのが来ると思った」

「魚とオクラ、長芋、なめこを煮た料理」

「いつもと同じだな。見た目」

「文句が有るなら食うな!」

「文句言って無い。感想を述べただけ」


プルプル震えながらネロは言う。

マグカップに注いだ魚の出汁が出てるスープを飲んでジルが聞いた。


「塩使った?」

「胡椒は?」

「素材の味がする」

「塩?胡椒?。・・・あっ!忘れた」


調味料を全て入れ忘れたネロの料理にジルは怒らず


「今度は、忘れずに入れて」


と一言言うだけで終わらせた。

ネロは、「不味い」と言ってくると思ったが、ジルは何も言わない。

ネロは自分で作った料理を食べる。

はっきり言って不味い。

何だ、この不味さは、味もしない。

ロートの言うとおり素材の味がするだけ。文句言われるのは当たり前な程、美味しく無かった。

ジルが何も言わないからホムラもロートも何も言わない。

ここで言ったら喧嘩が起きていただろう。

口は災いの元と言うから


食事が終わって草を刈った所に敷物を引いて4人は夜空を見上げる。

春の大三角形が輝いてた。


「春の大三角形はどれとどれとどれなのですか?」


ホムラの質問にジルが答える。


「うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラだよ」

「ここは人工の光が無いから凄く星が輝いてる」


ロートが星空を見て言う。


「王都じゃ見られないな」


ネロもうんうんと頷きながら王都の空を思い出して言う。


「人は光を手に入れてから空を見上げなくなったからな」


ジルがポツリと小さな声で言う。


「その割りには"星を見る為に明かりを消そう"何て言うもんな。出来っこない。」


ネロは馬鹿にした言い方をする。

王都の者が聞いたら、「何を言うか!!」って言うだろう。

それこそ侮辱罪で牢屋に入られるだろう。


「ネロ。そんな事言ってると外でポロリと出ちゃうから黙って星を見てな」


星を見ながらジルが嗜める。


「はーい」


不満そうな声でネロは返事をした。

どうやらジルはこのホムラ、ロート、ネロに取って父の様な兄の様な保護者の様な存在だ。本人に言うと嫌な顔をするだろう。


「そろそろ家に戻るか?」


肌寒くなりロートが言いジル、ホムラ、ロート、ネロは家に戻った。





「何百年ぶりに夜空を見たよ。1000年前に46cm砲に狙われて以来。星が堕ちてくる感じだったのう」

「そうだな。あれは怖かった。星だと思ったら砲弾(ほうだん)だもの」

「肝が何回冷えたか、良く生きていたな」

「冷えたもんじゃない。生きた心地がせんかったよ。」

「今でも流れ星は怖い。あれが、46cm砲だったらどうしようかと思うよ。」

「あの戦を知らない者も増えた。我々が先祖代々からの口伝(くでん)を意味無いとしても、伝えて続けなければならない。」

「あの悲劇を繰り返さない為にも」

「あのお方の為にも」

「「「「だな」」」」


星を見ながら年を取った年配が酒をチビチビ飲みながら語り合う。


「所でどうやって降りようか?」

梯子(はしご)倒れちゃたもんな」

「「「「「はぁぁぁ」」」」」


屋根の上にいる年配は深いため息をついた。


「あのお方が居たら"ok"の一言で助けてくれただろうなぁ~」


屋根の上に取り残された5人は、夜空を見ながら酒を飲んで誰か気付いてくれるのをまった。


年配の5人を助けられたのは、酒が終わって寒さが見に染みている時に小さい女の子が、屋根の上にいるお化けがいるって、ギャン泣きし農具を持って男衆が集まり屋根に登って確認し目と目が合った5人はお互いに抱き合った。


「「「「「助かった~(泣)」」」」」



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