夢は現実にするのが一番
「変な夢見た」
「俺も」
「我も」
リビングにいるホムラ、ネロ、ロート。
3人が揃って見た夢は時間場所は違えど内容は全く同じだった。
ジルが嬉しそうに銃をぶっぱなして殺ってる姿だ。
しかも一丁じゃなく両手で銃をぶっぱなして空中に待機してある複数の銃を手足の様に扱う。
手早く、素早い体幹で身体を動かして銃を扱い誰も止められない。
「あれはダメだね」
ホムラが言う。
「勝ち目無いね」
ネロが言う。
「これからどうしようか?」
死んだ魚の目をしたロートが言う。
だけどジルは何故か嬉しそうに言う。
「実に楽しい夢だった!あれを実用化しないと!」
ジルは夢で見たマスケット銃を頭に思い浮かべる。
流れる銃弾を紙一重で交わしマスケット銃を撃つ姿はジルの理想像だ。
だが、この世界では、銃を使わない人が多い。
撃つ起動が分かれば交わされてしまう。それなら起動を変えれる剣が圧倒的に多いのだ。
ふと皆の表情が暗い事に気付いて首を傾げテーブルの上に置いてある当番表を見た。
「今日の朝食当番は・・・ロートか。」
当番表を見て言うジル、ホムラ、ネロは硬直して顔色が悪くなる。
それもそうだ。
この中で一番料理・・・嫌、料理と言うのも失礼に当たる程、ロートの料理は破壊的で不味くて食べると何故か手の震えが止まらない料理を生成させる。
しかもロート本人は、料理が旨いと思ってる。
オブラートに包んでそれとなーく言った事が有っても本人は気付かなく、それよりも料理を1週間続けられた時は、皆顔が死んでた。
「今日は俺が作るよ」
渡りに舟である。
ジルが台所に立ってサラダ、バケット、コーンスープ、ベーコンエッグを手際良く作る。
サラダは、レタスを1玉丸々使いざく切りにザルの中へ、きゅうりは食感が残る様に乱切りに、ミニトマト1人5個で20個分のヘタをとってレタスが入ってるザルに入れて水で良く洗い水を切る。
バケットは適当な大きさに斜めに切りフライパンで焼き目をつけてから蜂蜜を垂らした。
コーンスープはコーンクリーム缶に牛乳に塩コショウ、コンソメ、パセリを入れて煮詰める。
一緒にパセリを煮込むのは、パセリ嫌いのネロの為だ。
ジル曰く、「煮込んじゃえば分からんだろう?」との事。
ベーコンエッグはフライパンに厚切りベーコンを入れて油がベーコンから出てきたら卵を入れて目玉焼きにする。
(ああ、こんな料理の旨い人探しても居ないだろう。女でもいないからな、王都での女の人は外食オンリーだからな)
(料理と剣もうまい。今度は銃まで来るのかな?)
(何で我の料理を食べたがらないのだ?)
美味しい香りに3人の腹がぐぅぅぅっとなった。
身体は正直である。
ちなみにロートの作った料理の香りは防虫剤の匂いがして、食べる気分ではなくなった。
「まぁ、簡単な料理だが食べよう」
ジルが食卓について皆で食べる。
「「「「頂きます」」」」
紅茶を飲み喉を潤したら食事の開始。
カチャカチャと音を立てて食べる
半熟玉子を割出てきた黄身をベーコンにつけて食べる。
「久々のまともな食事だ」
「本当。俺成功率が低いし5割を目指してるが2割だもんな・・・」
「安心しろ、僕もまだ2割」
「安心しろ、我は5割だ!!」
「何が「安心しろ」だ!ロートのご飯は食べてれたものじゃない。あれは食材に対して敬意を払ってない。」
「ロートの作る料理は何かの生命体を産み出してるから・・・」
出汁を入れただけの料理に食材をいれるだけなのに入れて途中からロートがやっていたらスープがスープじゃなくなりどろどろになってその方スープの色がはじめはき透き通る綺麗な茶色なのに何でロートが扱ったスープの色は薄い水色に変化してサラサラのスープは何でドロドロになっているんだ?
はっきり言って謎である。
でも、美味しい料理は分かる。
味覚は正常・・・正常じゃない!!
正常なら自分の料理のヤバさが分かるはずだろう?
何故どーしてロートは分からないんだ?
食事を終えて食器を洗って皆自由時間
「あれから何も無いか?」
「何もないよ?」
ロートのお腹の上にジルが馬乗りをして右手をジルの服に入れて腰を擦る。
女の人だったらお尻に手が回るだろう。
「そう言えば、龍の国は人形になるのか?」
「なれるぞ。そして人の子を身籠る事もあるし、人の子が我らの龍の子を身籠る事もある。産まれて来た子は普通の龍よりも短い。人間とおんなじ100年位で死んでしまうから、好きな人が出来たら早めに結婚してより多くの子孫を残す。
我も人の血が混ざっている。
昔、龍の国で疫病が流行りたまたま近くを通った薬師にある龍が一目惚れして繋がりが欲しく、だめ押しで告って子を成したと聞いた。子とが有って我のご先祖様だからもう居ないが、自慢していたな。
髪がジル見たいに白く紫の瞳をしていたって、従者がいてその子の間に子を作ったと言っていた。」
「随分尻が軽い人だったんだな?」
「そうでもないらしい。
もし自分が居なくなったら残された者が悲しまさない様に子をぼこぼこと言うのは悪いがそれなりに作ったそうだそ?」
「龍だったら火龍、水龍、木龍、土龍、風龍、光龍と闇龍の7龍がいるんだが、光龍と木龍と水龍と土龍での4龍で力を合わせて作っていたが、外から来た薬師に今まで作っていた薬より性能がいいのだから龍のプライドはズタズタだったと語り草だぞ」
ハハハとロートは笑っていた。
「龍もプライドは有るんだ」
「あるある。プライドの塊見たいにな。だから外の人間にしてやられる。だが、龍もあの人間だけは認めていたな?」
「認めていたって?」
「薬の事や異端児の事も言っていたな。子供の頃は異端児。大人になれば異端者。」
「へー」
「絶対に先祖返りがやってくるが、その時に異端者の事が少しでも良くなっていればいいのだが。って言っていたそうだ」
「へー。名前は?」
「ん?」
「ロートに語り継がれている人の名前は?」
「知らん。名前を言うほど恐ろしいと言われていて唯一話していたのは従者だけだったそうだ。」
「従者だけ?」
「そっ。詳しい話は聞いた事はないよ。」
ジルの腰に腕を回して転がり、ジルを下にしてロートは見下ろした。
「会って見たかったな~」
「会ってどうするのだ?」
「分かんない」
「分かんないか~」
(事実。我ら龍族の間でも悪魔や破滅をもたらす人とも呼ばれいた人達だからな。)
「ロート」
「ん?」
ジルとロートが見つめ合う。
「イチャイチャしないで下さい!」
ホムラが言う。
「「あら」」
全く持って恥ずかしい気持ちも含まれていない返事が返ってきた。
「誰の話をしているのだ?」
ネロが入って来てロートとジルはぶっきらぼうに答える。
「「異端者の話」」
異端者と聞いてネロは冷や汗が止まらず顔が青くなっていく。
「ネロ?」
ホムラが声をかけると壊れたおもちゃ見たいに
「俺は何も知らない。俺は何も知らない。俺は何も知らない。俺は何も知らない・・・」
同じ言葉をぶつぶつ言ってガタガタ震えてソファーに丸くなっていた。
(((お前は何をしたんだ?)))
その後突然発狂したネロを止める為にジル、ロート、ホムラの新しい家は半壊した。
家の中で魔法を連発すれば家具や魔石コロンはボロボロになるだろう
(((修繕費はネロの貯蓄から出して貰おう。あとドラゴン族に苦情を!!)))