モンスターは肉です。
『ふはははっ!!霜降りの肉が二桁に行ったぞ!さー、もっとだ!!もっともっと肉を寄越せ!』
グリーンファントムクォーツの迷路の迷宮をぶち壊しながら隠れていたミノタウロスを狩り尽くす勢いのロート。
本来ならミノタウロスが冒険者を狩るのに立場が逆転してしまい、今やミノタウロスが息をを殺してグリーンファントムクォーツの影にじっと隠れてやり過ごしロートが過ぎ去るのを待ってる。
『むっ?宝箱が有る。小さいな。この霜降りの肉の迷宮は終わりなのか?。ならもう一週してこようか?』
来た道を見てると、ドスンと音が背後でした。
床を見ると先程より大きな宝箱がある。
『むっ。先程より一回り大きいな、仕方がない。何が入ってるか見てみるか!』
今までは迷宮内に散りばめられていた宝箱が有ったがロートが全く気付いてなく破壊の限りを尽くしに夢中でミノタウロスの肉を求めて迷宮をさ迷いついに迷宮の終わりに初めて宝箱を見つけたのだ。
『鑑定』
鑑定 : ただの宝箱。開けると毒ガスが噴射される。
宝箱にも価値がある。
宝箱は貴方が欲しいと思ってる物が出てくる確率が高いです。
ただし、肉は出ません。
この宝箱ごと持ち帰って構いませんお引き取りをお願いします。
最後の文章はお願いだった。
『ふむ。毒ガスかぁ。どんな毒だろう。我も浴びて毒の成分を知らなければ?知らないとジルに使えないからな。ちょっとずつ毒を与えていたから今は毒体制が付き始めたからな』
クククと喉の奥で笑うロート。
絶対に良からぬ事に使うであろうと分かってしまう顔をしている。
だって凛々しい顔をしても口元は笑ってまっせ?。
ロートが宝箱に手を掛けて開ける
プシュー!!
真っ黒い霧の様な毒ガスが出てくる。
『鑑定解析』
鑑定解析 : 熊でも即死してしまう毒の霧。使い方次第では痺れ薬にも使える。
『なんだ。痺れになるだけか。でも研究していけば熊以上のモンスターにも使えるだな。
ククク。消えてしまう前に、この霧を魔法で集めてしまえば研究に使える。今度は宝箱を探しにもう一周しよう。』
宝箱の中は山の様にある金貨といびつな水晶の山だった。
ロートは宝箱自体をアイテムボックスに入れてグリーンファントムクォーツの迷路に舞い戻った。
ミノタウロス達は悪魔が戻って来たと姿を消してガタガタ震えていたが図体がでかいので隠れるとは言えない。
『さて、狩りの始まりだ~♪』
ミノタウロスの逃げ惑う足音と鳴き声が響き渡る。
クリスタルの迷宮に落ちたネロとホムラは、ケンタウロスの目の前にいた。
「これがケンタウロス・・・。」
『なんだホムラ顔が赤いぞ?怖いのか?』
そう言うネロは顔が青い。
ケンタウロスに会ってあまりにも大きいのでビックリしてる。ドラゴンなのに・・・?。
以外とこのドラゴンはチキンなのかも知れない。
「か・・・」
『か?』
「解剖してみたい。内臓はどうなってる?
人間の身体の中の内臓は人間用なのか?
馬の身体の中の内臓は馬用なのか
どうなってる?
肛門や生殖器はやっぱり1つなのか?
人と交配したらどうなる?
胴体を半分に斬れば馬肉になるのか?
馬肉・・・」
『ホムラさん?』
「馬肉。馬肉。馬肉。馬肉。馬肉を寄越せ!」
『ホ、ホムラさん?』
「ネロ!!馬肉が動くぞ!胴体と斬って馬の肉を手に入れよう!」
涎を垂らして獲物を狩る目をしてるホムラ。余りにもな変わり様ににネロはビックリしてる。
そして怖がる処か食糧と見なしているホムラにケンタウロスは逃げ腰で有る。
剣を片手にケンタウロスの群れに飛び込むホムラ
「ぎゃぁぁぁ」
「助けてくれ!」
「馬肉なんて嫌だ~!!」
「おおっ!!しゃべる時は人間の言葉なんだな!
面白い。面白いぞ!」
ホムラは目をキラキラさせてケンタウロスの群れに突っ込む。
ケンタウロスの口から溢れる叫び声と助けを求める声がクリスタルの迷宮にこだます。
「ケンタウロスの声五月蝿いな!そうだ!1匹だけ生け捕りして生きたまま解剖しよう」
『ホムラ・・・ここ迷宮だよ。』
「迷宮だから良いではないのか?血の処理、肉の処理、内臓の暖かさ。ククク。」
『それに何でも食べる方向に考えるのやめたら?ケンタウロスを見て馬肉って・・・』
ネロの申し訳ない言い方で言うがホムラは胸を張って言い返す。
「ケンタウロスもミノタウロスも本来的は怖いモンスターだよ。
足がすくんで動けなくなる凶暴のモンスターだよ。でもジルが言ったんだ」
『何て言ったんだ?』
「ミノタウロスを見て " 美味しそう " って」
『はっ?』
「ミノタウロスは霜降りの肉。ケンタウロスは馬肉。って言ってたよ」
『は?』
「ネロ!!また馬肉がやって来た。狩りまくるぞ!二桁は欲しい。容赦なくその肉寄越せ!!」
剣を持ってケンタウロスの群れに突っ込むホムラ。
空中を舞う武器にケンタウロスの首、腕、下半身と泣き別れになった上半身を見て一成にケンタウロスは逃げ出した。
『毒されてるかもな。
ククク。面白い。ホムラとジルは面白い。ケンタウロス!俺にも肉を寄越せ!!』
伏兵が現れた。
ネロは、一周回ってホムラが面白いと思う様になった。
ケンタウロスを追いかけてたどり着いた宝箱を守る一回り大きいケンタウロス
「大きいのは大味なのか?」
「でも食べご耐えはある。グフフフ」
「俺に挑む戦士の者よ「そんなのどうでもいい、解剖と肉を寄越せ!」
ケンタウロスの前置きを被せて一刀両断。
ホムラとネロのケンタウロスと言うモンスターでは無く、食べれるモンスターと見ている。
ホムラとネロの目にはもう馬肉しか映って無かった。
大きな槍を持ち向かって来るケンタウロスにネロは地上からホムラは上空から魔法を使って攻撃をする。
紙一重で槍を交わして練り上げていた火球を放ち、火球の影に隠れて剣を構えてケンタウロスに向かっていくホムラ
ネロとケンタウロスは見た。
狂喜な顔を。
((こいつはヤバい!!))
ケンタウロスとネロは心から思った。
ケンタウロスは死にもの狂いで戦ったが、目が肉になってるホムラの前では何にも役にただず呆気なく討伐された。
「なんだよ。肉は落とさなんだ。ここのモンスター倒しても馬肉は出ないし」
『大きな宝箱が出たからいいじゃん。もしかしたら肉かも知れないし』
「そうだな!開けてみよ。鑑定出来るか?」
『もちのロンだ! 鑑定』
鑑定 : 宝箱を開けると火球と二度と出てこれない落とし穴に落ちる。
宝箱に付いてる宝石にも価値有ります。持って帰れます。
お願いします。帰って下さい。
ここも最後はお願いだった。
ケンタウロスの槍で施錠を解除して開ける。
ガコン!
落とし穴が出てきたか直ぐに元の床になった。
槍で確認して大丈夫だったので宝箱の中身を見る。
宝箱の中身は大量金貨とマジックバッグと水晶の山だった
「やったー♪」
アメジストの迷宮からローズクォーツの迷宮に段々変わって来た。
迷宮内に電流が走りバチバチ音がする。
「ライガーウルフか?」
柄を持っていつでも抜刀できるようにする。
「クケーッ!!」
「ライガーウルフじゃないな。
あれはサンダーバードか!!」
「クケーッ!!」
「・・・羽毛だ。」
「クケッ?」
「ちょうど羽毛布団が欲しかったんだよね。
ここでサンダーバードを倒して羽毛を剥ぎ取り持って帰れば・・・布団を買わずにすんで余分な出費が無くなる。
羽毛。・・・羽毛を寄越せ!!」
ジルが剣を抜きサンダーバードの首を一刀両断。
どんっ!!どんっ!どん。ゴロゴロと切り落とした首が止まる。
魔法で羽毛を刈り取り、その場で洗浄乾燥させてふわっふわっにさせてから袋に詰めた。
羽毛を剥ぎ取られたサンダーバードを見て有ることに気付いたジル。
羽毛に取ったら身が出てくる。魔法で足を上にさせたら剣で身を捌こうとするがサンダーバードは黒くなりボロボロと崩れる様に消えた。
「羽毛は採れても肉は採れないか」
ちょっとガックリ来たけど肝心な羽毛が採れて大満足なジルだった。
その後はローズクォーツの迷宮を歩いてもモンスターやスライムすら何も出てこない。
そうこうしていると宝箱がある部屋に着いた。
「もう宝箱。何が入ってるかな?鑑定」
ジルは手をかざして宝箱を見る。
鑑定 : 開けても何も危害を加える物はありません。
宝箱に価値がある。
貴方の願う物が入ってるかも
頼むから出ていってくれ!!
「・・・開けて見るか」
宝箱の悲痛なお願いに何とも言えない感情にはなる。
宝箱の中身は大量の金貨と短剣と長剣と魔力中毒になるほどの魔力結晶だった。
「魔封爆弾とかに使えるかも?
あっ手紙だ。
何々、魔力結晶は人体用です。
体内にいれれば魔量増量する。
大変貴重なものです。
増量しても減ったり何年か後に消えたりしません。
古代兵器の一部なので扱える事の出来る貴方に差し上げます。
全10個差し上げますのでお願いします。
お連れ様と共に帰って下さい。」
最後の文章は、悲痛な思いが込められていた。