余った金貨で美味しいもの物を食べに行きましょう
王都の北西にあるホテル雅に2部屋を取ったジル、ホムラ。ススム、アユ。
「今日は疲れた~」
「お疲れ様です。」
「二度と行かない。」
「ボスが変わるかもよ?」
「変わらないよ」
記憶の迷宮のボス戦で勝利を納めたジル達は、ホテル雅で部屋を取ってから夕食を済ませた後、一度ジル、ホムラが泊まっている部屋にススムとアユを呼んだ。
「記憶の迷宮の踏破で出て来た宝箱の金銀財宝の山分けをしたいと思います。金貨や銀貨は完全に同額を分配です。問題はミスリルのショートソードです。誰が使いますか?」
ジルとホムラでコンビを組んでいた頃。
まだ、ロートとネロがいない頃。
迷宮の攻略で宝箱から出た金銀財宝が、どう数えても奇数になるようになっていた。
他の冒険者それでいつも内輪揉めをしている。
ジルとホムラは必ず折半する。
余った金貨や銀貨はどうする?って
勿論余った金貨や銀貨で美味しい物を食べに行ったり温泉旅行に行ったりしてパッと使う。
寄付はしないのか?だって
しない、しない。
だって中抜きが一時期問題になったんだ。
まぁ、それはシスターに恋をした貴族がこっちを見て欲しいと幼稚な嘘を着いてそれが広まって教会は大慌てだったんだ。
「金貨や銀貨は4人で折半です。ジルや僕が多い事はありませんので大丈夫です。で、こちらが余った金貨です。明日このお金で美味しい物を食べに行きます。」
「寄付とかしないのですか?」
「僕達が苦労して得たお金です。好き勝手使う権利は僕達に有ります。教会の人間が口出ししないで欲しいです。」
「そうですか。」
「それで宝箱から出たミスリルのショートソードですが、ジルと僕で相談して勝手に決めちゃったけどススムに使ってもらう事になりました。」
ホムラが微笑みテーブルの上にミスリルのショートソードをコトリと置いた。
「え?!」
戸惑うススム。
喜ぶアユ。
「すまんな、アユ。」
と謝るジル。
「いいのですよ。私は、弟のススムがちゃんと評価してもらえればそれだけでいいのです」
微笑むアユの顔を見てジルも微笑んだ。
「本当に私が使ってよろしいのでしょうか?」
「かまわない」
「僕達が言っているからいいの。それに結構助けてもらったし、主にジルだけど」
「………」
「その報酬と思っておけばいいって」
そう言ってホムラは笑った。
ススムは恭しくショートソードを入れてマジックバックに入れてアユを見て笑う。“やっと自分達をちゃんと評価してくれる人に出会えた。”と顔をしていた。
ジル、ホムラ、ススム、アユは、次の迷宮は何処にすると話が出たが、ジルが、“当分迷宮はいい”と言う事もありしばしの休息となりススムとアユは部屋に戻って行った。
「記憶の迷宮ですが、本当に行かないですか?」
「嫌でも、もう一度行かないと行けないなぁ」
「そうですね~。」
お水を口に含み飲み込んだ。