食べ歩き
今日は迷宮都市の二条。
何で二条なのかは分からない。
ジルとホムラはピリ辛ハンバーガーを食べながら何処に行くか地図を広げながら話をしている。
「二条では、海鮮が有名です。鮪、鮭、イクラ、ウニ、その他諸々有りますけど、僕はたこ焼きが食べたいです。」
「たこ焼きかぁ。ミナミではたこ焼き、お好み焼きが有名たな」
「ここでもたこ焼きが売ってます。ピリ辛ハンバーガーを食べたら行きませんか?」
「いいよ。」
紅茶とピリ辛ハンバーガーを食べたジルとホムラは、地図に載っている、たこ焼き屋に向かう。
たこ焼き屋くる
8個入りを2パック注文して先払いの為先に現金を払い、店内のテーブル席に座ってたこ焼きが来るのを待つ。
木の薄板で作られた船に熱々のたこ焼きがジルとホムラの前に置かれた。
割り箸で出来立て熱々のたこ焼きを一口で食べると口から湯気が出る。
「美味しい」
「旨い」
濃厚なソースに鰹節にマヨネーズ、青のりが掛かっている。
鰹節なんて湯気で踊っている。
「熱々で食べると口の中が火傷するが、これはたまらない。」
「本当です。たまりません。もう1パック食べたいです。」
「それはダメだよ。ラーメンを食べないと行けないからお腹の空きは確保しといて」
なんて話をしていた2人。
最近のジルとホムラは食べても食べてもお腹が減る。
だからか最近は、定期的に食べ歩きをしている。
だけど、たくさん食べているのに太らないとてつもなくいい身体をしているジルとホムラだ。
たこ焼きを食べた後は味噌ラーメンを食べに行く2人。
「気付いてました?」
「付けて来ているな。」
「ろくでもない者ばかりですね」
「相手は、冒険者か。おおよそ新しいエリアのドロップ品が欲しいだけか?」
「人を選んで欲しいです」
「そこの路地裏に行こうか?それともこのままラーメン屋に行くか」
「ラーメン屋に行きましょう。味噌ラーメンを食べないとここに来た意味が無くなります。それにまだまだお腹は空いてます」
吐く息が白くマフラーに口元を隠して二条都市の有名人な味噌ラーメン屋に入った。
「いらっしゃい!何名様ですか?」
「2名です。」
後ろから「あっ!」と声が聞こえるが無視。無視。
「後ろの方何名様ですか?」
「5名だ」
「奥の座敷にどうぞ」
舌打しながら僕達の横を通り過ぎる。
「何します?」
「味噌ラーメンを2つ、後、餃子4人前に唐揚げ1人前に炒飯は2つお願いします」
注文をして15分。
味噌ラーメン、炒飯、唐揚げ、餃子が、テーブルに並ぶ
「「頂きます」」
美味しそうに食べるジルとホムラ
先程、ピリ辛ハンバーガーとたこ焼きを食べて来たのに満腹がリセットされている様に食べる。
後を付けて来た5人はポカーンとして見てるだけ。
食堂なのにジルとホムラの処だけ高級な料理を食べている様に見える。
味噌ラーメンをズルズル~、ズルズル~………
「美味しいです」
炒飯をパクパク………
「美味しい。」
あれよ、あれよと言う内にテーブルの上の味噌ラーメン、餃子、唐揚げ、炒飯はみるみる内にジルとホムラの胃袋に消えた。
2人共、細身なのに何処にその食事の量が入るのやら全くの謎である。
「ふう。お腹いっぱいだな。」
「そうですか?僕はまだ入りますよ」
えっ?!と驚く5人。
笑顔で言うホムラ。
「まだ頼むか?」
「いえ、大丈夫です」
「お腹が空いたら早めに言うんだぞ」
「勿論です。」
ジルとホムラの会話を聞いていた5人はジルとホムラの後を付けるために同じ様に食べて、飲んでいた。
そしてこの大衆食堂にて彼らは餃子1人前を5人で分けていた。
「もう入りません。」
「ギブアップです。」
「この食品代経費で落とせますか?」
「「無理だろう」」
そんな事を話していた5人の処をジルとホムラが会計に行く。
2人で銀貨5枚。
「ありがとございます」
食堂を出たジルとホムラは、屋台での串カツを見つけ、また食べていた。
「あいつらの胃袋どうなってんの?」
恐ろしい者を見る様に5人は足早にジルとホムラから離れた。
「(後を付けますか?)」
「(嫌。辞めとこ。小者に用はないしまだ実害も無い。気にするだけで無駄だよ。)それにしてもこのカツは美味しいな」
「(そうですね)でも本当に美味しい串カツですよ。」
「嬉しいこと言ってくれるな兄ちゃん達。」
ニカッと笑う店主に銅貨4枚払って ジルとホムラは人混みの中に消えた。
「クソッ! 逃がしたか!」
「迷宮のお宝を一人占めしやがって!」
「あんだけのいいコートを着てたんだ見逃すのはまず無いのに!」
「親方、居ませんぜ?」
「探せ!!」
「(先程の冒険者よりも達が悪いですね。あえて視界にとらえさせて全滅させますか?)」
「(う~ん、どうしようか?全滅もあり得るし、情報仕入れる組織が欲しいんだ。)」
「(情報仕入れる組織ですか?)」
「(情報は金になり俺達のご飯代になる)」
念話で話ながら都市を歩くジルとホムラ。
路地裏には、首に鉄で作られた首輪がはめられた子供が視界に入った。
「(あの子は………どうですか?首に首輪を付けてますが)」
「(流れ者には用はない。奴隷商人の処に行くか?掘り出し者が有るかも知れないよ?)」
「(稽古はロートとネロに付けてもらいます?)」
「(出来るかな?彼らは大ざっぱだし)」
「(そうでしたね)」
気付かなかった時には戻れない。気付いてしまった。二条都市の裏側に。
でも、ジルとホムラは、知らないふりをして都市を歩き、人混みの中に消えた。