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焼き串と宝石

今日も僕とジルは王都を観光している。

だが昨日とは全く違うのが1つある。

そう。コブ付きである。


僕の身体の中にいたブラックドラゴン魂が何らかの力で人の姿になって僕達の前に現れたのだ。

しかも途中から僕達のデートに参加してきたのだ。


しかも、しかもだよ。

ジルの腕に手を回して僕じゃなくてブラックドラゴンがジルとデートしている感じだ。

腹立つ!!


ブラックドラゴンは僕と似て黒髪のショートヘアーで首に金のネックレスをして服はだらしなく着崩している。


あれの格好の何処がいいのだろう?

はっきり言ってダサい。


ブラックドラゴンの事を奴と呼ぼう。

うん。

それがいい。


「ホムラ、(ブラックドラゴン)を回収してくれ」


回されてた腕を外してジルが僕に言った。

相当嫌だったのだろう。

少し困り顔だ。

ジルの困った顔を見れたのも(ブラックドラゴン)のおかげだけど何か釈然としない。


「お前!!」


僕の耳元に近付いて囁く


『ジルの嫌な顔を見れたのは俺のおかげだろ?』

「な、何言って・・・」

『ジルとあーんなことやこーなことをしたいのに全く持って鈍感なジルに手を妬いてるのはお前だろ?』


こそこそと2人で話してるホムラとブラックドラゴンの姿を見て、ここは邪魔者が消えた方がいいなと思ったジル。


ソロリソロリと音を立てずに歩きだして、建物の裏に移動した俺はヒソリと2人の姿を見てから頷き路地裏に消えた。


誰も来ない路地裏でジルは小さな声で呼ぶ。


「リュージュ?ロート?」

『リュージュもロートもどちらも赤って言う意味だろ』


ふわりと出て着たのは真っ赤な髪を腰まで伸ばした癖っ毛、赤い目に黒のマニキュアをした男だった。

ジルは驚かず黙った見上げてわりびれもせず淡々と言った。


「だって名前決めてなかった」

『そのままの意味だろ?』

「俺と戦った時は白い髪だったのに、まさか自分の血で髪が染まるなんて思っても無かったけど」


きっちり首まで閉めてる服の襟と胸元までのボタンを片手で開けて現れたジルの首筋にキスをした。


『それでどうした?急に呼ぶなんて?』

「んっ。・・・ホムラとブラックドラゴンが・・・」

『が、どうした?』

ロートの唇がジルの鎖骨にキスをする。

「デートしたい見たい。

いちゃついてるのに邪魔しちゃ行けないから2人を置いて逃げてきた。」

『は?!』


(ジルは本気で行ってるのか?

あれはどう見ても喧嘩している感じと言うよりブラックドラゴンが(ホムラ)にじゃれてる様に見えるが?)


『そ、そうか。ジルは空気を読んだんだな?』

「ああ!空気を読んで2人にした。」


(大丈夫です。貴方(ジル)は鈍感のままです。俺との相性もいいしな)


「ロート?」


見上げて言うジルが可愛い。

俺は食い付く様にジルの唇を唇で塞ぎキスをしてジルの舌を探った。


「!!」


顔を赤くさせるジルだけど、流されまいかとジルも舌を動かして口の端から涎が垂れる。


『!!』


遠くから足音が聞こえる。

ロートがキスをしながら片手で魔法をで黒い布を作りジルの頭から被せて見えなくした。


遠くの方で会話が聞こえる。

女の声だ。


「こっちにジルさんが歩いてたの見た人がいたよ。」

「本当?」

「本当。本当。ホムラさんは新しい彼氏と話て、ジルさんを居ない事に気付いて慌ててジルさんを探していたけど? 」

「拗ねたのかしら?」

「「まさか?!」」


笑いながら話が聞こえてくる。

ジルの顔を覗くと赤く誰もが見てもズキユーンと心をいぬかれる気持ちになる。

ジルはもう立ってられなくなり身体をロートに預けた。


『ちょっとやり過ぎたか?』

「手加減して、後俺は虫歯ないから 舌で歯を撫でても痛がらないよ?」


(鈍感で、天然か? ククク面白い)


「あっ、あの。すみません。ここに白と濃紺の装備服を着た男性来ませんでした? 名前はジルさんと言いますが」


馴れ馴れしく言う女性にロートはイラッとした。


『・・・』

「言葉分かりますか?」

『ストーカーは良くないぞ!』

「ストーカーじゃない。追っかけよ!」

「そうよ!ストーカーなんて酷いじゃない!!」


ロートの回りには認識阻害魔法がかけてあり、どんな人物でどんな髪をしていたかわからない。

しかも声も言ってる内容も覚えてない魔法だ。


『充分ストーカーだと思うが?。

我の物に手を出したら明日の朝日を拝めんと思え。』


低い声と龍の圧をかけてやり女性は失禁して倒れた。

辺りにはアンモニアの臭いが漂う。


『ジル。欲しい物がある。来てくれ』


そう言ってジルの返事を聞かずロートは抱き上げるとその場から転移魔法で路地裏と大通りを結ぶ道の近くに転移した。

腕を組ジルとロートは裏路地から表通りに出る。


時は同じく広場で怒るホムラに、ブラックドラゴンは涼しげな笑みを浮かべていた。


「探しなさい」

『探すって意味知ってる?。彼奴(ジル)には最強の護衛が付いてるんだぜ?俺と同じ存在がな。嫌、俺以上の護衛がな』

「何ですかそれは!! 誰ですかその人は?!僕のジルに」

『お前の物になってないぜ?』


今にも噛みつきそうなホムラに、軽くあしらうブラックドラゴンを遠くで見ていたジルは、「仲いいね」と場違い半端なく言ってロートが引いていた。

(あれが、仲いい?・・・ま、見方を変えればそう見えるか?・・・無理があるな)


「ホムラ~♪」


手を振って近付いてくるジル。

その後ろに付いて歩く赤い髪の人

乱雑に服を着ているがそれがあの男の姿を一段とカッコ良くている。

それとも来たらこのブラックドラゴンはチャラ男みたいだ。


「こんにちは。」

『かなり前にあったぞ!』

「そうか。そうか。それはすまなんだ。先程ひとりで考えたブラックドラゴンの名前だけど、どれがいい?3択だけど」

『どんな名前だ?』

「シュヴルツかノワールかクロか、チャラ男」

『4択じゃないか?しかも最後は悪意を感じる!!』


肩を震わせて笑いを堪えながらロートが言った。


『クロにしとけ。一番覚えやすい』

「じゃ、これから(ブラックドラゴン)はクロ(仮)で、後はホムラにいい名前着けてもらいな」


ホムラの意見もブラックドラゴンの意見を通さず勝手に決めてしまうジル。

天然はちょっと怖い。

クロが思った言葉だ。


「俺とロートは用事が有るからホムラとクロ(仮)はデートしてて、あっ邪魔はしないよ。仲良くすればクロも色々助けてくれるからね!」


そう言ってジルは僕達に手を振って赤い髪の男と宝飾店の方に歩いて行った。


僕とクロは口喧嘩しながら屋台歩きをして親睦を深める。

だが!クロはあっちの屋台、こっちの屋台でホムラを連れ回す。


「もしかして人の街は始めてか?」

『ああ、始めてだ。始めて食べる物ばかりだ!』

「ふーん・・・もっと食べるか?」

「食べるぞ」

両手に焼き串を持って食べるクロ(仮)にホムラは大きな弟を持った気分になっていた。


時は同じくジルとロートは大きな宝飾店のVIPの部屋にいた。

場違いと言ったが、ロートを見てVIPの部屋に通されたのだ。

『埋め込まれた指輪を5つ欲しい。』

「5つでございますか?。宝石の色はどうしましょう?」

『そうだな。どれがいい?』

「ロートが決めていいよ」


宝石の事は良く分からないから俺はロートには丸投げした。


『では、パパラチアサファイアにムーンストーンにダイヤモンドに水晶を入れてくれ。水晶は2つ造ってくれ。全て1.0ct(カラット)にしてくれ』


意外と注文が多い。

ジルはのほほんとお茶を飲みながらイキイキしてるロートを見て甘さ控えめの茶菓子を食べた。








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