激怒のホムラ
僕とジルだけの暮らしです。
何故、ジルだけはロートとネロを見えるのかが分かりませんが、心配です。
今日は久々に大きなベッドで眠りました。
クイーンサイズのベッド
フカフカで、僕もジルも布団から出たく有りません。
その夜は、屍の様に寝ました。
朝になり仕方なしにノソノソと芋虫の様に出てきました。
ベッドを見てもジルはいませんでした。
1階に降りると部屋が暖かい。薪ストーブでヤカンが置いてカタカタ鳴っています。
「起きたか?」
「おはようございます。」
フライパンに厚切りベーコンを焼きながら卵を入れ目玉焼きを作る。
「今日は、ベーコンエッグですね。フォークと皿を持ってきます。」
パタパタ走りテーブルの上にある本や書類をテーブルの端に移動させる。
空いたスペースにお皿に乗ったベーコンエッグを置いた。
「綺麗なフォークはこれしかないの」
差し出されたフォークを受け取り、パンを切り分けて食事をする。
僕達が食事をするダイニングは、汚れきっている。
「大掃除しないといけないな」
食べながら天井に床、テーブルに流し台を見る。
始姐の森に言って帰ってきたら季節が変わっていて大変だった。
家に入れば埃やチリの山。天井から垂れ下がる埃にテーブルや床に散らばり置いてある本や書類の山ごドンドンドンと足の踏み場がない。飛行魔法で2階、3階に行くとガラクタで埋め尽くされ、まるで何かから逃げ隠れるように辺りを物で埋め尽くされているのだ。
「食べたら掃除だな」
「そうだね。何処から始める?」
「流し台から………かな。どう手を付けて良いのか分からんかったから…でも、今のままじゃ駄目だからな。ロートやネロに笑われる。」
クスリと笑い、とりあえず、食事をする。
ジルと僕のたわいもない話して、食事を終える。
「さて、食事も終わったし、掃除を開始しよう」
流し台の中や外に積み上がったお皿やコップ、マグカップに箸やスプーン、フォークを魔法で浮かせ水球の中浸けて1枚づつ洗剤を付けて洗い始めた。
「多いね。」
「そうだな。でも、余計な事考えんでもすむ。」
「そうだね」
「でも、これが誰かの仕業なら」
「仕業なら?」
「馬に繋いで引き回しの刑にしてやる」
ジルは口では、そんな事言いながらでも口元が笑っていた。
2時間かけて流し台を綺麗にした。
「食器棚も綺麗になって良かった~、次は床とテーブルと棚を綺麗にしましょう、ジル」
僕は、笑いながら浮遊魔法で床やテーブルの書類や本を浮かせ、風魔法で外に敷いて置いた布の上に置く。
「請求書?宛先は誰だろう?」
「僕達じゃないね。僕達はいつもニコニコ現金払いだから」
「それだけは助かる。で、宛先は元親?!」
角無しの鬼人族の元親。
「請求書はまとめて鬼人族の元親に送り、見つけ次第にボコる」
「馬に繋いで引き回しはどうするの?」
「馬がいればね」
床に散らばった本を手で叩きながら外に出していく。中身がぐしゃぐしゃになってないだけで良かった。
ジルがパチンと指を鳴らし、床とテーブルに散らばった本が浮くと一斉に外に出て行く。
テーブルを濡れたタオルで拭く。
埃まみれで僕達は、良く、2週間もの間我慢したなと感心していた。
本の山と書類を外に出して、ジルと僕は三角巾とマスクをして天井の埃クモの巣を箒でかき取る。
「それにしても、凄い埃ですね。まるで何年も掃除してないお家みたいです。」
「そうだな。魔法で集めて燃やす」
ジルが言うと、右腕を伸ばし右手に青白い光が集まる。空中に青白い光が出るとかき集めた埃の山が、吸い込まれて、左手でパチンと鳴らすとボワッと燃えて消えた。
「こんなところに暖炉がある」
「灰を捨てて、ストーブから暖炉にシフトチェンジするか?」
「いいですね。」
魔法で床を磨く様に指示して2階に行く。
だが、2階はとても綺麗だった。
「時間魔法だ」
2階の階段から隠蔽魔法がかけられており元親は知らなかったみたいだ。
ジルも僕も自分達の部屋に入る。
ロート、ネロがいなくなった日からカレンダーにいくつもの丸が記入しある。
「何だこれは?」
「ジル!」
「どうした?」
声がした方にジルが向かう。声が聞こえた方は、ホムラの部屋。
「どうした?」
「日記。誰かが書いた日記で、ここは1000年前の過去なんだ。その頃には、魔法使いはまだそんなにいない。」
「じゃ、ロートもネロも?」
「い………」
「!!」
突然、家が歪みホムラとジルは、その場に蹲る。
ホムラが手放した誰かが書いた日記をジルが拾うとするがそこにはもう日記はなかった。
とりあえずホムラと離れ離れにならないようにくっついたまま倒れた。
◇
「………ル。………ラ。」
「……ル。……ラ。」
「ジル、ホムラ。」
「ジル!、ホムラ!起きろ!」
「「!!」」
ジルと僕は起き上がると辺りを見回して
「「ロート、ネロ………」」
「なんだよ。まるでお化けが目の前にいる見たいな顔で、呆けて」
ジルと僕は、マジマジとロートとネロを見る。
ジルはロートの頬を摘まんでいた。
「いたひ、いたひ」
ジルの手首を掴んで、頬から離し頬を擦る。
「ロート………だよな。生きてるよな?」
「?。当たり前だろ?。」
「そうか」
「「?」」
ロートとネロは顔を見合わせる。
どうもジルとホムラの様子がおかしい。
「何か有ったな」と予測を立てて聞く事にした。
「急に姿が見えなくなって、何処を探してもいないんた。3日もいなくて、2階に行ったら家の中にいるんだもんビックリしたよ。何があったんだ?」
「俺達は………何処にいたんだ?」
こてんと首を傾けロートとネロに聞くジルにロートが突っ込みを入れた。
「嫌。知らねぇし」
「だよな」
「ホムラは何か覚えてる?」
「それが、何も………」
曖昧でぼんやりと霞がかった様に思い出せない。
ジルと僕とロートとネロはしばし考えていたがネロが手を打って一言言った。
「分からんもんに時間を裂くのは勿体ない。次の事を考えよう。例えば増築の事だったり、壁の大穴をどうするかをさ」
「(ロート。壁の大穴とはどう言う事か?)」
「あぁ………嫌~。その、何だな」
「プロレスごっこをしてたら足が当たって大穴を作ったディハハハ」
「「ディハハハ」じゃないよ。まぁ新しい家を作るか」
「式年遷宮みたいに作る?」
「そうするか」
「もうロートやネロがプロレスごっこしても壊れない家を作ろう。龍やドラコンの攻撃に耐える家を作ろう」
そう言ってジルが振り替えったらそこには、ホムラ、ロート、ネロはいなかった。
◇
「………ル」
「……ル」
「…ル」
「ジル」
その声が聞こえてジルは目を覚まし、1階に降りる。
そこには、ホムラ、ロート、ネロがいた。
正座のロートとネロに仁王立ちのホムラ
「家の中で野球をしない!バットが手から離れてそのまま吸い込まれる様にジルの頭にヒット!大変な事になったんだ!」
激怒のホムラだった。




