異端者
私の名前は薺。
酒が大好きなボインの女性。
「ボインじゃないだろ?。」
「うっせーわ!」
ウッホン。自分で言うものなんだけど結構モテる。
「何処が?」
「ホムラ!イチイチ茶々を入れるな!」
ホムラとはソロの時代から一緒にダンジョンに行った中だよ。勿論彼氏、彼女の中じゃない。彼は、まだ10代の頃にジルと出会っている。彼は覚えてないみたいだけど、ホムラは、助けてもらった彼に惚れたんだよね。男が男を好きになるとは、私は理解出来んかったよ。でも、嬉しそうに話してるホムラを見て本当なんだと思ったね。
私は、一度ジルの戦いを見たことがあるの。凄かった。空を飛んだり、剣を滑らせて相手の剣を弾く。剣を速く動かして相手を動きを鈍らせたりする。
それに剣だけじゃない。魔法も凄いんだ。火魔法の火球は威力が凄いんだ。辺りを火の海にして灰も残さない。どれくらい威力があるのか測って見たいけど、本人は魔力を調整しているようで、本来の威力は分からないんだ。火魔法だけじゃない。水、土、雷、光、闇魔法もどれも凄いんだ。
「当たり前です。ジルですよ」
それに浮遊魔法に飛行魔法も使える。飛行魔法は扱える者が殆んどいないんだ。どういう原理なのかまだ分かってない。浮遊魔法は扱える者が多数いるんだけどね。
私?私は使えないよ。剣一筋さ。
魔法が使え、剣も使えるから異端者なんだよね?って………
「確かに異端者と呼ぶ者はおる。古い人達はジルの事を異端者と呼ぶんだ。それは、膨大な魔力が有るからだと聞いた。昔1000年前に異端者と呼ばれている児童がいたそうだ。そこら中にダンジョンをスタンピートをおこし、王都やススキノ、ミナミ、と次々に蹂躙をしていった。本当かどうかは知らないけどね。それ以来魔力が多い人を異端者と呼びそれからさらに年月が立ち魔法と剣や弓を使う二刀流の人を異端者と呼ぶようになった。」
へーそうなんだ。
ホムラあんまし感心が無いね。
異端者の事を調べているんだろ?
何故異端者なんだ?
何故?そ、それは………え~と、まだわからん。
「異端者って言葉は、恐怖からその人の名前を呼ぶのが怖くて、付けられた名前だろ?」
ジルがマグカップに紅茶を入れて持ってきた。
そうです。その通りです。
良く魔王の事を伝える時に違う名前で伝え、本当の名前を隠すんだ。新たな文字を作ってその周辺の地域の人々には、言い伝える。姿、形を変えて
始姐の森に住んでいる人々も異端者の手下ととらえていた。
「処で薺」
「なんだい?ホムラ。」
「早くか・え・れ。」
「あージルとイチャイチャ出来ないもんね。馬に蹴られる前に帰ります~」
薺は帰って行った。始姐の森に向かって。
「始姐の森の近くに泊まる処有りましたか?」
「「「さぁ~?」」」
ジル、ロート、ネロも分からない。そもそも、始姐の森に行こうと思わない。彼処は太古の魔物が住んでいる処と言われてる。嘘か本当か知らないけどフェンリルの小型化した魔物がいる。たまに山を降りてくると言われてた。
「異端者ってのは、凄いのですか?」
「異端者なら俺もお前も同じだろ。剣も魔法もバンバン使うからな」
「嫌ですか?」
「嫌。余り人が近付かない。最高じゃん!」
「薺は始姐の森に行ったみたいだがいいのか?」
「………くそ、迷惑ばかりかけやがる。」
しかめっ面をしたホムラは頭をガシガシかくとジル、ロート、ネロに頭を下げて薺の後を追う。