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龍とドラゴン

ホテルで一夜を過ごして朝、日の出の前にジルが1人で露天風呂に入っていた。


東の空が青くなってくる。


ジルは朝早く起きて来ていた装備服を洗ってユニットバスに掛けている。

最高級の装備服だから直ぐに乾くだろう。

何せ龍とドラゴンを討伐して作った服だからだ。

髪を上げていても湯船に髪がガッツリ付いてる。


「洗うか」


昨日ホムラに洗ってもらったが、今日も朝早くから髪を洗う。

ゴシゴシ洗い泡を洗い流す。

やっぱり自分で洗うのと洗ってもらうのは違う。

トリートメントをつけてボーッと30分放置。

30分だったら洗い流して固く絞りタオルで髪を包んで湯船に浸かった。


「夜明けだ」


当たりが白くなってくる。

今日もいいよ1日になるだろう。

湯船にゆっくり浸かっていると声が聞こえる。


『いい湯だな』

「そうだな」


湯船に浸かるもう1人の影。

ジルは慌てた様子もなくのんびりと浸かっている。

ゆっくりジワジワと温まる身体。

30分たって露天風呂から出て身体を拭き用意していた浴衣に着替え冷たい水を飲んでホムラを見た。


「良く、寝てる。」


気持ち良さげに寝ているホムラ。

何か言っているが、寝言に返事をするのは良く無いので聞き流す。


だがジルは知らない。

夜中にやけた顔でジルの寝顔を見ていた事を・・・。


長い髪をタオルで拭いていたが、面倒くさなって魔法で乾かす事にする。

パチンと指を鳴らせばサラサラの艶々の白銀髪の乾いたばかりの髪になった。

(くし)で髪を()かしていくが何分長い。これも面倒くさくて魔法で髪を梳かしてやろうと指を鳴らそうとするが後ろから黒のマニキュアをした手がジルの指を覆う。


『我がやろう』

「悪いよ」

『本心で思っておらんだろう?』

「そんな事ないよ?」

『まぁ良い。櫛をかせ。我が梳かしてやろうぞ』


ジルの手に有った櫛を取り髪を梳かしていく。

慣れた手つきにジルも微笑む。


『余り魔法でやるな。髪が毛先が少し傷んでる』

「面倒くさいんだ」

『我がやってやるぞ?』

「ホムラがビックリするよ」

『我に(ホムラ)の事を気にせよと言うことか?』


耳元で(ささや)く様にいい浴衣の隙間から手を差し込んでジルの乳首を触る。


「んっ。そうじゃ無いが、あっ、彼方(あちら)も変化が有った」

『我の方でも変化が有ったな!』

「どんな?」

『これ、後ろを向くでは無い髪が梳かせない』

「ほぉ~、人の乳首を触ってるのにか?」


乳首を触っていた手がジルの肩に行き浴衣を脱がして現れた首筋に吸い付く様にキスをした。


「これこれ。後が残る。」


何も動じないジル。

初めは動揺しまくりで可愛く鳴いていたのに・・・今では慣れてしまった。


(我は、やり過ぎたのか? 前はあんなに可愛かったのに)


「変な事考えて無いか?」

『ん?、前は可愛かったなと思ってな!』

「なっ、変な事言うなよ」


顔をそっぷ向いて赤くなるジル。


(あー、可愛い。(ホムラ)がいなければベッドに押し倒したのに!!)


(よこしま)な考えでもジルの髪を触る手つきは優しい。

髪を束ねていつものポニテにする


『出来たぞ』

「ありがとう」

『我にかかれば造作無い事よ』

「そうか?」

『床に髪が付く。前に持っておれ』

「俺は気にしないぞ?」

『我が気にする。綺麗な白銀髪なんだ。我が好きな色なんだ。この髪色は』

「そうか。所で(ドラゴン)はどうした?」

(ドラゴン)なら殺して吸収した。我とジルの事を馬鹿にしたからな!!本望で有ろう』

「吸収して身体に異常は?」

『吸収しても我の魔力の一部になり、人格と言うもののを消したからな二度と復活はせんじゃろう。もし復活しても、我の手足となって働いてもらうさ』

「異常無しならOkだ」

『さて、そろそろ(ホムラ)が起きる。我は眠りにつこう』

「眠りにつこうなんていつもの起きてるのにか?」

ジルが微笑んで言うと

『そう言う顔は我以外人に見せるでないぞ!いつもの興味無さげの顔で行け、でわな』

「おやすみ」


声の主が消えて、辺りが静かになってから5分後、ベッドからのそりとホムラが起きてくる。


「おそようございます」

「おはよう。朝から露天風呂に入ってみるのもいいぞ」

「!!」

ジルが浴衣を着ている?!

ど、どうして?!

少し乱れてる?!

どうして?!


「装備服ほどうしたんですか?」

「洗って乾かし中。ユニットバスに水洗いでそのまま干してある」

「僕も洗います」


ホムラは装備服をユニットバスに着けて水洗いを始める。

ジャバジャバと豪快に

びちょびちょのまま軽く絞りハンガリーに掛けて乾かす。


「全部洗ったんですね」

「そうだよ、うちらの服は汚れてもものの数分で綺麗になるから汚れないと思うけど、たまには自分達で洗った方がいいよ。でホムラは朝風呂に入っておいで」


露天風呂に促されたホムラは浴衣とタオルを持って風呂に行った。


「僕も早起きすれば夜明けを見れたのにな~」

『ククク、お前が早起きだと?片腹痛いぜ。』


頭に響く声にホムラは不愉快な顔をして言った。


「お前は誰だ?出てこい!」

『ククク、いいだろう』


その声と、突然湯船に顔を埋めるホムラ

「ガボッガボッガボッ」

『おっと、死んじまったら駄目なんだってな?』


行き良いよく湯船から顔を出されてホムラは大きく息をしながら露天風呂の壁に腕を回してゲホゲホしてた。

息を整えて僕を殺そうとした者の顔を見て言った。


「お前は誰だ?」

『おやおやおや。お忘れかい?

お前とあのソファーでくつろいでる奴で俺を倒したじゃないか?』

「・・・知らんが」

『・・・・・・』


しはしの沈黙。


『お前らが倒したドラゴンだ。ブラックドラゴンだ!!覚えておらんのか?』

「人形の姿で現れるドラゴンなんて知らんわ!!

そもそも負けてんのに何でそんなに偉そうなんだ?!」

『ドラコンには負けた相手に尽くすと言う掟がある。俺の肉を多く食べたお前に尽くしてやろうと思ってな!』

「ジルの所にも行ったのか?」

『あー行ったさ。お前と同じ様な事をしようとしてな・・・だができなかった。あの男は何者だ?俺の片割れが最後に送った通信がヤバイだけとはなんだ?』

「知らんがな」

『あのジルと言う男は、一体何者だ?』

「最強冒険者だよ」

『それじゃ話にもならん』

「俺は上がる。ひとりで入っとれ」


風呂から上がりタオルで身体を拭き浴衣に着替えた。

ブラックドラゴンは体を拭くが真っ裸のままで部屋に入ってくる。


「前を隠せ!!」

『何故だ?』

「・・・」

(関わらない方がいいな)

ジルは水をのみながら思った。


「何か服ほ無いのか?」

『有るわけ無かろうお前の複製の服を作る装備服を出せ』

「洗濯中だ」


ギャーギャー騒ぐ2人にジルは席を立ち、乾かしていた装備服を着て腰にマジックバックと剣を着けて

こっそりと部屋を出た。


ジルが居ない事に気付いたホムラも乾いたの装備服を着て、剣を着けてホテルを出た。


『俺を置いて行くな!!』

ドラゴン気配が空気の様に溶けて消えた。


朝ご飯はレストラン三國で和食を食べた。



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