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カミサマニオネガイ

ずっと考えていた。きっと誰しもが1度は考えたことのあるであろう問いについて。


"もし、願うが一つだけ叶うとするならば"


そしてその問いに誰しもが「叶えられる願いを100回にしてください!」などと答えたことがあるだろう。

かくいう私もその経験がある。むしろ今でもそれ以外の回答が見つからずにいるままである。

しかし結局はもしも話。現実で有り得ることなどあるはずがない。はずだったのに…


「ブサイクの癖に生意気なんだよ!」

そんな怒号とともに私に拳が振り下ろされ鈍い音が鳴り響く。

痛いだなんてもう思わない。だってとっくに慣れたから。

だから私は表情ひとつ変えずに下を向いていた。

「なんでだよ…。もっと痛がれよ!醜く泣き喚けよ!」

そんな惨めったらしい言葉が私に向かって吐き捨てられる。

本当に哀れだ。だからこそ思う。

「死んでしまえばいいのに。」

「んぁ?」

しまった。どうやら声に出てしまっていたようだ。しかし事実だ。私は死は絶対的な救済だと思っている。

だってそれは全てを捨てるということであり厄介な人間関係からも、うざったらしい使命も、自分の不幸も全てを捨て去ることができるのだ。誰かが世界は美しいだなんて言うけどそれは成功した人間の言葉で既に詰んでいる私たちには確かめることすらもできないほど遠いもので否定したい、否定出来なきゃいけないものだ。

「てめぇが死ねよ!」

再び怒号が響き渡る。そうして容赦なく私に振りかざされる拳を、怒りを、鬱憤を全て受け止めるようにして私はそこで息を引き取るのだった。


「やぁ」

そんな気の抜ける声を聞いて私は目を覚ました。

辺りを見渡すがそこには何も無く気が狂いそうなほど白一色で染め上げられた空間が広がっていた。

「ここ、は?」

「ここは地獄、もしくは天国と現世の狭間さ。」

「私は死んだの?」

自分の体に目をやると傷や痣はひとつもなく衣類すらも何も無い自分の姿が透けていた。

「あぁ、君は死んだんだよ。死んだ時のこと覚えてる?」

私はその質問に首を縦に振った。

確かにあの時私はボコボコに殴られて死んだ。

今でもその時のことは鮮明に思い出すことが出来た。

「君はとても不幸な死に方をした。」

そうだろうか?死ぬことに幸も不幸もあるはずがないのに。

そんなことを頭で考えるが深く考えるには時間が足りなさそうなのでそこで思考を断ち切る。

「それで?」

「だから君の願いを一つだけ叶えてあげようとしてるのさ!」

その人。いやその人では無いであろう誰かは大きく手を広げて高らかにそう言って見せた。

きっと嘘では無いのだろうが一応確認をしておく。

「なん、でも?」

「そう、なんでも。例えば生き返ることもできるし誰かを殺すことも出来る。まさしくなんでもさ。」

そうそいつは答えた。

「だったら私は…」

そうしてその言葉を紡ぐ。誰しもが一度は考えたことのあるであろう子供じみた幻想を。

「この先私が願うことを100個叶えて欲しい。」

拝読ありがとうございます。

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