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異世界転生録  作者: きょうちゃん
7/12

7話

「周辺のエリアはほとんど調べつくしちゃったな」

「そうだね、どこいちゃったんだろう」

 今回、モンスターの討伐ではなく、迷子のペット探しの依頼を緊急で引き受けた。

 探すのは羽の生えた猫だ。

 なんと見つけると9万ゼニフらしい。

 他のパーティも参加している依頼で、早い者勝ちだ。

「見つけたらお金、何に使う?」

「装備を買おうと思ってるよ」

 9万ゼニフもあったらなんだって買えるだろう。

「可愛いのがいいな、私たちで猫ちゃん見つけようね」

 それから、1時間探し回ったがいっこうにみつからない。

「ムー出ておいでーエサだぞ」

「どこにいるのムー」

 街は広い、隅々まで探したはずだが、どこか見落としているところがあるんだろうな。

「なんか見つけるいい方法ないかな」

「探索系の魔法あるから使ってみようか」

「そういうのもあるんだ、頼んだ」

 優奈は一指し指を上に向けて集中する。

「風の精霊よ、探し出す力を、サーチ」

 すると、優奈の周りが渦を巻くように緑色に光だし、心地よいそよ風が吹き始めた。

 それは幻想的で、この世のものとは思えないものだった。

 優奈の容姿が現実離れした美しさだというのもあるが、とても綺麗だ。

 髪が風になびく。

「この魔法は探し物に向かって風が流れるの、だいたいの場所しかわからないけど、ついてきて」

 風の流れる方向に歩みを進めて行くと、僕と優奈は入り組んだ路地にたどり着く。

「ここ、探してない。いるかもしれないな」

「先が続いてるよ、奥に行ってみよ」

 先は袋小路になっていて、他の冒険者が数人集まっていた。

 なにやら動物を抱きかかえている。

「写真のムーだ・・・」

 どうやら先を越されてしまったらしい。

 他の冒険者は、唖然としている僕らに喋りかけてきた。

「君たちも迷子の猫探しかい?悪いね先に見つけちゃった」

「9万ゼニフいただき!」

 冒険者達は袋小路を出て行った。

「もっと早くたどり着いていれば・・・」

「お金は残念だけど、猫ちゃん見つかってよかったね」

「まあ、そうだな。これで一件落着」

 装備はまた今度だな。

 僕は地道に討伐依頼をやろうと心に決めた。

「可愛い装備欲しかったなー」

 優奈は自分の服装を見ながらつぶやく。

 ポケットに手を突っ込んだ僕は、こっちに来た時ペンダントを交換で貰ったことを思い出す。

「装備はまた今度になちゃったけど、これあげるよ。特級になったお祝い」

 優奈はびっくりした顔でペンダントをじっくり見つめる。

「ありがとう、大切にするね」

 こうして今日も一日終えるのだった。


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