7話
「周辺のエリアはほとんど調べつくしちゃったな」
「そうだね、どこいちゃったんだろう」
今回、モンスターの討伐ではなく、迷子のペット探しの依頼を緊急で引き受けた。
探すのは羽の生えた猫だ。
なんと見つけると9万ゼニフらしい。
他のパーティも参加している依頼で、早い者勝ちだ。
「見つけたらお金、何に使う?」
「装備を買おうと思ってるよ」
9万ゼニフもあったらなんだって買えるだろう。
「可愛いのがいいな、私たちで猫ちゃん見つけようね」
それから、1時間探し回ったがいっこうにみつからない。
「ムー出ておいでーエサだぞ」
「どこにいるのムー」
街は広い、隅々まで探したはずだが、どこか見落としているところがあるんだろうな。
「なんか見つけるいい方法ないかな」
「探索系の魔法あるから使ってみようか」
「そういうのもあるんだ、頼んだ」
優奈は一指し指を上に向けて集中する。
「風の精霊よ、探し出す力を、サーチ」
すると、優奈の周りが渦を巻くように緑色に光だし、心地よいそよ風が吹き始めた。
それは幻想的で、この世のものとは思えないものだった。
優奈の容姿が現実離れした美しさだというのもあるが、とても綺麗だ。
髪が風になびく。
「この魔法は探し物に向かって風が流れるの、だいたいの場所しかわからないけど、ついてきて」
風の流れる方向に歩みを進めて行くと、僕と優奈は入り組んだ路地にたどり着く。
「ここ、探してない。いるかもしれないな」
「先が続いてるよ、奥に行ってみよ」
先は袋小路になっていて、他の冒険者が数人集まっていた。
なにやら動物を抱きかかえている。
「写真のムーだ・・・」
どうやら先を越されてしまったらしい。
他の冒険者は、唖然としている僕らに喋りかけてきた。
「君たちも迷子の猫探しかい?悪いね先に見つけちゃった」
「9万ゼニフいただき!」
冒険者達は袋小路を出て行った。
「もっと早くたどり着いていれば・・・」
「お金は残念だけど、猫ちゃん見つかってよかったね」
「まあ、そうだな。これで一件落着」
装備はまた今度だな。
僕は地道に討伐依頼をやろうと心に決めた。
「可愛い装備欲しかったなー」
優奈は自分の服装を見ながらつぶやく。
ポケットに手を突っ込んだ僕は、こっちに来た時ペンダントを交換で貰ったことを思い出す。
「装備はまた今度になちゃったけど、これあげるよ。特級になったお祝い」
優奈はびっくりした顔でペンダントをじっくり見つめる。
「ありがとう、大切にするね」
こうして今日も一日終えるのだった。




