6話
討伐依頼の報告を終えた僕たち二人は冒険者の資格会場に来ていた。
遺跡の一部を部屋にしたような、そんな場所だ。
部屋は融合した自然がしっかりと癖付してあり、いい雰囲気だ。
「次の方どうぞ、そちらの椅子に腰かけて下さい」
長い行列の順番がようやく回ってきた。
冒険役職の審査は、血液採取によってわかるのだという。
審査は才能による大きな分岐になるので、冒険者の人生はここで大半がきまるのだそうだ。
みんな手に汗を握る。
マンガやゲームの主人公は、こういった時に周りの中で秀でた才能を発見されるものだ。
僕もそうであるはず。
いや、そうであるに違いない。
「きっと凄い役職につけるさ。大船に乗ったつもりで待っていてくれ」
優奈にそう宣言すると僕の審査は始まるのだった。
―30分後―
「ねぇねぇ夏雄聞いて、私適正がなんと特級魔法使いだったの」
「さすが優奈、凄いよ、よかった頼もしい」
役職の階級は、初級、上級、特級とあり、初級は誰でもなることのできる階級。
上級はそんなにいないレアな階級で、そこらのモンスター討伐は簡単。
特級は数える数しかいない階級だ。
勇者様のパーティ構成は特級で構成されていたらしい。
係の人も驚いていたが特級は国宝ものだ。
周りの冒険者の中でちょっとした騒ぎになっていた。
引き抜きに声を掛けてきた冒険者までいたぐらいだ。
僕はというと。
「夏雄はどうだったの?期待していたものだった?」
「見てこれ、初級格闘家だって・・・」
まだ上級だったら見せる顔はあるのだが、初級ってなに?
しかも格闘家って、武器は?魔法は?
これじゃあ日本にいた時とそんなに変わらないんですけど。
夏雄は武器を買うお金が浮いた。
「か、格闘家ならレベルを上げれば、ど派手な技だって使えるようになるよ」
落ち込んでいる僕に優奈はフォローを入れてくれた。
なぜだかその気遣いがささる。
優奈はじっくりと夏雄の通知カードを見てなにやら見つけた。
「夏雄のカード少し変わってるね、その他の欄がある」
「これだろ、リープする者」
係の人に聞いてみると人によっては、その人にしかない個性的な能力がつくことがあるのだという。
大抵おまけのようなものらしい。
結果はどうであれ、無事役職につくことができたのだから、戦闘は前よりスムーズになるだろう。
不安はあるが前向きに行きたいと思う。




