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異世界転生録  作者: きょうちゃん
5/12

5話

「僕が抑えてるうちに早くとどめを刺してくれ!」

 僕らはじめじめとした草が生い茂る、小さい草薮に来ている。

 2人ということもあり、今日の依頼は少し高めのものをチョイスした。

「絶対に無理、これだけは譲れないの」

 巨大ゴキブリン一体の討伐である。

 人半分くらいの大きさで、素早い上にかさかさとすごい腕力だ。

 このモンスター普段は群れで行動するらしく、一匹見つけると百匹はいると言われているのだが、まれに単体で街付近の草薮に迷い込むのだという。

 足は六本あり、一番下の足だけ人の足とよく似ていて、興奮すると二足歩行で動き回る。

 見た目はゲテモノだが攻撃手段はないらしい。

 冒険者の中ではあまり人気のない依頼だ。

 一人だと討伐するのに大変困難するらしく、協力して倒すつもりだったのだが・・・。

「特性殺虫剤をかけるだけなんだ、早くしてくれー!」

「殺しは、生涯に決めた人一人だけって決めてるの」

「なんだって?聞こえない!」

 なにやら言っているが、状況がそれどころじゃない。

 本当に駆け出し用の依頼なのかってくらいに手ごわいのだ。

「殺虫剤を投げてくれ!」

「わかった、仕方ないけどそれくらいなら助力するわ」

 今にも襲われそうになったすんでのところで、僕は殺虫剤を見事にキャッチし、かけることに成功する。

「キィィィィィ」

 やっとのことで、ゴキブリン一体を討伐した。

 危ないところだった。

 パーティが増えたから少し依頼の難易度を上げてみたのだが・・・。

 これでは一人の時となんら変わらないじゃないか、さてどうしよう。

「優奈、モンスターの討伐は無理だとして、いったい何ができるんだ?」

「サポートだったらできるよ、これをみて」

 優奈は一枚の紙を取り出した。

「街に冒険役職の資格を取るところがあるみたい。それを取れば役にたてるはず」

「先に言えばよかったのに」

「お金が足りなかったのよ」

「そうか・・・・」

 そう、僕らはお金がない。

 だが、ついに来た。

 異世界の特殊能力。

 自分にどんな力が秘められているのか、もしかしたら、勇者のような凄い力があったりして。

 僕は期待で胸が高鳴る。

「依頼はもう片付いたんだし、すぐ取りに行こう!」

「そうだね、報告したら行きましょう」

 場所はギルドの近くにあるらしく、資格の取得は簡単な検査だけで済むのだという。

「剣とか魔法とか、そういうファンタジーな役職とかあるよね?」

「あると思うよ。そういう身なりの人多いもん」

「ズバーってかっこいい技とか使えるようになるのかな」

「どうかな、まだそういうの見たことないからわからないけど」

 あるといいな。

 それにしても、僕らはこっちの世界に転生してから身なりが日本の服のままだ。

 役職につくのならそれ相応の装備にかえたほうがいいだろう。

 ゴキブリン一体5万ゼニフだから、資格のお金こみでも、初期装備くらいは買えるだろう。

 これを機に買ってしまおうと思う。

「ここを見て、役職には適正によって向き不向きがあるらしいよ」

「ほんとだ書いてある。きっと向いてるはず、憧れの剣と魔法の役職に」

「なれるといいね、なりたいものに。私はサポートの充実した魔法使いねらい」

 僕らは少し急ぎ足で、ギルドに向かうのだった。


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