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魔法戦士の司令官  作者: 池尾次郎
3/5

1−3 依代

今、僕はこの生き物と入れ替わって...いや、取り込まれたかのようになっていた。

体の自由も効かず、ただ五感だけが伝わってくる。

何がどうなってるんだ...?


「ん?ああ、これは僕の魂を君の体の中に割り込ませてそこから魂を転写して、その魂に合う形に体を作り直したのさ。肉体は魂のデータに保存され続けているからね。この方法は僕の魔力が君の魂に少し取り込まれてしまうけど、まあ誤差の範囲さ....難しかったかな?」


何を言ってるかさっぱり....それにしても思考が読み取られるのか。


「流石に強い思考までしかわからないけれどね。えっちな妄想とかしてもボキには伝わらないから安心してくれ。」


….しませんけど?...しないけどとりあえず言っておく。ありがとう。


「因みに、逆もまた然りだ。ただ、チミの五感は伝えようと意識しない限りはわからないけどね。元の体にも戻れるよ。」

原理はわからないが、さすが妖精と名乗るだけのことはあるな...


「それじゃあ、ここに居続けるのもあれだし、案内するよ。」

…どこに?


「我らが拠点...『ホーム』だよ。それっ!」


そう言うが早いか、こいつは小さな狸の顔のようなものを取り出して見せた。

なんだこれは。だんだんこんなのに慣れている自分がいる。


「ボキ専用のアシストユニット、『ミニタヌ』。ちょっと待ってて...」

…何をするのだろうか。...これに乗って飛ぶ?いや、それはないか...


「ミニタヌ、『(ゲート)』展開開始。目的地はホーム。」


『了解...展開完了シマシタ。』


合成音声が流れると見る見るうちにミニタヌの口が広がり、人一人が通れるくらいに伸びた。その奥にはやけにSFチックな空間が広がっている。これはつまり...


「だいたい君の考えてる通りのものだよ。さて、それじゃ帰還しよう。」

そういうと、こいつはゲートを潜り、辺りをキョロキョロと見回し始めた。


「もう戻ってるはずなんだけどなぁ...と、いたいた。おーい、イチゴー。」

カツカツという音と共に遠くに見えていた少女が駆け寄ってくる。


「なんだ、マミか。我を呼びつけるとは何事だ?」

こいつの名前はマミか。お互い名乗っていなかった事実に今更気づく。

というか...我?


「今回、新しい人材を迎え入れることにしてね。と言っても魔法戦士じゃないんだが...」

何を間違ったら僕の扱いが人材になるんだろうか。一度問いただした方がいいのか?


「ほう、それでその人材はどこに?」

ここですが。


「ああ。紹介するよ。...ええと、名前なんだっけ...?」

「?誰に話しかけている?」

あ、僕の名前か。雪落幸翔(ゆきおちこうか)だ。改めてよろしく。


「これからボキ達の仲間...もとい、ボキの入れ物になってくれる、雪落幸翔くんだ。」

言い方が...とか思ってるうちに体の感覚が元に戻っていくのを感じる。

視界が塞がれたような感覚を味わい、目を開けると体ももとに戻っていた。


「マミが別の男になったぁ?!何が?!」

うん、何があったか知りたいのは僕もなんです。はい。


「あっ...えっとその...よろしく?」

「お、おう...」


何この会話。


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