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宮崎にて

 3月も後半、ヤマトは終業式を迎えた。結局、テストでは学年1位のキープを続け、1年の学校生活を終えようとしている。


「…………ではみなさん、春休みは以上お伝えしたことを心に刻み、また来年お会いしましょう」


 全校集会での演説は慣れたものである。学校は終わる……しかし、この春休みにはやることが多い。まず、本日の夕方、相川さんに会いに宮崎に行く。オーラスーツのセキュリティ構築もスタートさせている。伊集院さんのお宝アルバム制作にも絡まないとならない。あと……今夜あたりジョージから連絡が来そうな気もする……。


 様々な事を考えながらプリンセスホールから教室へと戻った。


「ヤマト、宮崎旅行は、楽しみだな!」


「ヒロシくん、これは旅行ではないからね! 履き違えないように」


「私も楽しみで……眠れなかった!」


「ニカまで…………」


 伊集院さん探索メンバー全員に宮崎行きを打診してみた。ミライと業務提携をしたので危険はない、それに行ったところで相川さんに会えるかどうかも微妙、ヤマト自身も半分くらいは旅行気分である。残念なことにあおいと静は行けない。結局、ヒロシとニカと3人で行くことになった。


「ヤマト。楽しんでもいいよな(笑) オレ、色々調べてきたから観光しよう!」


「任せるよ。現地ではミライの社員さんが期間中付き添ってくれる……タクシー代わりにしていいらしい」


 ミライから打診された。現地の案内と監視の目的もあるのだろう。どこに行くかなど、別に隠すこともない〜なので申し出を受け入れた。



△△△△△△△△△△△△△△△



「着いたね! 宮崎!」


「寒いけど……南国みたいだね!」


 宮崎空港に到着した。ヤマトは飛行機の中でずっと作業をしていた。ヒロシは爆睡、ニカは音楽を聴きながらのフライトだった。


「ヤマト、とりあえず現地のもの買いたい!」


「そう焦るなって……時間はあるからさ。まずミライの人探さないと……」


 待ち合わせの場所に車が停まっている……まさか、ドイツの高級車、カブリオレで色は、赤い。まだ3月末なのでオープンカーにはなっていない。


「あら、ヤマトくん? 伊地知いじちです。よろしく」


 現れたのは……スラッとした女性、伊地知さんと名乗った。長い黒髪にメガネをかけている。見た目も高級そうなので……ドイツ車にはピッタリの容姿である。


「はじめまして、桜井ヤマトです。こちらは友人のヒロシとニカです。あ、でも名字は明かせません(笑)、私を含めて名前で呼んでください!」


「分かったわ、ヤマトにヒロシにニカね! よろ〜」


 伊地知さんは笑いながらヤマトの話を受け入れてくれた。こうして4人はドイツの高級車に乗り込んだ。




 今回の滞在場所は宮崎市内の旧リゾート施設、全てミライが買い取り、大きなホテルは社員の福利厚生施設になっている。もちろん一般にも開放されていて、そこのVIPルームを予約してある。VIPルームには鍵付きの部屋が何箇所かあるので男女で同じルーム内に泊まれる。


「ヤマトくん、ホテルにチェックインする前にお食事でもしましょう。ここは奢るね、ウエルカムディナーってことで!」


「伊地知さんありがとうございます」


「あのさ、私のこともエリさんって呼んでね(笑) みんなお若いから……チキンのコクラにしましょうか! 一応名物だからね」


 宮崎名物のチキンステーキを考案したコクラ、ヤマトはもちろん知っている。少しレトロな雰囲気の洋食レストランであったが、最近リニューアルしたみたいで、立派なビルになっている。


「あの、エリさん……ご結婚とかされてるんですか?」


「ヒロシ、何聞いてんのっ!」


 若い男子なら聞きたくなることだろう。所謂上玉な女性である、それもワイルドで危険な香りがする。コートを脱ぐと、爆乳が…………確認されている。


「ニカちゃん、いいわよ。仲良くいきましょ(笑) もちろん独身よ! でもそうね、私のタイプは……ヒロシくんよりニカちゃんかな……あら、赤くなってるわ、可愛いっ(笑)」


 ヤマトはエリさんの言動を観察している。タロニアで遭遇した女暗殺者と同じような言動だが……見たところ危険はなさそうである。


「エリさんならいいかも……とか思っちゃいます。素敵ですから(笑)」


「私の見たところ、ニカちゃんはヒロシくんとお似合いね……あら? また赤くなってるぞ! (笑)」


 エリという女性はこちらの懐に入ろうとしている。今回は危険もなさそうなので、詮索するのをやめにした。



 食事を後はホテルに直行。さすが、スイートルーム。デカい、ベッドルームは3つあるし、3人で宿泊できる。3泊確保しているが、行方不明になった相川さんと会える可能性はかなり低い。それでも行動あるのみ……。


「ヤマト、こんなに凄い部屋、いいのか?」


「問題ないよ。ここならニカも同じルーム内で眠れるだろ。もし、相川さんに会えたらここに呼ぶこともできるし」


 ヒロシは部屋に来てからずっと畏まっている。


「ヤマト、ヒロシ、お待たせ! このマジ凄い。シャワーとバスタブも2つあるんだね」


「男女5人くらいで宿泊できる所にしたからね、ちょっと寂しい人数だな(笑)」


「ねね、ところで、明日はどんな予定? 敷地内にある研究施設行ってみるの?」


「あぁ、エリさんの話によると、今現在も相川さんは行方不明みたいだけど……そろそろ帰ってきそうって話てたからね」


 明日から研究施設巡りである。変な事件は……起きない事を祈りたい。

みなさんいつもありがとう


 もうちょいて第一部完結。第二部はまだ10話程度なので第一部終わると少し感覚が空くかもしれません。

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