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オーラスーツ

 卒業式が終わりどこか寂しい。しかし、生徒会室は賑わっている。今日はホワイトデー、ヤマトは渾身のお返しを用意した。


「はい、みなさん。ではホワイトデーのお返しです。リーナ、ニーナ、これはあおい、みのりさんはこれ、ニカとしおりはこれかな(笑)」


 全員小さな包みである。もちろん食べられるものではない。


「ヤマト様、開けてみていいですか?」


「どうぞ!」


 ホワイトデーのお返しをするのに該当者全員を生徒会室に集めた。理由がある、他の人には知られたくないのだ。


「なにこれ?」


「えーと、リーナは料理好きだから、計量スプーン。ニーナはお花好きだからカトレアのペンダントヘッド。みのりさんはメガネケース、ニカとしおりは本が好きだから栞セット、あおいのは……大願成就の御札ね!」


 それぞれが首を傾げるかしげている……あまり喜んでいない……


「これ、もしかしたら手作り?」


「もちろん! 全部手作りだよ(笑) 重さはほぼ変わりません」


「もしかして……これ、金?」


「正解! 全て純金てす。なので観賞用かな(笑)」


「手作りって……どうやったの?」


「いや、簡単だよ。所謂、金を鋳造してみたんだ。型の制作がしんどかったけど、出来てみたら良きモノになったよ」


 合衆国大統領、サラからの報酬である金のインゴットをそれぞれが好きなものに鋳造してみた。純金なんてただの金属、科学の力で鋳造など容易い。


「ヤマト、これいくらかかってるの……」


「実はね、皆さんもお分かりの通り、金のインゴットをとある方から頂いたんだ。なので型の制作と電気炉、バーナーくらいなので大した金額はかかってません。ご安心ください!」


 純金の鋳造は科学の実験のようで楽しかった。もっとフザけたモノを作る予定だったが控えた。しかし、鋳造出来る設備と純金がある、暇な時にまた何かを作ろうと思った。



△△△△△△△△△△△△△△△



 澤口さんから連絡があったのはホワイトデーの次の日、困った事態なったらしい。週末にミライの本社に行くことになった。



「桜井くん、お呼び立てして申し訳ない。不測の事態が起きてしまって……」


「いえ、まずはお話を聞きましょう」


「相川華さんの事なのだが、行方不明になってしまったんだよ。社用の携帯を置いて、どこかに……多分姫と会ってるとかそんな事だとは思うが……」


 ミライは伊集院さんの所在を本当に知らないようだ。そして相川さんは知っている。


「話になりませんね……とりあえず相川さんの潜伏先は教えてください…。外出ってことてすよね?」


 所在が分からなくなるのは、相川さんが伊集院さんと会うときの行動パターンだそうだ。ヤマトは思う……そんな事で呼び出した筈ではないはず……。


「澤口さん、もういいですから、本題に入りましょう。そんな事を伝えるために時間取った訳ではないでしょ?」


「さすがだね、桜井くんは……。では本題なんだけど」


 澤口さんはロッカーから何かを取り出した。ハンガーに掛かっているが、ロングコートのような、羽織るもの、である。


「これは?」


「我社の新製品。オーラスーツというものなんだけど……まだ日本政府にもこの存在は知られてない、トップシークレットかな(笑)」


「どう言うものなのですか?」


「桜井くんはミサイル防衛システムを知ってるかな? 今、日本の領空領海には強力なバリアのようなシステムが張り巡らされている、まあ、桜井くんならご存知かな」


「まあ、原理は分かります。判別ミスが起こらない限りどんなミサイルでも防げるでしょうね」


「そうだね。そして、このオーラスーツはそのバリアを個人に廻らせる事が出来る商品なんだ」


 とんでもない発明である。狙撃やナイフによる襲撃は無効になる。


「ってことは……要人へのテロにおいて最強のボディガードになりますね、で、私は何をすれば?」


「桜井くんはコードゼロ、だったよね? あらゆるネット上のセキュリティをハッキングできる、そして、誰にも破れないセキュリティを構築できる……」


「で、その私に……そのオーラスーツのオンオフのセキュリティ構築をやれってことですか? それで、こちらのメリットは?」


「桜井くん専用のオーラスーツを用意しよう。このオーラスーツは……ある意味不死身になるスーツだ。テロリストに渡るとマズい、だから解除するセキュリティ構築をしないとならない、何せ、ミサイル攻撃や航空機墜落でも生存してしまうんだからね」


「分かりました。では春休み中にセキュリティのシステム構築をしましょう。あと、これ、軽量化して下着くらいにならないのかな? コートタイプだと夏や温暖な地域では使えないから……」


「それは今開発中なんだ。とりあえずこのオーラスーツは桜井くんに進呈しよう。あと一つ、このスーツの存在は合衆国には内密にしてほしい。まだ日本政府にも伝えてない事だから……」


「了解しました……モノづくりかぁ。御社は実に面白い開発ばかりしてますね! 私もいずれは凄い、何か、を作りたい……」


 ヤマトは澤口さんと組むことにした。

みなさんいつもありがとう


 要人警護の為のオーラスーツ、別に時世を考慮して作った話ではありません。もう数ヶ月前に執筆したのですから。現実も小説以上のことが起きます……。

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