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ネオユニシスとの会合

 合唱コンクール、下手くそで恥ずかしい限りであった。学校行事としては、あと卒業関連のイベントしかない。三送会と卒業式、終業式が終わって春休みには相川さんと会える。ミライの澤口さんとはあと数回ミーティングしていかないと味方には引き入れられない。


「では団長、よろしくお願いします」


「え、今回は団長って呼ばれるの(笑)」


 ジャックはいつもヤマトを呼び方でからかう。夏はボスって呼ばれていたが……。確かに団長、間違いはない。


「そうです。しかし、日本語って多種多様で面白いよね(笑)」


 あまり気にしないようにしよう、そして、今回は三姉妹とも同行している。シャロンは背後、リーナとニーナはヤマトとジャックを横にいて、囲むような形になっている。ヤマトの右隣にはリーナがいる。


「リーナ、そこまで警戒することはないよ。一応テロリストではないからね」


「しかし……」


「この陣営でやられたら諦めもつくよ(笑)。先方は3人、ここは合衆国の息がかかるホテル、合衆国が裏切らない限り安全だよ」


 ジャックの方をちらっとみる。聞いていたのか、親指を突きだす。ここは合衆国系ホテル、ジャックもシャロンも武装している。双子も武器を所持している。当然ネオユニシスの代表団は武装解除されている。危険は少ない。


「どうぞこちらへ」


 ヤマト達はホテルの一室に通された。大きなソファがある。ヤマトはジャックと共にソファに腰掛ける。三姉妹は取り囲むようにして立っている。


 ネオユニシスの代表団が現れた。目の覚めるような金髪の女性、そして屈強なオトコ2人。絵に書いたように……怪しい。



 会見は英語で行われる予定。


「こんにちは、合衆国の代表団の皆様。私はネオユニシスの総代を努めております、マリアと申します」


 びっくりした。日本語て話しかけてきた。


「こんにちは、私が合衆国の団長の桜井です。どうぞおかけください。しかし、日本語、お上手ですね……」


「私もスパイ上がりで……4ヶ国語はいけますの。でもスパイは16年前に引退しまして……」


 情報収集を任務としているスパイのようだ。シャロンのような鋭さはない。


「では早速ですが、今回の暗殺未遂事件について、マリアから話しておくことはありますか?」


「今回の事件、上層部からの指示ではありませんでした。一部、ロア大統領に恨みを持ったメンバーで事件を起こしてしまって……」


「それなら謝罪など必要ありません、内部統制の取れない組織からの謝罪は無意味、合衆国としては謝罪は受け入れず、あなた達全員を抹殺することにします」


「ち、ちょっと待ってください……。どうか、お話だけでも……」


「あなた、私を見て侮りましたね。個人のミスはトップのミスも同然、弁明の余地はないし、あなたの命を持ってしても謝罪にはなりません」


「では……どうすれば……」


「構成メンバー全員の命、と言いたいところだが、それも非効率的だな。まず解散、それが第一条件」


「はい……そのつもりです」


「第ニ条件として、全員が合衆国の支配下に入ってもらう。私は細かなことは分からないから、ここにいるジャックと最終的にどうメンバーを振り分けるかを決めてくれ。それ以外にあなた達を許す手段はない」


 左にいた屈強なオトコが動いた……だがすぐにシャロンが制圧する。我慢がならなかったのだろう、想定範囲内の行動である。


「マリア、メンバー教育があまり出来ていないようだな、シャロン、やれ」


「待ってください…………代わりに…………私が…………」


 マリアは涙ながらに訴えてきた。しかし、ヤマトは許す気持ちがない……


「いいからやれ、シャロン…………」


 シャロンは額に金属の筒を突きつけた……そして…………屈強なオトコの角張った髪の毛をザクザク切り始めた……バリカンで。


「マリア、このオトコの代わりに本当に罰を受けるか(笑)」


「それは…………」


「このオトコのしたことは、校則違反くらいの罪だからな、バリカンの刑にしたまで。私に危害を加えたら死刑だったけどな……」


 マリアはうなだれて放心状態、この手の交渉はヤマトは得意である、犯人探しをして恨みを買うよりも……仲間に引き入れた方が得策、建設的だから。そして、ネオユニシスのメンバーは合衆国にもヤマトにも思うところはないはず、あくまでロア大統領への恨みが今回の事件の発端、それに……ヤマトも危うくロア大統領を殺しかけた。


「では、マリア。ネオユニシスの解散、並びにメンバーの合衆国特殊部隊編入の件は受け入れる方向でいいな。もし、合衆国の特殊部隊に入ったら、いつかロア大統領を暗殺できる機会もあるかもしれん。どうかな?」


「分かりました。そのように対処します。約束を違えぬよう、私の身内を人質として合衆国に献上致します」


「いいだろう。ではこれを持って解決したことにしよう。依存ないな」



 ホットラインでの依頼としては比較的楽な仕事であった。それに、報酬もいい。これでジョージも満足するだろう。

みなさんいつもありがとう


 これでロア大統領の事件は終結しました。学校行事もあとわずか、第一章も残り少なくなってきました。


 今週末から完結した前作に新規のストーリーを追加します。今作でも出てくる「幻のアルバム」にまつわる物語です。この作品に繋がる内容になってます。

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