3学期スタート
3学期がスタートした。澤口さんと約束した相川さんとの面会は3月25日過ぎ、春休み中に調整をすることにした。そして、新学期は恒例の全校生徒のお出迎えから始まる。
「みのりさん……さすがに寒いですね。これ、どうにかならないんですか?」
「ダメね。ってかヤマトはナメてるわね……女子の格好を見なさい! 美優と桐乃を見習いなさい!」
確かに……みのりさんも含めて短いスカート。対してヤマトはスボンの下にインナー重ね着していて……女子の皆さんに申し訳なく感じる。だが、宏太先輩と静は来ていない、寒いのでサボりである。
「確かに……では皆さんを週末あたり、どこか暖かいところにご招待したいのですが……」
「いいわね、温泉でも行きましょう! 生徒会の経費で(笑) 今年はカレコンで大儲けしたし。どうしますか? カ イ チ ョ ウ!」
「是非もなし!」
生徒会のお疲れ様旅行が計画された……メンバーは6名、何かが起こるようなメンバーではない。ここはゆっくり出来そうである。
教室に戻ると早速ヒロシが話しかけてくる。
「おはよう、ヤマト。一昨日の正月特番凄かったな。全国放送されたろ、カトレア祭からロア大統領の訪問までのドキュメント」
「あー、さっき生徒会室でも同じような話してたな。別にどうってことないだろ」
「いや、オレが言いたいのはそこではない……画面にヤマトが一切出てこない点だよ。生徒会なのに避けているようで……」
「ヒロシくん、よく観てるね(笑) それはタロニア政府にお願いして削除してもらったんだよ。詮索すると早死にするぞ(笑)」
ちょうどミライとやり取りしていたタイミングで放映されていたとは……放映日の連絡も貰っていたが、うっかり見逃してしまった。ミライの情報収集に没頭していたので、ここ数日は学校関連の必要な情報か得られていない。
「それ、ヤマトが言うと迫力あるな……ところで、伊集院さんのことってどうなってるの? 尻切れトンボみたいになってて気持ち悪い感じしない?」
「その事だが、今夜あたりミーティングしたいんだけど、招集かけてくれるかな……」
今夜ならあおいが空いている。そして、安全保障上学校で話をすることは出来ない。ここは品川で話をすることにした。
「何時にどこ? 指定してもらえないと……」
「ではなるべく早い時間……18時くらいでいいかな? 場所は品川駅港南口ね」
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ヤマトから連絡があった。今日の夕方、品川のヤマト本宅でヒメリンの事について会議をするようだ。2人の秘密が一つだけなくなることに……あおいはちょいと寂しさを感じる。
「ヤマト……ヒメリンの衣装とか、品川にあるんじゃない? 2人の秘密が無くなるね……」
「じゃあ、新しい秘密を2人で作ろう! それでいい?」
「なんか、イヤらしい表現ね(笑)、いいわ、それで手を打つかな」
年末年始は初詣に行ったのみ、あおいの仕事がたくさんあり全くヤマトと会えていない。出来れば2人きりで会いたい……身を任せてもいいと思っている。
「あおいには話しておかないとならないこともあるし、でも、お泊りって訳にもいかないしなぁ、考えとく」
あおいの鼓動は止まらなかった……。
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「みなさん、お集まりかな? ではこれから私の隠れ家に行きます、驚かず付いてきてください」
港南口からは歩いて程ない。タワマンの前に行くと……さすがにヒロシが騒ぎ出した。
「やべーよ、何だよここ……隠れ家なのか?」
「厳密には、オレんち、だけど(笑)」
今回呼んだのは同級生5人、女性3人は驚きはしてたが知っていた感もある、恐らくあおいが話したのだろう。
「まあついてきて」
最上階に上がり部屋に入った。まずはカーテンがフルオープンし、夜景の登場……。
「おー!」
次に大きなモニターが付いたミーティングルームに向かう。
「おー!」
同じ反応……結構慣れてきたのだろう。
「ではここでミーティングをしましょう。夕食は適当にデリバリーを頼んでおいたから」
「で、デリバリーってここまで持ってくるの?」
「いや、このマンションにはコンシェルジュがいるから、その人が持ってくる。まだ来ないと思うけど」
「まあ、その程度のことは慣れてきたかも(笑)」
「さっきからヒロシが一番驚いてるよ、早く慣れろよ。では、前のスクリーンにご注目……」
スクリーンに詳細資料を写し出す。そこにはミライの内部文書から要約した文書が掲出されている。
「結論から話します! 伊集院姫さんは生存しています! それは確実です!」
力強い言葉……あおいが顔を押さえる……。
「飛行機事故自体を伊集院さんの所属しているミライという企業が自作自演したってこと。これがその証拠となる内部文書です」
「ミライという会社はワールドホースというミサイル開発をしている軍事産業とかなり揉めていたそうです。この文書によると、ワールドホースという軍需産業が和解案として提案したのが、伊集院姫さんの抹殺でした。そして偽装をした」
「なんでヒメリンなんですか?」
「簡単なことだよ。彼女は日本で絶大な知名度がある。その知名度を利用して、新しい防衛関連機器を広める企画をしていた。ワールドホースはそれを阻止したかった。広告塔としての彼女を恐れたみたいだね」
「で、ミライは何を得られたのですか?」
「未来永劫、の安全保障だよ。ワールドホースからの保障だけだが、それでも大手軍需産業だからね、ミライの最大の敵が仲間になるみたいなことだよ」
「ではミライはもう無敵で安全ってこと?」
「いや、ミライを潰したいのは軍需産業だけじゃない、テロリストや国家、たくさんある」
ここからは質問タイムが始まった。質疑応答をしている途中でコンシェルジュから連絡が……食事の時間になった。
みなさんいつもありがとう
昨日は他の方から少しだけ宣伝してもらったので一瞬だけPVが上がりましたね(笑)。




