世界最強の軍需産業
ミクは4日から仕事、あおいも地方のイベントに参加していていない。三姉妹はジャックと温泉に行ってるらしい。伊集院さんのアニメも飽きたのでいよいよ本丸に突入することにした。
「ハッピーニューイヤー! ジョージ」
「ハッピーニューイヤー! ヤマト。なんだい? こんな時間に……」
「ジョージごめん、安全保障のバッジを使おうと思ってね、一応許可というか、報告というか……」
歩く安全保障の異名を持つヤマトは安全保障に携わる合衆国からの特務バッジを持っている。軍需に関わる全企業、軍隊の閣僚等への強制査察が出来る凄い権限があるバッジである。
「珍しいな。タロニア関連で何か調べるの?」
「いや、ごく個人的なことだよ、例の…………」
「飛行機事故のやつね、防衛産業のミライの飛行機だったな、それに……搭乗してたのはキミが通ってる高校の先輩なんだろ」
「まったく……シャロンあたりか……(笑)」
「使ってもらって構わない、というか、その権限はキミの持ってるモノだから、存分に乱用したまえ」
「ジョージ、乱用はいかんだろ……」
㈱ミライ。東京の市ヶ谷に本社を構える防衛産業。15年ほど前に核兵器に対するバリアシステムや核のゴミを無毒化する触媒等を開発し、世界に変化をもたらしたスーパーカンパニーである。その為、容易にアポなどは取れない。いつかバッジの力で突入してやろうと画策していた。
問題は……バッジの存在を知ってる人がいるかどうか、である。市ヶ谷の本社裏にある通用門でそれらしいゴツい車を停めてアプローチするしかない。
本社裏に張り込んで、45分弱が経った。時刻はお昼前
くらい、ヤマトは車の前に立つ。すかさず運転手が降りてきた。
「何だね君、邪魔なんだが……警察呼ばれたくないならどいてくれ……」
「この車には偉い人乗ってるんだろ、ちょっとだけでいいから話がしたい」
「何いってんだガキが!」
なんと! ヤマトは襲われてしまった。もちろん想定していたので軽く受け流して顎に一発……伸してしまったが車から2人ボディガードが出てくる。
「貴様……」
襲いかかられるが……コイツら弱い……1人はやはり顎に一撃を食らわせた。もう1人は羽交い締めにして、腕の関節を外す。中からスーツ姿の男が出てきた。
「ちょっとあんたのボディガードおかしいんじゃない? いきない襲いかかってきて 正当防衛だからな」
男は堂々と出てきた、隙がない……研ぎ澄まされた危険な感じがした。こちらに敵意がないことを悟ると…………
「申し訳ない……私はミライの代表の澤口だ。3人ともうちの社員だ、許してほしい」
出てきた男は澤口と名乗っている。制圧した3人よりもかなり出来る……とりあえずバッジを見せた。
「このバッジの意味はご存知ですか? ミスター澤口」
澤口さんは顔色が変わる……。
「大変失礼いたしました。安全保障会議のメンバーでいらっしゃますね。少しお待ち下さい……」
すぐに駆けつけてきた3人の男、1人の男が話しかけてくる。こいつは素人、でもその他の2人は……かなり強い。3対1ではさすがのヤマトも無傷では済まないだろう、ヤバい状態になった……
「先程は申し訳ありません。私は澤口の秘書の佐藤です。この度は確認もせずに防衛行為に及んだこと、私からもお詫び致します」
「いえ、本日の目的は達成しましたので」
「と、申しますと?」
「考えてみてください。御社の受付にバッジ見せて社長と会いたいなんて言ってもアポ取れますか? 別に査察に来た訳でもないので明後日、再度会談ということでどうでしょうか、秘書の佐藤さん」
この3人に襲いかかられたら勝てない、一回退散することを選択した。シャロンだけでも来てくれれば問題ないのだが……。
「社長、15時からの時間が空いてますので、会談を入れてもよろしいでしょうか?」
「わかった。そうしよう 今日は本当に申し訳ない」
明後日6日、15時にアポが取れた。丁度シャロンは旅行から戻ってきている、警護してもらうしかない。
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「澤口さん、どうされるのですか? 安全保障会議のメンバーってあんなに若いって……ニセモノでは?」
「ニセモノを送り込むなら、それなりの容姿の者を潜入させるだろ。それに……聞いたことがある、日本人の子供が安全保障の要になっていると……」
「でも……万が一身に危険があったら……」
「この3人が警護すれば問題はないだろう。それより、オーラスーツの件が漏れているかどうか、そこを確かめたい」
澤口はヤマトかなり興味をそそられている。もう一度会って話がしてみたい。安全保障上、どこの国に所属しているのか、確認したい。日本ではない……出来れば取り込みたい、と考えている。
「分かりました。では銃の所持をお許しください」
「いいだろう、タマはビックリ弾にしとけよ(笑)」
「分かりました」
みなさんいつもありがとう。
不人気の中、第一章を書き終えました。92話で終わります、我ながら耐えました! そして第二章の冒頭に取り掛かっています。そもそも完結してる前作よりもPV少ないって笑えます。




