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過ぎゆく年 新しい年

 あおいと初めてのキスから2日後、みのりさんともキスをしてしまった。みのりさんは……内緒にしておくから安心して……って笑っていた。


 遠い昔、恵比寿のあの場所で、由美子に告白して付き合うようになり、数年後プロポーズをした……そして、断られた……因縁の場所だった。由美子とはすれ違い、悲しい結末になった過去、あおいにはキチンと話をしよう……みのりさんのことも、由美子のことも……いつか。



 年末年始は親孝行しようと決めている。小学校に入学してから中学卒業まで9年間、ミクと一緒に過ごしたのは数回しかない。なので高校3年間は一緒にいると決めている。


「ミク、年末の買い出しはどうするの? オレ行ってこようか?」


「ヤマトと一緒に行きたい! 30分待ってて!」


 ミクは楽しそうに掃除をしている。息子と過ごすことが嬉しいことになってしまっていて……ミクには申し訳ないと思っている。


「待ってるからさ、ミク行くなら車出してね」


「喜んで!」


 毎年冬休みもジョージから何かしらお願いされていたが、今年のミションは終わらせてある。なのでミクを笑顔にするのが今回のミッションだ。



「ねえ、ヤマト。明日ね家にお友達呼んでもいいかしら? 後輩なんだけど」


「別にいいけど…………もしや年下の彼氏?」


「ざ〜んねん、女の子よ。会社の後輩なんだけど、ご両親が海外旅行行ってていないんだって」


「泊まるの?」


「うん、一緒に年越ししようかなって」


 断る道理はない。ミクが幸せであれば……両親と住んでるってことはミクと同じ独身女性、相応の年齢だろう。


「いいんじゃない ミクの職場の人って初めて会うかもね」


 車での買い出しを済ませた後、ミクは料理を作っている。ヤマトは自室でなくリビングで読書、大切な普通タイムがスタートした。


 今日は伊集院さんの日記を読んでいる。所々にマーカーが引かれていて、ココ重要、と書き込みがしてある。どうしてココとココが重要なのか……ロジックはどんなに考えても分からない。また1つ疑問が生まれた。


 ミクと2人で食事をして他愛もない会話をしている。タロニアのこと、大統領のこと、そして彼女のこと……ミクはどうしてもあおいと初詣に行きたいという……根負けして年明けにあおいと3人で初詣に行くことを約束した。




 次の日は大晦日。ヤマトは朝からあおいから借りた、ヒメリンのドキュメンタリー映像を観ていた。映像のヒメリンは可愛い……けど話し方、仕草、笑い方が、どこか豪快というか……乙女という印象は受けない。なるほど、女子に人気が出るのは理に適っている。


「ヤマト、そろそろ私の後輩来るからパンイチとかそういう格好やめてねー」


「わかったー 今履く!」




△△△△△△△△△△△△△△△



「こんにちは。お邪魔します」


「いらっしゃい、とうぞあがってー」


 ユキナはミクの後輩、厳密に言うと部下である。ミクは会社で要職に就いている訳ではなく、営業サポートチームのベテラン社員。最近は新人が入ると教育係になっている。


「ミクさん、素敵なご自宅ですね。私、生まれてからずっとマンション暮らしだったので、一軒家って憧れなんです」


「ユキナが一軒家買うには……今のところ旦那さんを見つけるのが一番早いわね(笑) 誰かいい人いないの?」


「私ずっと女子率多い学校に通っていたので……寄ってくる男性って下心あるとしか思えなくて。家族もパパ以外は女ばっかり(笑)」


 ユキナは中学から大学まで女子校、妹が1人いる。引っ込み思案な性格、しかしパソコンのスキルは相当なものである。


「じゃあ、先に紹介しておかないとね。ウチの息子」


「え? ミクさんってお子さん居たんですか?」


「知らなかったの? 会社の人、結構知ってるよ(笑)

ヤマトー、お友達きたから挨拶なさい」


 ヤマトは2階ら降りてきた。パンイチとか上半身裸でなくてよかった。ヤマトは少しビックリしている、そしてユキナもビックリしている。


「母さん、お友達って聞いてたからミドルミセスだと思ってたよ、ピチピチギャルなんて聞いてない(笑)」


「私もです! ミクさん若いから……ちびっ子が挨拶くると思ってました(笑)」


 ミクの説明不足で…………初対面から盛り上がった。その後は食事をして、年末恒例の歌合戦を観ている。ユキナは会社では……男性とロクに話せない。でもヤマトとは普通に話している、これも教育の一貫、か…………。


「ユキナさん、BPexやるんですか?僕もなんですよ! 後でパーティ組んでやりませんか? もう1人ヤバいプレーヤーいるので、戦いは楽ですよ(笑)」


 ヤマトはユキナを誘ってオンラインゲームをやるらしい。ミクは観戦に回った。3人で年越しが出来る、なんて幸せな年なのだろう……



「ユキナさん、強いですね……。僕も下手な方ではないんですけど……負けなしじゃないですか」


「いや、ヤマトくん。ヤマトくんのお友達、神プレーヤーの域だよ。3人で組めば……世界大会いけるかも……」


 ミクはオンラインゲームはやらない、でもユキナは学生の頃、プロのゲーマーをしていた事は知っていた。


(BPexの神プレーヤーのSとユキナは出逢った。2年後に世界を席巻することになるタッグ…………)



 こうして新年を迎えた……。

みなさんいつもありがとう


 このアディショナルライフシリーズは基本的に年末年始を家族団欒に充ててます。初詣や和服、恒例のテレビ番組、高校サッカー選手権、そんなネタですね。第二章以降も続けるか……悩みます。

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