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初めてのキス

「ヤマト、凄かったね。みさおさんの歌。発表にもビックリ……一言教えてくれても良かったじゃない……」


「ごめんね、あおい。サプライズにしようと思ってさ。あんなアルバムが埋もれてたら人類の損失だよ。だからみさおさんに相談しておいたんだよ」


 納会は終わり、ヤマトはあおいを自宅まで送っている。まだ時間が早かったので、あおいの自宅の最寄り駅でタクシーを降りてあおいの自宅まで歩いている。そして近くの公園、プレゼントを渡さねば……。


「あの、これ……ペアリングなんだけど。あおいへのクリスマスプレゼント」


「えー、私何も用意してない……ありがとう……」


「あおいはオレの側にいてくれるだけで、それがプレゼントだから(笑) オレには勿体ない…………」


「これは結婚指輪ね(笑) あと2年とちょっと、私、ヤマトのお嫁さんでいたい……ヤマトの一番でいたい……」


「わかりました……では、留学まで、私のお嫁さんになってください。愛してます、あおい…………」


「はいっ! (笑)」


 プレゼントのペアリングから思わぬ展開になってしまった……今は、これでいいか…………。


「ヤマト、約束してほしいことがあるの」


「なに? あおい」


「ヤマトは優しいし思い遣りがあるから……きっと浮気すると思うの……」


「浮気? あおいとっての浮気の定義って?」


「うーん、女のコと2人でデートしたり、キスしたり……かな。それ以上は不倫と認定、即離婚ね(笑)」


「なら不倫はあり得ないかな(笑)」


「私、ヤマトが他の女の子と仲良くするのは我慢する。でも……私と同じ数はしてほしくない……デートとか……キスとか……常に私が一番でいたいの。なら許す」


「ねえねえ、あおいさん? もしあおいさんと100回キスしたら、他の女の子と99回キスしていいってことになるけど…………」


「何いってんのっ、一度もしてくれたことないくせに……他の子と99回キスしたいなら、私と100回キスしてから許しを請いなさい(笑)」


「分かった……では一回目………です」


 あおいにキスをした。軽く唇に……



△△△△△△△△△△△△△△△



 ドキドキが止まらない。近くの公園で、ヤマトと初めてキスをした……そして自宅前でも……。あおいは幸せでのぼせている、思い出すだけで…………


 携帯が鳴る。みさおさんからだ。


「もしもし、早川です。今日はお疲れ様でした」


「こちらこそありがとうございました。来年も1年間よろしくお願いします」


「こちらこそ! あおいも夢に向けて進まないとね! でね、早速用件なんだけど…………」


 みさおさんの用件は、アルバムの件であった。ヒメリンの幻のアルバムの発売と同時に、同じカトレア高校在学中である、あおいが何曲かカバーして歌ってほしい、という事である。今まで発売されヒットした曲ではなく、ヒメリンが作った数曲をミニアルバム形式にする。


「あのぉ、みさおさん。担当するのは心から嬉しいのですけど……1つだけ重大な懸念が………………………」


「なに? あおいはアイドル歌手だしピッタリだと思ったんだけど……。仕事はグラビアの方がいいのかな(笑)」


「いやそれだけは…………。私、ヒメリンとかみさおさんとか、そこまでの歌唱力がないので……」


 あおいは自覚症状している。自分の歌唱力は歌手として底辺のもの、クラスにいる歌上手くらいのレベルで、感動とかメッセージとかを与えられるレベルにない。


「バカね、それがいいのよ! あのね、ゆりのこと知ってる? 武田百合ちゃん」


「はい、今年のカトレア祭でお話しました」


「姫とフラワーってユニット組んで歌ってたの知ってるよね?」


「はい…………」


「ゆりはなんでフラワーに抜擢されたか知ってる? それはね、容姿なの。姫と同等の可愛さ、だから抜擢された。歌はね…………酷かったのよ、最初。14年前の納会でフラワー初披露したんだけど、歌は下手だし、踊れないし、挙げ句ステージでべそかいて……懐かしいわ」


「ゆりさんが? そんな……信じられない」 


「あの子はそれからとても努力したの。踊りは諦めて歌だけ……ファンには歌が最初から上手いって思われてるけど、違うの だからあおいも努力なさい!」


 そんな話……さすがヒメリンの師匠と言われたみさおさん、ガチファンでも知らないことを知っている……。


「あー、それとね。あおいってウチのオーディオ2回受けて落ちてるでしょ? あれね、落としたの私なの(笑)」


「え? やっぱり歌の部分ですか?」


「違うの、面接のとき姫の事ばかり言ってたじゃない? だからなの。姫の目指すことは出来ても、姫になる事は出来ない、だから事務所の方針として、姫のガチファンは落とすことにしてるのよ(笑) ごめんね(笑)」


 あおいは自分の歌唱力がずっと気になっていた。みさおさんの話を聞いて、心に光が差した気がした。


「私、努力します! 歌わせてください!」

みなさんいつもありがとう


 また校正は後回し(笑)。毎日投稿頑張ってます。

 

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