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クリスマスパーティ

 汐留離宮の日本迎賓館までヤマトはロア大統領に同行している。ロア大統領とは別の車に乗っている。同席しているのは藤川校長、特段盛り上がる話もせず、封鎖された首都高を優雅に進んでいる。


「なあ桜井、あの大統領の事はよく知ってるのか?」


「いいえ、話したことある、って程度です。どうかしました?」


「私も少しだけタロニア語を聞き取れるのだが、会話で聞こえてくる会話がな……野蛮でクズ野郎に聞こえる、いや、悪人の会話だな」


「校長、運転手に聞こえますよ(笑) 日本語分かっててらどうするのですか? それに、車内に盗聴器がある可能性もあるし」


「別に聞こえてもいいさ。本当のことなんだから」


 藤川校長は一般人なので何を聞かれても大丈夫であろう。しかし藤川校長の言う通り、生徒や先生方に向けてタロニア語で卑猥な言葉を投げかけたりしている。どちらかと言うとセクハラの呟きではない……こいつ殺したいとか、どんな断末魔をあげるのだろうとか、異常者のような会話である。リーナとニーナはその呟きを聞いていることだろう……。


「何か問題起こしたらやっつけますから……」




 迎賓館に着いた。ボディチェックを受けて迎賓館のパーティ会場へ。会場には蓮見大臣が先に来ていた。蓮見大臣はニコッとヤマトに合図を送ったが、まずロア大統領と挨拶をする。その後……ヤマトのところに


「ヤマト久しぶりですね」


「大臣、ご無沙汰しております。お変わりなく……」


「ヤマトがカトレア高校に進学した時はビックリしたよ、てっきり東国大付属に進学すると思ってたから」


「相良の実績づくりは嫌ですからね」


「小さい頃から相良学長は天敵だったからな(笑)」


 そんな話をしていた時にクラスメイトが続々会場に入ってきた。蓮見大臣と談笑しているところを見られてしまったが……なんとか誤魔化せるであろう。


「では大臣、私はクラスメイトの所へ行きますので、ロア大統領の接待、よろしくお願いします」


「心得た。後でロア大統領と会談をするようだが、黒い噂が絶えない大統領だから、気をつけてな」


 こうしてクリスマスパーティが始まった……



△△△△△△△△△△△△△△△



 迎賓館に着いた。あおいはクロークで女性警察官にボディチェックを受けた。会場に入ると……天井が高い! アニメで出てくる社交界の会場にそっくりである。窓のステンドグラスも素敵。会場に入るとヤマトが先に来ていた、偉そうな方スーツの男性と談笑している。私達を見つけると駆け寄ってきてくれた。


「あおい、今日はありがとう! 楽しみにしてるね、パフォーマンス」


 今日はみんなの前で歌を歌う事になっている。ハッピーハッピーは1名が脱退、2名になったが既に解散状態であった。今日はパーティでの余興として楽団が来ている、その楽団の前でぶっつけ本番で歌う、もちろんこれは……仕事である。



 舞台になっているところに先程ヤマトと話していた男性が立っている、蓮見教育担当大臣……みたい。大臣が高らかに乾杯とパーティの開会を宣言する。歓談のあとは……ダンスパーティがある。周囲を見渡すとカトレアの生徒よりも政府関係者やタロニア政府関係者が遥かに多い……それでも!ダンスはヤマトと踊りたい……


「あおい、ヤマト見つけたわよ……ほらボディガードの人と話してるわ」


「うん、でも……大切なお話してたら申し訳ないし……」


「あなたバカね(笑) ヤマトにとってはあおいが一番大切よ(笑) ほら声かけてきなさいっ!」


 ニカに言われてヤマトの元へ……


「……ヤマト…………」


「あ、あおい、楽しんでるか? わかった、そろそろダンスだな。踊ろうか……早めに踊らないとパフォーマンスの準備があるんだろ(笑)」


「うん……」


 ボディガードの男性は親指を立ててニヤニヤしながらその場を去っていった。サングラスをしていて表情はわからなかったが……。



 ダンスが始まった。カトレアでは後夜祭対策で1年生の時から社交界ダンスを習う。踊れない人はいない。いつもは女性が多めなので女子通しで踊ることになるが……ここではたくさんの大人の男の人がいた……クラスメイトの大半は誘われて踊っている。


「カトレアとは違うな……男女で踊るところが。これがあるべき姿だけどね(笑) 踊ろっか!」


 ヤマトと踊った。由緒ある迎賓館で……こんな素敵な事……どうしよう、幸せすぎる。このままヤマトの腕の中にいたい……でも、仕事がある。


「あおい……そろそろ時間だろ。頑張ってきて! 会場のみんなを楽しませてほしい」


「ありがと(笑)」




 有栖川あおいとして続けて3曲を披露する。ハッピーハッピーの持ち歌、タロニアの童謠、そして最後は……ヒメリンの絆。ここの全員を楽しませるために……


「みなさ~ん、有栖川あおいです! 今日はアイドルとして皆さんに歌をお届けします……まず最初は、やっぱりキミが好き…………」


 あおいは渾身のパフォーマンスをした。

みなさんいつもありがとう


 ロア大統領訪問の話は次で完結。今のところ小競り合いて済んでます。

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