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変な小説

 ロア大統領の訪問に関しては問題ないであろう。あとは待つだけである。訪問は12月25日、24日に終業式を行うが、25日は普通に授業になった。


 やることがなくなった。そこでゆっくりとお宝の小説を読むことに。ヒメリンの宝物庫から今回お借りした小説は3冊。一冊は短編、KTという題名。残りの二冊はカトレア関連か……カトレアの思い出とカトレアのジャンヌダルク、という題名。


「カトレアの思い出」


 壮絶なイジメを体験した主人公が4人の仲間に助けられながら高校でミスコンに優勝、芸能界への道を進むという物語。これは自叙伝であろう。この4人とは別に男子同級生が出てくる、そして、主人公はこの男子同級生に告白されるが振っていまう。なるほど。やはり屋上で見たボディガードの男性は……伊集院さんの仲間だ。


「カトレアのジャンタルク」


 生徒の自治が広く認められている女子校で、ある生徒が生徒会長になる。その生徒は家柄も容姿も良い、最初は人気を博すが、やがで傲慢になり、生徒会長権限を乱用して理不尽な生徒会ルール規約を作る。そんな中、1年生のある生徒がその理不尽なルールに抵触し自殺未遂を起こす。傲慢な生徒会長に怒りを持った1年生が一人の生徒に全権を託して生徒会長に立ち向かう……これはカトレアで起こりそうな話だ。


「KT〜ここに至るまでの途」


 この主人公だけ男性である。女にモテたい一心でサッカーを打ち込む。次第に努力が認められ、高校からサッカー推薦でサッカー名門校に進学、ソコソコ活躍をするがイケメンばかりのサッカー部では実力あってもモテない。大学の推薦を取って、これから……という所で終わっている、いや未完成な状態だ。


 どれも小説としてのクオリティは低い。自叙伝のようになっている小説がやはり一番気になる資料である。


(伊集院さんに唯一振られた男子学生、きっと存在するはず……恐らく、渡邉先生は知っている……)




△△△△△△△△△△△△△△△




 次の日の放課後、ヤマトは渡邉先生に時間を頂いた。名目はロア大統領訪問に際しての打ち合わせ、迎賓館でのパーティにはクラス全員と生徒会が参加する。


「渡邉先生、ロア大統領は直接クラスの授業風景を観に来ます。シャロン先生にアテンドをお願いしてます。授業はホームルームですから、渡邉先生が担当。問題えりませんか?」


「平気よ(笑) 他のクラスには行かないの?」


「はい、セキュリティ上に授業風景は1年A組だけです。その後にプリンセスホールで全校生徒に向けてロア大統領にスピーチしてもらう予定です」


「迎賓館への移動はバスで行くのよね。そこも問題なさそうね」


「迎賓館のクロークで身元確認と身体検査かあります。問題になるところはありません」


 タイムスケジュールの確認をした。迎賓館までの移動は渡邉先生が主導することになる。実際は合衆国に一個小隊が警護にあたる、イレギュラーな動きをしなければ大丈夫であろう。


「ロア大統領ってどんな方なのかしら……」


「渡邉先生には本当のことお教えしておきますけど……正直クズ野郎です。よく知ってます」


「え? そうなの? お友達?」


「いえ、半分敵ですね(笑)。渡邉先生、僕も一つ質問していいですか?」


「いいわよ、なに? 姫のこと?」


 ビクッとしてしまった。渡邉先生、ボーッとしてて考える仕草はないが……洞察力が優れてる? わからない。


「なんで……ご存知なんですか?」


「私ね、姫がたくさんお宝を生徒会室に残したこと知ってるの。それに、清水さんは姫の大ファンって言ってたし。」


 なるほど……ただボーッとしてるだけではないみたい。話を合わせていく……


「実は……伊集院さんが残した小説がありまして……その小説、自伝みたいなんですけど……いじめられっ子の主人公に3人の友人が出来るんですけど……」


「あー、それは私と舞と華のことね(笑) 舞は会ったでしょ、足立舞さん。華は姫のパートナーかな(笑)」


「仲良しだったんですね。で、その小説の中で伊集院さんが同級生に告白されで振るんですけど、これもじじつなんですか?」


「へー、そんな事も書いてあるのね(笑) それは本当のことよ。高校3年間で唯一姫に告白した男子学生、渡邉蓮のことかな(笑)」


「渡邉って…………」


「そう、私の旦那さまっ(笑)。私も旦那さまも姫が大好きで、話が合ったからお付き合いするようになって」


「旦那さまは警備とか警察とかやられているんですか?」


「違うわよ、だたの会社員。小さい会社だけど人事部長とかやってるの」


 では……屋上にいたカードマンは誰? 謎は残った。


「羨ましいです、旦那さまは幸せものですね(笑) 渡邉先生がお嫁さんなんて……」


「まあそーね(笑) 姫にもよくそう言われたわ……」


 渡邉先生は昔を懐かしむような素振りを見せている。嘘ではなさそう。


「姫、死んじゃったけどね…………」


 淡々とした渡邉先生の言葉……真偽は……わからない。

みなさんいつもありがとう


 とりあえず投稿します。後ほど校正する予定(笑)

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