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学校説明会

「以上が学校説明会の流れです。校長、どうでしょう」


 今日は学校説明会の最終確認、関係者が校長室で打ち合わせをしている。メンバーは藤川校長をはじめ、生徒会からヤマトとみのり、学校紹介を手伝うあおい、の4人である。理由があって最低人数の招集にしてもらった。


「うむ、流れはいいが、この清水の格好がな。カレコン、ブレザー部門でのグランプリだからって同じ男装はどうなんだ? ウチのセーラー服は由緒あるものだからな、恐らく親御さんの中にはカトレア出身者が多いし」


「校長、それなら早着替えをしたらどうですか? 最初はブレザーで学校紹介をして、映像が流れている時間でに着替えて……」


「ヤマト、それ、いいわね! でも、清水さん、早着替えって可能なの?」


「無理ではないと思います。髪とメイクのセットが問題ですけど。両方に合うセットにすれば」


「では、今中。それで進めてくれ。以上だ」


 学校説明会等は11月から12月にかけて数回行われる。生徒会が企画運営をして、それに対し学校側が業務委託料を払う。最終的に受験人数による別途のインセンティブ契約を結んでいる。この交渉自体が社会の縮図になっている。


「校長、1つ許可頂きたいことが……クリスマスパーティを1年A組主催でやりたいのですが……」


「なんだ、そんな事は勝手にやればいい……」


「いいんですか? それで」


「また面倒なことになるのか?」


「はい! なります。」


 藤川校長は頭を抱える。だが別に学校にとっては悪い話ではない。


「近々、ある機関から学校に学校訪問したいとの打診があると思います。その後にパーティをしたいと思いまして……会場は押さえましたので」


「1年A組が関わるなら……タロニア関係者だな。こども基金の担当者とかだな。かなり多額の寄付をしたと聞いたぞ。パーティ会場はちゃんと教えてくれ、カトレア祭絡みなら生徒会や学校関係者も関わらせてほしい。で? 誰が来るんだ?」


「タロニア国のロア大統領です。」


「ヤマト、それマジ?」


 控えめな発言しかしていないあおいが、一番大きな反応を示した。冗談にしか聞こえないか話だが、カトレア祭の始まる前に教育大臣補佐官が来たことがある。その流れと思えば不思議でなない。


「それは……拒否は出来ない案件だな。で、パーティはどうするんだ、カラオケルームって訳には行くまい……」


「汐留離宮にある日本迎賓館を押さえました」


「なに? そんな由緒正しい場所でのパーティを誰が企画進行するんだ……政府に頼むのか?」


「私がやります……蓮見大臣には話を通してあって、協力して頂きますが……。今回も迎賓館押さえるのに大臣から圧力かけたので(笑)」


「セキュリティとか大丈夫なのか?……国賓だろ!」


「大丈夫ですよ。国賓と言えども、今回の訪問の目的はカトレア高校に感謝するための来日ですから……何も言わなくても政府が色々バックアップしてくれますよ!」


 とにかく了承さえ取ってしまえばヤマト主導ならどうにでもなる。まさかシャロンとリーナ、ニーナが大統領の身辺警護をするとは言えない……


「政府も絡むならいいだろう。でも待ってくれ、費用は誰が払うんだ? 招待する形なら日本側の負担だろ?」


 藤川校長は鋭い! 仰る通りなのである。ここは嘘もつけない……


「今回、ロア大統領は個人的に私に会いに来ます。ジョージやサラの友人だと言うことで、これ以上の詮索は勘弁してください。だから私が負担します。必要経費は上乗せして合衆国に回しますから平気ですよ(笑) それと安全保障上、この話は内密にしてください」


 ヤマトは予め用意していた秘密保持契約書を全員に手渡しサインをもらう。みのりもあおいも驚いたままサインをした。


 ヤマトはサインをもらうと校長室を後にした。流石に準備をしないと間に合わない……



△△△△△△△△△△△△△△



 ヤマトの口から元大統領のジョージライアンさんの名前が出てきた。それにサラ……それは現大統領のサラライマンさん……。盗聴事件のときに元大統領が知人だと知っていたが……ヤマトはいったい? 前回は何も聞けなかった。今回も知りたくない、が、一国の大統領が会いに来るって……黙ってスルーしたほうが不自然である。


〜ごめんね、あおい。ジョージ達のことはまとめて打ち明けるから、少し待ってね。確か11月3日が誕生日だったね、その日は1日空けてほしい〜


 携帯に連絡が入っていた。これであおいから聞くこともない。ヤマトを信じて待っていよう。


 一緒に校長室を後にしたみのりさんと2人で生徒会室に移動した。会話がない、みのりさんも色々考え事をしているのだろう……重たい時間である。




「あおいって、ヤマトのこと知ってたの? その……合衆国の大統領と知り合いとか……」

 

「いや、知りませんでした。でも……タロニア政府からの協力があったり、タロニアテレビが来たり、それもヤマトが関わっていた、と考えれば納得いきます」


 あおいは元大統領とヤマトが知り合いだったことは知っていたが、そこは聞かれていないのでそう答えた。


「クリスマスパーティ、生徒会も参加よねぇ……とてもワクワクするけど、同時に怖い……」


「私は確かクリスマスに仕事が入っているけど……事務所に話してどちらを優先するか判断仰いでみます」


「今は説明会の準備してる方が気が紛れるな(笑)」


 みのりさんの心の中は分からない。だが、どこか寂しさを感じ取った。静寂の時間は流れた…………

みなさんいつもありがとう



 昨日は沖縄、平和祈念公園に行ってきました。日本の防衛システム、というテーマは数年前から構想として持っていて前作からミライを登場させてます。ウクライナ戦争を受けて、今作の物語は戦争と平和の対比を入れるという変更をしました。今作のメインである「ファンタジー部分」は物語の後半には登場させたいです。

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