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豪華な審査員

 1日目は殆どの時間を視察に費やした。みのりさんもあまねさんと2人で生徒会副会長として各クラスを回った。ヤマトと視察を手分けして行った。何故か……2日目はカレコンで手が離せない事が考えられるからである。カトレア祭2日目は生徒会室でなく、プリンセスホールに集合である。


「今日は忙しくなるわね。そろそろ審査員の皆様が来られるからお迎えに行ってほしい」


「みのりさん、おまかせください!」


 とは言ったものの……肝心の大物審査員が来るかどうかが微妙、マネージャーに連絡を取ったが、しばらくして本人と思われるアドレスから、行くわ、という一言でやり取りが途絶えている。来なかった場合の対策はしてあるが……用務員のおじいちゃんにお願いするのは控えたい。


 車がやってきた。まず来たのは舞さん、旦那さんの足立社長も一緒である。


「舞さん、足立社長、お越しいただきありがとうございます」


「ヤマトくん、お誘いありがとう! 今日は厳正に審査するわ!」


「ヤマトくん、その節はありがとう。あおいちゃんも出場するんだよね、僕はコッソリ客席で観たいんだけど……可能かなぁ」


「もちろんです! 無敵の生徒会長権限でどうにでもなります!」


「舞〜」


「香菜! 久しぶり! いつも電話とかリモートだからね、会うのいつぶり?」


「いつだっけ……」


「忘れたね……」


 2人は抱き合いながら喜んでいる。そしてその3名を宏太先輩がアテンドする。まだ来てない審査員をお出迎えするため、ヤマトはその場に残る。


 次に来たのは柳商店街の名誉会長、竹内さん。そして生徒会と親交のあるTSホールディングスの会長さん、私立高校時代のオーナー理事長であった滝川さんの3名。


「今年の生徒会長は男子なんだな。よろしく頼む」


 滝川さん、威厳たっぷり……女傑といった風情。自身の所有している高校を政府に寄付したのだから傑物に違いない。後ろから藤川校長が走ってきた……


「理事長! お元気でしたか?」


「おー藤川。お前まだ独身なんだってな。地位も金もあるんだから、札束で旦那くらい作れ(笑)」


「いきなりですか……やめてください(笑)」


 クールビューティーな藤川校長が破顔している。この2人、強い絆を感じる。そしてあとは……大御所、武田百合さん。果たしてくるのか…………




 黒塗りの高級ワンボックスカーが来る。本当に来たようだ。今までもある意味大物を迎えたが、只ならぬ雰囲気がある、ヤマトも緊張する。


 車から人が降りてきた。1人目は……男性、サングラスを掛けていて目つきは分からない、が、恐ろしく鋭い感覚がある……死線を超えてきた迫力、きっと遣り手のボディガードであろう。そして次に出てきたのは……武田百合さん、目が眩むほど綺麗な……天使なのか、白いドレスを着ている。


「はじめまして、生徒会長の桜井です。本日はお越しいただきありがとうございます」


「あら? 男性のエスコートなのね(笑) 嬉しいっ 武田です。よろしくお願いします」


 おいおい、これ反則だろう……あおいもこんな女性になるのか…………いや無理だ。笑顔がやばい、作り笑いではない、心からの微笑み。


「どうされました? 桜井くん」


「も、申し訳けありません……。迂闊にも見とれてしまいまして……お詫びいたします……」


 ダメだ。お得意の口説き文句も出てこない。


「見とれてくれたなんて……嬉しいわ、ありがとう! でもね、私、心に決めた人がいるのよ(笑) 桜井くんとは結婚できませんの(笑)、それにもう、高校生から見たらオバサンね(笑)」


 初対面でマウントを取られるなんて今までにない事。これは慣れるまで時間がかかりそうである。ヤマトは今日、カレコンの司会をやる予定だが、その他の時間は武田さんのアテンドをすることになっている。


「いや、恐れ多いお言葉です。今日は日差しも強いので早く控室へお越しください。私がご案内しますので……」


「ありがとう! そうそう、今日は私のマネージャーが来てないの。その代わりボディガードを2人連れてきたわ職務上おしゃべりとかは控えたいんですって」


「わかりました。ではこちらへ…………」


 ヤマトは武田さんの隣、2人を囲むようにボディガードが歩く。人生経験上、SPとかは凝視してしまう……1人は歴戦のツワモノのオーラ……だけど、あれ? 腕が細い……格闘技や武器の扱いに慣れているのであろうか。もう一人は……違和感しかない。鋭さも何もない、その前に……オンナだろう。身のこなしが完全に女性である。


 聞いたことがある。武田さんには女性のパートナーがいると……マネージャーが帯同してないのもかなり怪しい。これはきっと……お忍びでの訪問、事務所は通していないに違いない。


「武田さん、こちらです」


「ありがとう。では時間になったら呼んでね」


 3人で控室に入る。これも妙である。ボディガードなら1人はドアの前に立つはず、それに、武田さんの着替えもある。ボディガードに扮した女性は分かるが……


 謎だらけであるが考えても解らない、まずカレコンの司会に集中しよう。

みなさんいつもありがとう


 間違えて前作に投稿してしまいました(笑)。

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