縁が繋がる
ジョージから連絡があったのはあおいと話をした翌日の明け方。委細は伝えてある。
「やぁ、我が友、ヤマト。大変そうだね」
「ジョージ、こんなことで呼び出してしまって……」
「何を言う! ヤマトは合衆国にとって大切なパートナー、安全保障の要だ。で、どうすればいい?」
「記事は止めてほしい。あとは……文秋という出版社をどうするか、だが……」
「そこはヤマトの件に関わらず処理方法は決まっている。別件でもあってね。任せてもらっていい? それとね、調べたら……」
ヤマトはジョージの話を聞いて驚いた。あおいは文秋にマークされていた訳ではない。内部告発されていた……よりによって近しい人に……。
考えてみればおかしい。ジョージがこれ程早くに調べられるということは、犯罪絡みということ。盗聴と盗撮が絡んでいるのであろう。犯罪までして内部告発告発した人物話すべきであろうか……。とにかく問題は2日目足らずでスピード解決した。
すぐにあおいに伝えたいが、今回は藤川校長まで話が及んでしまっている。ここは明日、藤川校長も含めて話をすることにした。
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藤川校長から呼び出しがあったのは今朝、2日ぶりの校長室である。渡邉先生から伝えられた。お昼にママも含めて例の話をすると言われた。お昼になるのが……怖い。
「あおい、そろそろ行こっか」
ヤマトに声をかけられた。胸がときめく、この前ママが結婚とか言ってしまったからヤケに意識している自分がいる。
「うん。なんだろう……退学とかは、ないよね……」
「それはいから。いい話だよ」
「やっぱヤマトが責任取ってくれるとか(笑)」
「そうだな。それがあおいの望みなの?」
どこかヤケになっている自分、こんな発言をするタイプではないのに……どうしたんだろう。
校長室には校長先生とママが既に待機していた。渡邉先生も同席している。
「時間もない。では始めよう。まず、文秋の記事の事だが、発売されなくなった」
あおいは視界が晴れた気がした。いきなりどうして……疑問も残った。
「経緯については詳しく話せないが、簡単に言うと桜井の知人から出版社に圧力がかかった。あおいさんのお母様、入学式に来られましたか?」
「はい……」
「それなら言葉にせずとも察してください。桜井の知人が誰なのかを……」
あおいはすぐに察した。元大統領……
「では桜井から詳細を話してくれ」
「わかりました。まずこの度はあおいさん、お母様、私の軽率な振る舞いでご迷惑かけてしまい大変申し訳けありませんでした。今回の件、直ぐに私の友人に相談しました。次の日には連絡が来て、発行中止の処置になりました。理由は……軽犯罪が絡んでいたからです」
軽犯罪……盗撮とかであろうか……。
「今回の記事は内部告発です。なので友人も素早く動けたのです。考えてください、あのネックレスを見ただけで金額がわかるって変ですよね。それは私とあおいさんしか知らないはず、それが記事になっていた」
「あおいさんの携帯のやり取りが覗き見されていたんです。ここまではいいでしょうか……」
「はい……」
「そしてここからがどうするか考えることです。あおいさんは内部告発をされるような事務所で仕事を続けていけますか?」
「…………わかりません」
「ここで犯罪者の名前を話すことも出来ますが、こちらも調べるのに堂々と犯罪をしてます。だから当事者の話は出さないとあおいさんの所属する事務所と話し合い、合意しました。事務所の移籍も容認することも了解を得ております」
あおいは聞いていて分かってきた。誰の仕業かも……恐らく……でも移籍先がなかったらどうしよう。渡邉先生が話し始める。
「清水さん、もし宜しかったらなんだけど、私の知り合いの事務所に入らない? ユアプロモーションなんだけど……」
かつて伊集院さんも在籍した精鋭揃いの事務所。中学生の頃何度かチャレンジして不合格になっている。
「そんなぁ……いいんでしょうか」
「問題ないわ。清水さんさえ良ければ直ぐに話をすすめますよ。来週桜井くんと打ち合わせに行くので、ついでに見学してもらってもいいですよ、ユアはタレントさんの意思を尊重する素敵な事務所なのよ、恋愛とかも自由だし!」
憧れのユア……タレントファーストて少数精鋭、大女優、武田百合さんも在籍している。是非移籍したい!
「お願いします! もう向井さんとかと仕事したくない!」
つい話してしまった……。タレントを守らないマネジャー、恐らく……。
「あおい、良かったな」
「ありがとう……ヤマト。私……」
「分かってる。レディに多くを言わせるほど野暮じゃないから……」
2人は屋上にいた。他の人はカトレアの準備に追われていた。誘ったのはあおい、気持ちを伝えずにはいられない……。
「あおい、よく聞いてくれ。オレには好きな人がいる、いや、いた。今も大切に思っている。そして、オレは高校を卒業したらジョージが待つ、ニューヨーク工科大学の特別研究チームに入るんだ」
あおいは、いきなりの告白に……涙が止まらない。
「もし、それでもいいなら……卒業するまででいいなら……いや、それはあおいが決めてくれ。このまま仲良しグループの中の2人でいるのか、3年足らずだけど特別な存在になってくれるのか……」
「そんな言い方ズルい……私、欲張りなの……両方がいい」
「わかった…………欲張りなのは嫌いじゃない(笑)」
特別な存在にしてくれた……それでも涙は止まらない。
みなさんいつもありがとう
アイドル育成計画、前作の完結を開場して追加することにしました。この作品に入れ込むのは変だし、別作品にするには12話に短縮したし。この作品でも伊集院姫の代表作として出てきます。




