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責任

 あおいは事務所から戻った……。記事は止められないという。世間の反応次第だと言うが、活動自粛は免れない、もし今社会問題になっているパパ活と世間が認識するようなら契約解除すると……向井さんは庇ってくれず、裏切られた気分。あおいの全てが終わった気がした。カレコンも出られない、ヤマトにも大きな迷惑がかかる。


(ヤマトには連絡しないと……でもなんて言えば……)


 その日は一睡も出来なかった。




△△△△△△△△△△△△△△△ 




「あれ? 今日はあおい休みなの? 昨日元気だったのにね ニカ、なにか聞いてる?」


「実は……連絡したけど返信ないの。何かあったのかな」


 ヤマトは気になった。あおいは芸能界という厳しい環境で仕事をしている。仕事で悩みを抱えるのは避けて通れないものだとは思うが、体調まで崩してしまうほどなら、何か手助けをしたい。


 早速連絡を入れてみた。返信は来なかった、が、代わりに藤川校長からの呼び出しがあった。


「桜井、申し訳ないな。実はさっき清水あおいさんのお母様から連絡があった。桜井は清水とサッカーを観に行ったそうだな」


「はい。私から誘いました。ちょうどあおいからも仕事が一息ついて遊びに行きたいと連絡がありましたので……舞さんにも一度試合に来いと誘われてましたので」


「なんだ、桜井は遠藤、いや足立を知っているのか……」


「お話してませんでした? サッカー教室のお手伝いにヒロシ達と行ったんですよ。その関係で舞さんの試合をあおいと2人で観に行きました」


「なるほどな……そのサッカー観戦が文秋からスキャンダル記事になるそうだ。清水は桜井に迷惑がかからないか、と痛く心配していて、それでお母様から連絡を頂いた」


 これは……完全にヤマト自身の失敗である。シクッた。あおいとは天城ランドの時も普通に遊んでいたから……いや、これも言い訳にもならない。


「あの……お母様に、直接お話したいと伝えてもらえませんか? お母様も含めて今夜にでも……」


「まあ、桜井が言うのだから早く対応した方がいいのだろう。聞いてみるから……後ほど連絡を入れておくよ」




 校長室を出て30分程で校長から連絡があった。お母様からもヤマトに迷惑がかかるのでお詫びしたいとの申し出があった。ミクも、という話だったが今は福岡に出張に行っている。


 ヤマトは双子のマンションには寄らずに帰宅し、待ち合わせ時間前に指定の喫茶店に行った。



△△△△△△△△△△△△△△△



 あおいはママと2人で喫茶店に徒歩で向かっている。会話は殆どなかった。あおいから口を開いた。


「ママ……ごめんなさい」


「いいのよ、別に犯罪したわけでもないんだし……。ね、ところでさ、桜井くんってどんな子なの? あおいが2人で出掛けるんだから気になってるのよね?」


「うん、とても素敵なの」


「そっかあ、じゃあ、責任でも取ってもらおっか! お嫁にもらってもらうとか(笑)」


 ママはあおいと違って明るい性格。あおいを励まそうとしてくれる。ヤマトに謝ろうと言ってくれたのもママだ。何も解決出来ない自分に代わり学校にも連絡してくれた。


「そうしてもらおうかな……学年1位だしお金には苦労しなさそう」


「それは芸能界より魅力的ね……」


 話をしていると待ち合わせの喫茶店に着いた。既にヤマトは来ていた。あおいの姿を遠目に見つけ、立ち上がり頭を下げている。藤川校長も既に来ていた。




 席に着く前に話が始まってしまった。あおいも早くこの一言が言いたかった。


「桜井くん、本当にごめんなさい」


「いえ、今回の事は私の落ち度です。あおいさん、お母様、本当に申し訳けありませんでした」


「桜井くん、はじめまして。あおいの母の清水ひかりです。この度は巻き込んでしまってゴメンナサイ。こういうお仕事をしていて、危機感がなかったあおいが悪いんです。でも、私としては……高校生が普通にデートしてるだけですから……事務所や文秋に腹を立ててます」


「そう言って頂けると気持ちが楽になります。あの……今後の事ですけど……私に責任を取らせてください!」


 あおいはヤマトがそう言ってくると思っていた。ヤマトは底知れない力がある。性格的に放って置くことも出来ないだろう、それも……あおいにとっては心苦しい。


「桜井くん! それは、まだ早いのでは!」


「いや、お母様。私に3日だけ時間をください。お願いします…………」


「あなた達まだ高校生なのよ! そんな結婚なんて早すぎるわ!」


「ママ! 早とちり! 違うって……」


 あおいはすぐに訂正した。さすがのヤマトもすぐに理解出来ずにいたが、理解してくれた。


「あー、お母様。私なんかあおいさんとは不釣り合いです! そんな高望みなんてしてません。普通にクラスメイトとして仲良くして頂ければ十分です!」


「あらまぁ……だって桜井くん、お母様とか言ってくるし……私勘違いしちゃって」


 その勘違いで話し合いが和んだ。あおいは今回の事でどうなっても後悔は一切してないこと、ママは文秋と事務所の対応に腹を立てていることをヤマトに伝えることができた。ヤマトは……必ず責任をとる、とだけ言っていた。

 題名二文字は転機やシリアスの会。今作においては初の二文字題名ですね。 

 前作からプクみなさんいつもありがとう

マでご覧頂いている方が6名ほどいらっしゃるみたいですが、本当に有難うございます。脅威のブクマ7名ステイが2週くらいになりました、もしかしたら間違って完結させてしまったかも知れませんね(笑)。


それでも完結に向けてがんばります。アイドル育成計画が12話に縮めて完成しました。第一期分です。これはいつか前作に付け足ししますので(笑)

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