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通称カレコン

 クラスは模擬店に決定。タロニア料理を出すとなるとマスコミを巻き込んだオオゴトになる。ここはギリギリまで静観するとしよう。そして、目下決めなければならないことは……ビューティーコンテストのこと。今日はその細部を決めて明日のお昼の放送で発表予定。


「では……今日は残りの部分を詰めます。コンテストの愛称、投票方法、芸能事務所所属者の不参加について」


 司会はみのりさん。他は決まっている、副賞はヤマトが請け負っている。愛称や投票方法は決めの問題、難しいのは芸能関係者の扱い、多くのタレントが通っているので不参加で通すのはどうなのか、という意見がある。


「はい! 愛称はカトレアコンテストでどうてすか? ミスは使えないので……」


 生徒会役員、宏太の発言、オーソドックスだが……その方向をしかない。


「ねえ、カトコンってダサくない? 愛称はカレコンにしようよ! 投票だって生徒投票をまとめて1人分の審査員扱いにすれば、買収とか防げますよね、」

 

 簡単な意見を言うのは美優である。これはすんなり決まった。あとは……芸能関係者の扱い、


「みのりさん、私にひとつ芸能関係者について妙案があります。芸能関係者はブレザー部門だけ出場を許可するのはどうでしょう? ブレザー部門はこのままだと出場者も少なく盛り上がりに欠けます。芸能関係者のガチバトルならきっと盛り上がりますよ」


「そんな殺到するかな? 副賞を魅力あるものに出来るならありそうですけど……」


「副賞の中に国営放送のナレーションが出来る、というのを入れますよ。少しツテがありまして。カトレア祭を取り上げる放送でナレーションが出来る、ならやるでしょう」


「そんなの約束できるの?」


「はい、実は今回、私のクラスにタロニア国からの難民がこの学校に編入してきています。実はタロニア暫定政府の直轄のタロニアテレビって所から取材の依頼が来ています。そして昨夜ですか、日本の国営放送からもタロニアテレビへの密着取材をしたいと申し出がありました」


「ということは、もう交渉済み?」


「実は……ナレーションを条件に仮契約しちゃいました」


 全員、目が点になっている。実際はヤマトが各所に圧力をかけて仮契約したのだが……。


「ヤマト、他の副賞ってそれに見合うものなの?」


「えーと、検討してるのは……牛1頭と伊集院姫さんのレアグッズ、ネズミ遊園地の10年ペアパスポート、一口馬主、そのあたりです」


「それって……ヤマトが協賛するってこと?」


「はい、そうです。牛は知人から進められた牛の投資の話がありまして、そこで育て和牛です。ネズミ遊園地は僕が株主なので2枚用意できます。伊集院さんのグッズはこれからオークションで落札します」


「もうわかった。そこは任せる」


 かくしてカレコンの概要は決定した。



△△△△△△△△△△△△△△



(もうそろそろかな? ヤマト様がそろそろ……)


 17時過ぎ、ニーナはこの時間になると心が踊る。ヤマト様が毎日のように会いに来てくれる。会うだけで楽しい、何故だか分からない。ほら……来た!

 

「ニーナ、変わりはないか?」


「はい! ヤマト様」


「リーナは?」


「お買い物行ってます。それと、週末に本国から教育長官がここに来るそうです。出来ればヤマト様もご同席頂けると有り難いです」


「わかった。そこには同席しよう。ニーナ、学校はどうだ。楽しいか?」


「はい! 学校にいるとヤマト様も私達と同じなんだと錯覚してしまいます」


「いや、クラスメイトに上下関係は基本的にない。みんなが同じ権利を持っている。私は特殊なんだよ」


 優しく話してくれるヤマト様、教室ではなかなか話せる機会がない。今はクラスメイトの女子に囲まれて楽しい日々を過ごしている。その輪の中心にはリーナも一緒にいる。


「だからみんな優しいんですね。最近はリーナもよく笑うようになりました。なんと、男の子とも話すことあるんですよ!」


「それは素晴らしいことだね。2人とも、このまま日本と言う国で平和に生きていけるよう、努力するんだよ。そう、シャロンはどうしてる?」


「たまにここに来るくらいです。シャロンは合衆国の仕事を週末手伝っているみたいで。でも心配ありません、日本での仕事って命の危険って先ずない、とジャックも言ってました」


 日本での活動は主に要人の警固である。銃のない日本においては容易いことである。そもそも日本の治安維持は素晴らしく、暗殺やテロを行う場所としては不都合で狙われる事はない。要人を安心させるために帯同するようなものである。


「今まで通りの手伝いなんだな。それならいい。あと、ニーナ、3人は難民って扱いになっていることを常に忘れないよう。学校、いや、日本という国では戦争は遥か遠いどこかでの出来事だから、理解されることはない」


「はい! この前、自己紹介の内容でたくさん怒られちゃいましたから同じ失敗はしません」


「よろしい」

みなさんいつもありがとう


 カトレア祭が近づいてきました。内容も少しずつ決まってきて……そして次回では、トラブル発生?

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