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タロニア料理店

 ジョージからは今回の経緯を聞いた。藤川校長とジョージは既知である。そこをうまく利用した様で、リーナとニーナはジャックの養子という扱いで榊の姓を名乗ることになった。学校の近くに双子で住むマンションを用意し、シャロンはジャックが使っていたマンションに住むという。どちらのマンションも報酬としてヤマトの所有になっているそうだ。


 ヤマトは部屋で今後の対策を考えていた、そして夜遅くヒロシから電話が来る。ヒロシを含め、あおいやニカ、静から携帯に連絡を貰っているが全て無視している。話す言葉が見つからないから……。


「ヤマト、大変なことになったな……」


「ヒロシ……もう予測がつかない。何名か死人が出そうな気がする……」


「そんな事になったら騒ぎになるから、そこまではないだろ」


「だから日本は平和ボケって言われるんだよ。3人が何人か殺したところで、国家権力が揉み消すだろ」


「でも……こんな偶然ってあるんだな」


「この転校騒ぎは……100%オレのせいなんだよ。偶然なんかじゃないんだよ。彼女達を保護したとき、時の国家権力の担い手に、普通の学校生活させたい、みたいな事言ってしまったんだ」


「それで、か……。ヤマトはカトレア祭で忙しいだろ。だからあおいやニカや静と協力して2人を見守るよ」


「ありがとう。明日から頼むよ」





 次の日、ヤマトは早めに登校した。恐らく2人は早めに来ているはず。教室に入るとニーナがいる。


「おはようございます。ご主人様」


ヤマトとの関係を伏せるように伝えるのを忘れていた。昨日は3人と連絡がつかず、次の日の一言……後手後手に回っている。まだ早い時間、数人しか登校していないので、幸い誰も気付いていない……。


「リーナ、その言い方は……ここでは駄目だ。ヤマトくんと呼びなさい。いいですね」


 ヤマトは小声で伝えるが、リーナは不思議そうな顔をしている。クラスメイトは全員平等である、と教科書には書いていないから分からないのも無理もない。


「リーナ、今夜マンションに行くけどいいか?」


「はい、ご主人様」


「ヤマトくんと呼べ!」



△△△△△△△△△△△△△△△



 今日は火曜日、ノー部活デイである。カトレアでは週に1日部活が休める日がある。と言っても部活が禁止されている訳ではない。全国レベルの部活等は普通に活動出来る、だが、逆に生徒が自主的に休みを取ることも出来る。その火曜日を利用してA組は全員でカトレア祭の出し物を決めることになっている。司会進行は男子の柴田がやっている。ニカは柴田が苦手である


「それではみなさん。新しい仲間も加入したので盛り上がっていきましょう! では……まず、候補を出していきましょう!」


 ニカは気分が乗らない。リーナとニーナの話を聞いているからだ。戦争を経験してきた2人はこのやり取りをどう感じているのだろう。ニカはどこか恥ずかしい気分である。


「ねえ! せっかくリーナさんとニーナさんが編入してきたんだからタロニアの料理店とかどうですか?」


 彼女達の生い立ちも知らないノー天気な意見が出る。ヤマトは……黙って次第を見つめている。


「あのー、リーナがタロニア料理得意です! でも私はメイドさんの格好したいです!」


 ニーナがいきなり発言してきた。ニカは思い出す……奇っ怪で独創的な料理の数々を……でも、ニーナは楽しそうな顔をしている。リーナは……何と笑っている。


「私もそれに賛成! とりあえずこのクラスで飲食店にしませんか? コスチュームと料理は後で決めましょう!」


 ニカが大きな声で発言をして意見をまとめにかかる。


 最近のカトレア祭では飲食店が減少傾向にあることをニカは知っていた。ニカの姉は昨年カトレアを卒業している、その姉が言っていた。理由は簡単、飲食店だと採算が取れない可能性が高いからだ。逆にカトレア劇場で劇や合唱をすれば補助金分は必ずプラスになる。更に飲食店は同じようなお店が乱立していて競争が激しく、余程上手く運営しないと赤字になる……その話が噴出すると決まりかけた事も振り出しにもどってしまう、盛り上がっているうちに決めてしまいたい。


「では………教室を利用しての模擬店で生徒会に申告していいですか?」


 クラスの総意は固まった。リーナやニーナは笑顔、ヤマトは2人の笑顔を見て、これまた笑顔。ニカもまたその光景を見て口元が緩む。


 ニカはカトレア祭のクラス催事の責任者になった。双子姉妹と柴田は実行委員、4人でタロニア料理店を企画していくことに。


「ニカ……ありがとうな」


 クラスでの話し合いが終って教室に残っている生徒が少なくなってからヤマトから声をかけてきた。


「ううん。責任者になったからには頑張らなくちゃ……」


「そんなニカにひとつアドバイスするよ。あの双子姉妹を活用すれば、タロニア暫定政府からの全面協力が得られるよ。食材でも料理人でも世話してくれると思う。タロニアの国営放送も動くと思うが、その際はタップリ報酬を取るように(笑)」


「そんな騒ぎになったら……手伝ってね」


「仕方ない、その時はクラスメイトとして協力するよ」

みなさんいつもありがとう


 後書きをもしご覧になっている方がいたら……第一話にかなり付け足ししてますので。ご覧になってみてください、ネタバレあるけど……あまりにもPV酷いので。

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