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ジョージからの報酬

 新学期が始まった。新学期の初日には生徒会長が校門前で全校生徒をお出迎えする、カトレアの伝統のようなものである。早くから登校して生徒を出迎えている。


 チャイムが鳴り生徒のお出迎えが終わった。同時に携帯に連絡がくる、ジョージからだ。


〜ヤマト、本日報酬をお送りした。気に入ってくれるといいが〜


 何か送られてきたようである。自宅に変なものが送られてなければいいが……彼らの贈り物は何度かミクを驚かせている、早く帰宅したい……。


 そして始業式。ヤマトは生徒会長として挨拶をする。カトレア際へ向けて変更事項を広報しなければならない。


「…………では、次に本年度のカトレア祭についてですが、従来通り模擬店に関しては補助金なし、カトレア劇場参加クラスは必要経費と補助金を支給します。フリーマーケットは日本文化部で運営、そして生徒会では十数年ぶりにミスコン改めビューティーコンテストを行います」


 ビューティーコンテストの話には大きな反響があった。この期待に応えないとならない、ヤマトは気持ちを引き締める、


「ビューティーコンテストの詳細については後日発表します。内容はご期待ください!」 




△△△△△△△△△△△△△△△



 始業式が終わり教室に戻る。教室内はコンテストの話で盛り上がっている。誰が出るのか……我がクラスには1年生の中の2大美少女がいる。盛り上がらないわけはない。やがて渡邉先生が教室に来る。何やら3人も人を連れてきた…………


「はいみなさん。静かに……コンテストのことは後日にしてください。実は本日から我がクラスには転校する転校生をご紹介します」


「! ! ! !」


「ではご紹介します。向かって左側はリーナ・さかきさん、右側はニーナ・さかきさん。お2人は双子です。タロニアの難民として日本に来ていましたが、今回特待生としてカトレアに通うことになりました。では、お2人とも、ご挨拶お願いいたします」


 ヤマトは……驚きを隠せない。もちろんここで2人を知っている全員が、顔を見合わせている。


「みなさま、はじめまして。リーナ榊と申します。リーナと気軽に呼んでください。趣味はお料理で、よく友人からは独創的と言われます。特技は爆発物の処理解体や地雷の撤去です、よろしくお願いします」


 やっちまった……。恐らく渡邉先生に指示されたのだろう。趣味や特技を含めて自己紹介するように、と。クラスメイトは固まっている。平然としているのは……渡邉先生だけである。


「では次、ニーナさん」


「はい。みなさま、はじめまして。ニーナ榊と申します。お花を育てるのが大好きです。特技は特にありませんが、ナイフを使っての殺しが得意です。それと左目は敵軍兵士に潰されてしまいましたが、全然痛くないので大丈夫です! どうかよろしくお願いします」


 クラス全体が固まったままである。そして、誰も2人の言葉に突っ込めない……。冗談だから突っ込むべきなのか、タロニアなので暗い過去と認識してスルーするのか……。しかし、渡邉先生はニコニコと変わらない……。


「お2人ともありがとうございます。そして、このクラスが40名に達してしまいましたので、こちらのシャロン榊先生が皆さんの副担任として赴任することになりました。教科は武術、体術……体育全般です」


「皆さん、シャロン榊と申します。先に紹介された2人は私の妹です。辛い難民生活を強いてきたので、どうか皆さんよろしくお願いします。そして、私はこのクラスの副担任として皆さんのサポートをすることになりました。私は軍の特殊部隊に所属していたので、討ち取った敵軍の将校の数が自慢です。オトコを篭絡して暗殺する暗殺術が特技と言えるでしょう。どうかよろしくお願いします」


 開いた口が塞がらない……。が、流石にシャロンの話が冗談だと思ったのであろう、クラスに爆笑の渦が巻き起こる。笑えてないのは……ヤマト達だけである。


「はい皆さん。二学期からの編入ということでイレギュラーではありますが、このクラスの仲間として、ともに卒業まで仲良くしてあげてください」


 渡邉先生は強心臓なのか、タダのバカなのか、分からなくなった。




 席に着いたリーナとニーナはホームルームが終わるとすぐにクラスメイトに取り囲まれる。2人はかなりの美少女、そして瓜二つの双子、沢山の人から質問を浴びている…………こりゃ当面注目の的になるだろう。



△△△△△△△△△△△△△△△



 家に戻るとジョージから普通回線で連絡が来る。


「やあ、ヤマト。今回の報酬は喜んでくれたかい? 3人が学校に入学するってことは、ヤマトがずっと望んで事だってジャックが言っていたから」


「ジャック……。まだ3人は日本という国も平和という概念も理解不足だ。今後何が起こるか……頭が痛い」


「なんだ、そんな事を心配してるのか? 私を誰だと思ってるんだよっ! 世界一の国家権力でどんな不祥事でも揉み消せるから安心しろ! 今回の報酬は保証書付きだ!」


 これでは伊集院さんの事故を追う余裕も無くなりそうである。

 

みなさんいつもありがとう


 新しい仲間? が増えました。

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