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2年前〜三姉妹

 シャロンは相変わらずである。ベッドで寝たきりだったリーナは会話が出来るところまで回復している。だがニーナは重傷であった……左目を潰されていたのだ。ヤマトはこの夏休みが終われば日本に戻らなければならない。だが、この3人の捕虜の処遇がまだ決まっていなかった。


「ジャック、3人はどうなるの? せっかく助けたのに」


「新政府が引き渡し要求をしているが、あの3人、かなりの要人を殺しているからな、戦争犯罪者としては裁かれなくても、どこかで殺されてしまうだろう」


「それが嫌だよな、戦争って。憎しみの連鎖。そうそう、午後にはジョージと話ができるのかな?」


「その予定ですよ。新政府との会談の前にヤマトと話しておきたいと大統領は仰っていたから。またお声をかけます」


「わかった。何か最善策を考えるよ」


 ヤマトは考えた。救える命なら一つでも多く救いたい。だが、本人達の思いも尊重しないとならない。ヤマトは3人の病室に行ってみることにした。


 病室に行くといつもの光景である。シャロンは外を眺めている。リーナはベッドで横になり目を開けている。


「シャロン、こんにちは」


「ヤマト…………」


「シャロン、あなた達の考えは変わらないの?」


「はい、私もリーナも、死を望んでいます」


「ニーナはどうなの?」


「起きてる時間が短いのであまり話をしてません」


「姉さん……」


 ニーナが目覚めたみたいである。片眼はもう駄目らしい。ヤマトは初めてニーナと話をしてみる。


「ニーナ、はじめまして。ヤマトです。気分はどうですか?」


「悪くないわ、私生きてるから……」


 意外な言葉が飛び出した。ニーナはリーナと双子の姉妹と聞いていたが、それなのに雰囲気が違う。リーナよりも明るい感じがする。


「ニーナ、さっきの話は聞いてたかな? 私はね、3人に幸せになって欲しいんだ。3人だけじゃない、より多くの人に……だから、あなた達三姉妹もそうなってもらいたい」


「うん、姉さん達から聞いてます、でも……」


「今、3人揃っているから私から一つ提案があります。私と一緒に日本に来てみませんか?」


 突然の提案に3人は困惑の様子である。静寂が訪れるが、その静寂を破ってシャロンが口を開く。


「ヤマト、私は……やはり、あなたを標的にした自分は万死に値すると思う。それに……数々の人を殺めてきたから……アナタに殺されたい」


「私は姉さんに従うわ。生きてても辛いから……」


 リーナもシャロンの意見に賛同した。ニーナは……少ししてから話しだした。


「シャロン、リーナ。私は……この命をヤマトに捧げたい。私達のしてきたことは万死に値する、だから生きていく事自体が辛い。でも私達はヤマトに助けられた、だから……ただ死ぬだけではなく、ヤマトのために死にたい。命をかけた護衛でも何でも」


 ヤマトは黙って聞いていた。その策がない訳ではない。その方法を模索しつつ3人の様子を伺っている。


「でもニーナ、アナタ左目が……」


「右目があるから大丈夫! 姉さん達はヤマトご護衛、そして私はヤマトお世話、姉さん達はついでに片目の私も守ってね、いつもみたいに(笑)」


「ニーナ、女として多くの辱めを受けた私達のような者がヤマトの役に立てると思うか? 憎き男の欲望にまみれた私達がヤマトの側に居ていいはずがない。だから諦めよう……」


 3人の話し合いか途切れてしまった。ヤマトは思った……心の傷は大きい、だが、きっと時が何かを変えてくれると……。


「3人の意見は分かった。では3人を私の権限で死刑にする。それでいいか」


「依存ありません」


「死刑執行の日は……100年後だ。それまでは今までの罪を償う為に、私の下僕となり、私に誠心誠意尽くすこと  それが私の決定だ。異議は認めない、どんな嫌な役目もこなすように」


 死にたいというシャロン、リーナの意見、ヤマトに命を捧げたいというニーナの意見をすべて取り入れた決定を下した。そして、彼女達はそれに逆らうことはしないだろうと察した。上官の命令は絶対、という教育を受けているのがわかる。



△△△△△△△△△△△△△



「ヤマト本当にありがとう。ヤマトのお陰で紛争が解決したよ。心から礼を言う」


「ジョージ、よかったです。でも今回の解決はブラックのお陰だよ、彼の命が紛争を終わらせた。ブラックのことよろしく頼むね」


「暗殺されずに本土の刑務所に移送出来れば問題ない。不自由な生活はさせないようにする。それとヤマト、何かお礼がしたい……1億ドルほどあなたに送金する準備が出来ているが……」


「ジョージ、金はそんなに要らないよ。それよりお願いがある。日本の大使館に圧力をかけて3人分の難民申請を通してほしい」


「例の捕虜か……ジャックから話は聞いている。随分と美人らしいな(笑)。さすがはヤマト、英雄色を好む、だな」


「おいおい、やめてくれ」


「冗談だ(笑)。ヤマトの願いは2時間後に叶えよう。だが、1億ドルも予定通りスイス銀行に送金しておくよ。3人も愛人がいるならお金がいくらあっても不自由しないだろう(笑)」


「だから違うって…………」

みなさんいつもありがとう


 三姉妹の命を助け、日本で生活することに。次回でこの回顧録は終わりです。


 しかし、何度も読み返してから投稿してますが、読み返す度に修正しています。誤字脱字、変換ミス、言い回し、内容の付け足し……ダメですよね(笑)

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