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揺れる女心

 最近、ヤマトが忙しそう。お昼も放課後も生徒会室で話していて話す隙もない。ヤマトと話せるのは短い休み時間くらい。あおいも仕事があるので夕方から夜は時間があまりない、せっかく元気を貰ったのに逆に寂しい気持ちで一杯だ。


「最近元気ないね、あおい、なんかあったの?」


 ニカから心配された。あおいは感情を隠すのが得意な部類、なのに分かってしまうとは……かなりの重症かも。


「あのね……ちょっと気になる事があるっていうか……」


「駄目よ、アイドルなんだから……既婚男性とかは(笑)」


「うん、それはない」


「なんだ、やっぱオトコ関係かぁ。アイドルだから恋多くて当然かぁ。で、相手ってイケメン俳優? お笑い芸人?」


 今更ヤマトが気になるとは言いづらい。あの夜の出来事も話せない……今の4人の関係が壊れてしまわないように。


「まだ自分の気持ちがよく分かってないから、整理ついたらニカにも話すよ」


「ねえ、今週の土曜のこと話さない? ヤマトは生徒会に緊急呼び出しらしいけど、ヒロシと3人で話そうよ」


「うん」


 やはりヤマトとは今日も話せないのかぁ…………



△△△△△△△△△△△△△△△



 ヤマトは生徒会室にいた。困ったことではないが、数件同じ内容の質問状が届いていた。指定校推薦についての話である。


「ヤマト、この話はどう解決する? 流石に10通も同じ質問が来てしまったら何かしら声明を出さないと。同じ様に感じている生徒も恐らくたくさんいるはずだから」


「うーん。どうしましょう」


 質問の内容は……東国大を含めた指定校推薦はヤマトが進学する時に自らが指定校推薦を受けられらるように、自己の利益を考えて作ったものではないのか……的な内容である。指定校推薦を受けられない成績底辺生徒だけでなく、一般受験でより上位を目指す生徒からも同じような質問が来ている、嫉妬や勘違い、くだらない平等主義者からのクレームだ。


「増えたからいいじゃん、と軽く発言でもしておく?」


「いや、僕が指定校推薦受けない旨を就任挨拶で話すことにしますよ。でもこれって……校長先生しか知らないことで……本当は言いたくないのですけど」


「少数意見ではあるから無視しても構わないけど」


「生徒会長になったのですから、説明責任があります。自分の高校の生徒会長がどんな人物か、ってこともある程度知って貰いたいですし」


 明日は終業式、毎年恒例になっている生徒会会長の就任挨拶がある。そこで指定校推薦について触れることになった。夏休みはこれまた恒例になっている生徒会長による部活動訪問が行われが、それはみのりさんに丸投げしてある。



△△△△△△△△△△△△△△



 終業式の日、ヤマトは伝えるべきことを悩んでいた。進学のこと、どこまで話すか……。結論からすると、全て話すのがベストである。中途半端な言い訳じみた情報を伝えると、変な嫉妬やくだらない批判が来るであろう。自分の圧倒的実力を知らしめて黙らせておくのがいい。



「これより、新任の生徒会会長から就任の挨拶がある。では新会長、前へ」


 校長先生の話の後に就任の挨拶である。ヤマトは登壇する。緊張などはない、慣れたものである。


「この度、生徒会の会長に就任しました、桜井ヤマトです。よろしくお願いします。皆さんにお約束した公約を果たすべく、これから準備をしてまいります。指定校推薦につきましては、9月に詳細が学校から発表されると思います、想定よりも少し増えそうです。ここで私個人のことで一つお話しておくことがあります」


「私はこの指定校推薦を利用しません。進学先に関しては既に決まっております。ニューヨーク工科大学の生物工学課に進学し、同時に同大学のバイオ研究所の研究員としてDNA解析精製に携わることになってます」


 さすがにどよめく。研究員の話は校長先生にもしていない。研究は人のクローン技術やDNAに刻まれた記憶を解析など、人類の禁忌に当たることを行う。


「なので、高校在籍中は生徒会長として、より快適で魅力的な学校づくりに尽力して参りたいと思います。改めてよろしくお願いします。次に明日からの夏休みについて、生徒会からの連絡事項があります…………」



△△△△△△△△△△△△△△△



 ヤマトの話は続いている。ヤマトの進学先が決まっている、しかもニューヨーク……。あおいは泣きたい気持ちを抑える。登壇し生徒会長として堂々と話をしているヤマトをみているが……。ヤマトとのあの夜、優しさに触れて心が揺らいでいた自分。あの夜はヤマトが近く感じられた、が、今は手の届かない遠い存在に感じる。



(勝手に想って勝手に自爆ね……私……馬鹿みたい……)


 あおいはヤマトの挨拶が終わったあとも気持ちを引きずっていた。体育館から教室へと戻る。頭の中にあの夜のことが……


「ねえ、あおい…………涙……出てる 泣いてるの?」


 無意識であった。ニカにそう言われるまで何も気づかなかった。


「あ、いや、目にゴミが入ったのかも…………」


 見え透いた言い訳である……。

みなさんいつもありがとう


 今作の恋愛は純愛……なので女性目線が多いかもしれないです。前作の反省を踏まえて(笑)


 そして次回は……サッカー日本女子代表、足立舞と会いに行きます! 旧姓は遠藤です。

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