表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/92

生徒会権力

 ヤマトが生徒会長に就任した。あまねもこれでお役御免、あとはヤマトとみのりに任せられる。確か生徒会長の最年少記録は、女帝、伊集院姫さんの1年生の3学期、最年少記録を塗り替えたヤマトはどんな偉業を達成するのか楽しみでもある。


「あら、新会長。よろしくね」


「あまねさん、宜しくお願いします。しかしあまねさんも素敵な名前されてますね。名前負けしない容姿も素敵です」


「ヤマト、なに口説いてるの? あなた、みのりも口説いたでしょ、聞いてるわよ(笑) あの子、恋愛下手だからあまりからかわないでね。手を繋ぐだけで妊娠しそうな子だから」


「そういうあまねさんはオ・ト・ナなんですね(笑)」


「下世話なことは言わない! 生徒会の品位に関わる! そうそう、ヤマトを呼んだのは、生徒会長のみが閲覧を許された極秘資料があるんだけどそれを渡すためなの」


「なんかワクワクしますね! 埋蔵金の地図とか入ってるのですか?」


「当たらずとも遠からず、これは特に学校関係者には極秘にしておくものなの。生徒会の力の根源」


 生徒会長から直に渡された極秘資料には金策の事が多く書かれている。これまで生徒会が行った商店街や各企業との取引履歴やそれぞれのキーマン、企業体制のことなど。学校関係者のことも書いてある。まだ私立高校で理事長が存在した5年前よりも以前の情報もある。


「これ…………凄い」


「細かいところだと教職員の勢力図や好き嫌い、ホクロの数まで書いてある。学校関係者の弱みなんかも詳細に……」


「……犯罪まがいのことも出来ますね。使い方によっては金儲けなんていくらでも……」


「だから会長にしか継承されないんだよ。賢明なヤマトならこの資料の危うさ、分かるだろ。そして、これが会長権限の一覧、藤川校長よりも遥かに権力者だからな」


 大きな公約をぶちまけたヤマトも流石に驚いている。このノート、17年前から存在するらしい。そこから歴代生徒会長が加筆を重ねている。一番加筆が多いのは伝説の女帝、伊集院姫さんである。


「このノートの存在って誰がご存知なのですか?」


「これは……誰も知らない、事になってる。私はみのりにだけ話したことがある。口外無用とは書いていないからね。読むと分かるけど、伊集院姫さんの代では副会長の相川さんも加筆してるし」


「そしてこの鍵、これは主に伊集院さんが残した資料全般が入っている金庫の鍵なんだけど。カトレアの歴史が刻まれていたり、変な小説が入ってたりする。これも会長権限の一つ、これで引き継ぎは終わりかな!」


 これで会長権限の引き継ぎは完了した。あとはヤマトに託そう。きっと良い学校改革をしてくれるだろう。




△△△△△△△△△△△△△△△




「ヤマト〜 勉強もいいけどあまり根を詰めないでね」


「分かった、夕飯だろ? 少し待ってて」


 ヤマトはノートに見入っている。オタカラとはこういうものを言うのだろう。これでレストラン計画の資金繰りには困らない。そして、金庫に入っていたヘンテコ小説、この発見は大きい。小説サイトでたまたま見つけた伊集院姫さんが書いたと思われる小説のオリジナル版である。この小説の主人公、間違いなくヤマトと同じような体験をしている。


「おーい、ヤマト〜」


「今行く〜」




「ヤマト、生徒会長になったのね。すごいわ。直ぐに花京院さんから連絡来たわ」


「ミクは花京院さんとあまり仲良くないって……」


「それがね……手のひら返しよ、笑っちゃう。ねえ、花京院さんのところの静ちゃんってどんな子? 話したりするの?」


「フランス人形みたいな凄い美人さんだよ。クルクル巻き髪の。成績も優秀で学年2番だって」


「ヤマトのお嫁さんにどうって言われたけど、受けちゃおうか!(笑)」


「家柄的に花京院に婿入りだろ、オレは嫌だな。桜井がいいよ」


 ミクの性格からするとやりかねない。あまり考えないタイプだが、行動力はかなりのものである。なのでハッキリお断りをしておく。


「私はヤマトが幸せになればそれていいけどっ」


「美人は飽きるって言うしね。オレもミクみたいな喜怒哀楽がハッキリしていて表情豊かな女性を頑張って探すよ」


「なんかそれ、私ちゃうよ(笑)」


「ねえ、ミクもさぁ、誰が幸せにしてやれよ。ミクと一緒になれた時点でそいつは幸せ者だからな」


「やめてよ〜。私そんなにモテないし。もういくつだと思ってるの!」


 ミクは一度交際を考えている男性を連れてきたことがある。その時もヤマトは強く進めた。だがうまくいかなかった、ミクは素敵過ぎるのだ。ヤマトも何度か会ったことがあったし、その男性は信頼出来たので、ヤマト自身の秘密も伝えた。それでも……些細なことが原因で結ばれなかった。縁がなかったとしか言いようがない。


「人生100年時代だからね。老後を任せられる下僕のような旦那でもいいから見つけなよ! 超ドMないい人を!」


「ヤダもう…………私はパパが忘れられないかもね〜一度は努力してみたけど……一生無理かも…………」


 自分の母親であるが、いつまでも1人の男性を思い続ける女性と結婚してみたい、とヤマトは心から思った。

みなさんいつもありがとう


 やっと10話到達です。シリーズで恒例になっている10月のカトレア祭(文化祭)を書き終えたところですけど、やっぱり楽しいです!


 明日からゴールデンウイークになりますので2話ずつ投稿することにします。本日は夕方に、10話までの人物設定集を投稿することにします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング cont_access.php?citi_cont_id=642620493&size=300 ネット小説速報
― 新着の感想 ―
[気になる点] 姫が生きているッッッ!……かも [一言] 更新待ちする小説が増えましたw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ