表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/22

9火は使い方を誤るとすべてを奪いつくす

 焦げ臭い香りがあたりに漂う。パチパチという火が弾ける音。魔法によって放たれた炎の燻ぶる白い煙の中に、人影が立っていた。一陣の風が吹く。そこには不動でこちらを睨み続ける、セインの姿があった。

「な、に…………」

 イーギルは驚きを隠しきれない表情で、目を見開く。セインは不敵な笑みを浮かべたかと思うと、

「……ッうあちあち!アッチチィ!?」

 服に燃え移った火を叩き消しながら、緊迫した空気をぶち壊した。どういうことだと、イーギルは思考が固まる。

「……ちょっとアンタ、うちの勇者殺す気?何してくれてんのよっ!」

 セインの遥か後方、野次馬に混じっている女が声を荒げる。大きなつば付きの帽子を片手で上げ、右手で持った杖の先端をこちらに向けている。この女……俺より後にファイアーボールを放ち、勇者セインに当たる前に相殺しやがった……ッ!こいつの使う火魔法は、『火片』で強化された俺と同程度、スピードは向こうのほうが上だ。


 イーギルは奥歯を噛み締める。


「お前、こいつの仲間かぁ?見たところいい服を着ていやがるなぁ!魔法の才能にも恵まれて、流石貴族様って訳かい?えぇ?」

 両手を広げて吐き捨てる。"貴族"には碌な思い出がない。イーギルは貴族を仲間に加えているセインのことが、ますます気に入らなくなった。

「はぁ?アンタ馬鹿なの?貴族に生まれたからって、魔法が上手いわけないでしょ?私個人の実力よ実力」

 胸に手を当て、誇らしげに胸を張る。その自信に満ちた態度が、イーギルの癪に触った。

「上等だ雌ガキぃ……ッ!!そっちのブス相手するのはやめだ、今日は俺たち全員で、お前を輪姦まわしてやるよぉ……ッ!」

 ゆらりと、どす黒い魔力を背中に纏わせ、イーギルが踏み出す。

「えー、そっちっすかぁ……俺あっちの胸のでかい娘の方が……」

馬鹿ばっか!見てみろよあの高飛車な目、ああいうやつが泣きわめくのを犯すのがいいんじゃねえか!へへへ……」

「ハハハ!胸もないガキ犯して何が楽しいんだよこのロリコンがよぉ!」

 好き勝手なことを抜かしながら、イーギルのパーティが歩み出る。どいつもこいつも、勇者のパーティよりも山賊の方がしっくりくる見た目と中身をしていた。

 スワンしか映っていないイーギルの目の前に、剣が突きつけられる。邪魔をするのは、ところどころ焼けて焦げ付いた、能無しの『勇者』様だ。もはや眼中にすらない存在に邪魔をされ、イーギルはガン付けながら凄んでみせる。

「……あぁ~~ん?なんの真似だぁ?カス野郎がよぉ?」

「僕の仲間に、近づくな」

 決定だ。この無能野郎は殺さずにふん縛って、目の前で仲間を凌辱してやる。イーギルは邪悪な笑みを浮かべて、仲間たちに命令した。

殺して犯せ(やれ)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ