休日の日に少しの面倒事を
今日は数少ない、オフの日。幸いにも天気は快晴、寝起きも良い、外からは城下町の賑やかな声が聞こえる、ああなんて素晴らしい日だ、こう言う日はきっと何か良いことがある……と思ってた瞬間が私にもありました。
我が国の勇者と魔王(馬鹿の二人)が私の部屋の前に土下座しているのを確認するまでは。
「で一体なんの様ですか、お馬鹿さん達。私の素晴らしい寝起きの朝を一瞬で不快にさせたのです、しっかりとした理由がなければ……どうなるかわかりますね」
「「お願いします、期間限定ガチャを10連回したいので、お小遣いください」」
……
「……」
「あのうすいません答えは?」
呆れてものを言えないとはまさに、この事ですね。吃驚しましたよ、この二人まじかと思いましよ。正直いつものくだらないお願いの類かと考えましたけどこれは斜め上過ぎて驚きを隠せませんよ。
何か説教する気も失せましたが、だからと言ってこのお馬鹿さんに正直にお小遣いをあげたら次も同じ事するでしょう。
………よしこうするか。
「お二人に聞きます、その10連する為には大体幾らぐらいの値段するのですか?」
「まあ少しの違いはあるだろうけど三千円から、五千円の間ぐらいだ。」
「わかりました、では一万円を差し上げましょう」
「「ありがとうございます」」
私は二人に一万円を渡しました。一枚だけね。
「「あのうすいません、見たところ一万円一枚だけしかないんですが」」
「ええ、だからその一万円で遊んで下さい、二人でね」
「……」
「……」
「「ふざけるなー」」
朝から元気ですね、この二人。
「ふざけてませんよ、しっかりと一万円渡したじゃないですか」
「いやいや、二人で一万て無理だから、お互い一回づつしたら終わりじゃん」
「そうだぞ、ここは普通一人一万が妥当だろ」
全く人が折角お小遣いをあげたのに、言いたい放題言うとは。
さてそろそろ、めんどくさくなってきたので黙らせますか。
「二人とも、そろそろ良い加減にしないと……一週間ブレイカー落として更に二人の食事抜きにしますよ」
「「お小遣いありがとうございます」」
全く、朝から面倒事を起こさないでもらいたいものです。
さて少しロスしてしまいましたが、休日を楽しみますか。
その後、宰相ミツナリが休日を楽しんでいる最中の、勇者と魔王の住む城からは時折勇者と魔王が喧嘩している音が聞こえたそうな。