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異世界転移物語、クラス転移モードANY%TAS 22:45.33

作者: 山彦八里

本作は宗谷織衛 様の異世界転移物語ANY%TAS 04:28.32をリスペクトした作品になっております。

 異世界転移物語クラス転移モードを始めます。


 まずはオープニングムービーの間に簡単な説明をしていきます。

 なお、本編についてはすでに先駆者兄貴が投稿しているのでそちらを御覧ください。


 クラス転移モードはアップデートで追加されたいわゆるクラス丸ごと異世界転移するモードです。

 キャンペーン設定がいくつか固定されるかわりに、本編では限られた戦闘でしか行えなかったパーティ戦闘を存分に楽しむことができます。

 また、クラスメイトはそれぞれが強力な固有能力を持っているため、これらをコンボさせて戦うやり込み要素もあります。おもしろいですよ。

 今回はバグ利用ありデバッグモードあり。セーブデータ改ざん無し。当然ゲーム外部からのチートはなしのレギュレーションで行います。


 さて、計測開始は主人公たちのいる教室が暗転した後、スタートボタンを押した時点となります。……はい、よーいスタート。


(教室にいたはずのあなたたちは、どことも知れぬ場所で目を覚ました)


 初めにキャンペーンの設定を行います。

 クラス転移モードでは「ファンタジー系異世界にチート能力を一つ貰って転生」「18歳」その他いくつかの設定がロックされています。

 かわりに部活の選択ができるようになっていますね。今回は人間男で野球部を選択します。

 後述のバグに使用するためイージーモードつまり神様の介入はナシ。神様の力なんて必要ないんだルルォ!!


 野球部を選ぶと初期スキル「投擲」に加えて筋力補正で15になるため主人公のステータスは弄りません。

 ポイントも振り分けの必要はなしです。


 チート、つまり固有能力を選択します。ややこしいですね。

 これは「復活の呪文」でOK。単体では選択から発動にやたら長い詠唱時間がかかりますが短縮技能はいりません。理由は後述します。


 名前は入力速度を考慮して「モ」で決定です。「ホ」ではいけません。ひらがなでもダメです。


 この攻略は最初が肝心なので気合を入れていきましょう。


「……目覚めたか、異界の者たちよ」


 ムービー開始暗転中に最速入力でしゃがみ動作。「復活の呪文」を選択して硬直キャンセル。

 乱数調整で呼び出しておいた足元の石を拾ってジャンプキャンセル、虚空に「投擲」。

 これを30フレームの間に行います。


「我が名は邪神ニクス=ラグルカ。貴様たちをこの地に召喚したも」


 ムービー開始と同時に出現する邪神に投石がヒットします。

 筋力15と投擲レベル1で飛距離はジャストです。


「ほう、この邪神ニクス=ラグルカに傷を与えるか」


 はい、オープニングがキャンセルされて崩壊編突入のムービーが始まりました。

 本来、ここで登場する邪神は人間不可侵のスキルを展開しているためダメージを与えられません。

 が、当たり判定の発生とスキル発動との間に2フレームの間があるためここに投石がヒットします。弓道部を選択した場合は構えキャンセル最速撃ちでないと間に合いません。


「貴様らの絆、試させてもらおう」


 崩壊編の初期イベント「クラス全員ランダム転移」が始まりました。

 これは世界各地の転移ポイントに主人公を含めたクラスメイト全員がバラバラに転移させられるイベントです。

 主人公以外は誰がどこの転移ポイントに飛ばされたのか(乱数を見ないと)わからないため、特定のキャラだけ育てていた人は苦労したのではないでしょうか。


「……僕がみんなを探さなきゃ」


 ここで操作キャラクターが一時的にモブ太に変わります。

 初期技能「うずくまる」固定、ステータス最弱固定とクソ雑魚ナメクジのモブ太君ですが、エンカウント率と逃走確率は補正が入っているためスニークミッションにはうってつけです。さすがクラス名簿にも載っていない空気キャラですね。



 気づいてる方も多いと思いますが、彼が世界を救う真の仲間です。



 崩壊編開始時はまず広い森に出ます。

 ここから自由行動開始、というわけにはいきません。

 なぜなら、モブ太君は北の迷宮で主人公と合流するまで他の方角に行こうとすると「こっちではない気がする」と足を止めてしまうからです。

 が、セリフ終了時に一歩だけ前に進めるため、これを繰り返せば強引に他の場所へ向かわせることができます。さらにスキルモーションキャンセルとジャンプキャンセルを繰り返すお馴染みJキャンでセリフ時の強制停止を慣性移動で無視することもできます。

 「うずくまる」はスタミナを消費しない優秀なスキルモーションです。主人公にも欲しいくらいです。

 入力は「うずくまる」→ジャンプキャンセル→「うずくまる」スキルモーションキャンセルで1ループ。見た目は蛙飛びですね。


 今回向かうのは魔物研究所です。歩数にして1722歩。がんばりましょう。


「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」

「こっちではない気がする」――――。


 着きました。

 建物内ではモブ太君の例のセリフもないため、安心してスニークミッションに臨むことができます。

 もちろんモブ太君は道中に出現する敵のどの攻撃にも耐えられません。初手逃走一択です。


「ここは一体なんの研究をしているんだ? ……うっ、頭が」


 モブ太君のくせに専用セリフがあります。伏線なので覚えておきましょう。


 そんなわけで決死のスニークミッションで最奥に行くと、この研究所の自爆装置ギミックを発見します。

 ここは仲間を連れているとヒントが貰えますが、孤独な真の仲間であるモブ太君は自力で解かねばなりません。

 ギミックの答えは研究所突入時の乱数で決定されるため、最短で入力できる3×3パズルを選択し、かつ今後のバグに必要な値になるよう予め乱数調整しておきます。


『自爆装置が作動しました』


 答えを入力するとアナウンスが流れますが、パズル画面は閉じてはいけません。そのまま待機します。

 制限時間を確認。バグを起こす時間と合っていますね。


 ネタバレになりますが、モブ太君は欠席していたクラスメイトの枠を埋めるための人形で、隠しステータスに魔物属性があります。

 冷静に考えてクラス名簿に載ってないクラスメイトってなんだよって話ですからね。

 人形の館イベントは彼の一世一代の晴れ舞台なので是非プレイして体験してください。


 というわけで、モブ太君は魔物研究所の入り口に展開された対魔物バリアを抜けることができません。

 みなさんも人間以外の種族で始めるときは人間のクラスメイトに外から解除してもらうか、転移等のスキルを持つか、研究所自爆の大ダメージに耐えられる何かを持っておきましょう。

 さて、制限時間がオーバーします。魔物研究所が自爆してモブ太君のHPを消し飛ばしました。孤独な真の仲間であるモブ太君は全滅します。


「そうか。僕ははじめから――」


 モブ太君はゲームオーバー直前にこのセリフが毎回挟まれます。

 スニークに失敗して聞き飽きた方も多いと思いますが、今回のバグではこれが鍵となります。

 なぜならこのセリフ中は「HPは0の状態」ですが「ゲームオーバーにはなっていない」ので、実はキャラクターは操作可能なのです。

 といっても、HPが0では動くことはできません。HPが0では。


「まだだ。まだ俺たちは終わっちゃいない!!」


 はい、時間になりました。

 どこからともなく主人公の声が聞こえて、詠唱の終了した「復活の呪文」が発動します。

 「復活の呪文」はあらゆる状態を無視してキャラクターをセーブ時の状態に巻き戻す最強の蘇生呪文です。

 ノーセーブの場合はゲーム開始時の状態に戻るのですが、イベント要員のモブ太君はゲーム開始時に存在しておらず、彼を示す値は0すなわちブランクになっています。

 このゲームの内部数値処理ではブランクは読み飛ばすため、代わりに開いたままにしておいたパズルの答えが数値として代入されます。

 パズルの一段目が初期ステータス、二段目が座標、三段目が外見や状態となります。


 今回一段目で呼び出すのはイージーモードでクラスメイトの相川美月に憑依する、という体で仲間になる神天騎士アーティリアのステータスです。

 アーティリアはお助けキャラということで、トップクラスの初期ステータスと見た目ビームな剣技「ジャッジメントレイ」を持っています。やっぱ神様の力って……最高やな!!

 ただしパズルの答えの関係上、一段目を「アーティリアのステータス」、二段目を「ラストダンジョンのセーブポイント」にすると、三段目で呼び出すグラフィックは「倒れた死体」の汎用グラフィックになります。


 これが死体代入バグです。


 なお、このとき主人公の名前の一文字目をモブ太君と同じ、すなわち「モ」にしていない場合は主人公のステータスが優先して代入されてしまうので注意しましょう。また、フラグの関係ですでに使用されているキャラの初期ステータスも優先順位が下がります。イージーモードにしなかったのはこのためです。


 さて、倒れた死体がアーティリアの敏捷値により気持ち悪い速さで這いずって決戦の地へ。

 突入前に一瞬待機して乱数を調整。

 最強の死体となったモブ太君(アーティリアインストール)で邪神に挑みます。いざ鎌倉。


「たったひとりでこの邪神に挑むか。なんと愚かなことよ」


 死体も人数にカウントしてくれる優しい邪神ですね。


「そも、貴様ら人間は原初より――」


 ムービー中にラスボス戦について説明しますが、実は楽勝です。

 すっ飛ばしたイベントの中で人間不可侵のスキルも無効化されたことになっているため、ラスボス戦は単純にステータスの殴り合いになります。

 が、ご存知の通り、邪神のHPは「500+クラスメイト各員の合計勝利回数×100」なので、ここまで一戦も勝利していない場合は500ポッチになります。

 最初の街で聞ける「人々の絆こそが絶望となった」という昔話が伏線だったわけですね。

 参考までに、バグを使わない場合のラスボス到達時の最小勝利回数は64回。うち7回は強制的にクラスメイト3人が参戦するため、邪神の最小HPは9000となります。


「そう、我は人の心の集合。絆こそが我が命。人である限り我を倒すことはできぬ。さあ、貴様も我が糧となるがいい!!」


 ムービー終了。本攻略における初戦(最終戦)を開始します。

 戦闘突入前に乱数を調整しておいたため、邪神の初期行動はメテオレインで確定。詠唱時間は3秒です。他のスキルを使われると時間が足りません。

 対するこちらは最速入力で「ジャッジメントレイ」ジャンプキャンセル「ジャッジメントレイ」を繰り返します。

 「倒れた死体」の汎用グラはジャンプモーションが常に最小値をとるためJキャンとの相性は最高です。見た目は死体がビクビク震えているだけですが。

 さておき、一瞬でアーティリアの初期MPが尽きるまで連射された「ジャッジメントレイ」に加え、アーティリアの初期装備の剣で斬りつけるとぴったり500ダメ。この間約2秒。


「馬鹿な。くっ、闇の中から光が――」


 戦闘終了です。もうこいつひとりでいいんじゃないかな。


「邪神とは人の心の闇が生み出したもの。けれど、負の感情を持たない人なんているのかしら。あるいは、人間こそが――」


 死体が主人公の声で意味深なセリフを呟き、「邪神討伐エンド」へ突入。

 ムービー開始と同時にタイマーストップ。

 記録は二十二分四十五秒となりました。


 以下はエンディングとなります。

 中時間のご視聴、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] タイトルで笑い、全部読み切った後タイトル下を読んで、リスペクト元があることにもう一度笑いました。
[一言] 「まだだ。まだ俺たちは終わっちゃいない!!」 「邪神とは人の心の闇が生み出したもの。けれど、負の感情を持たない人なんているのかしら。 なんか違和感があると思ったら、主人公って俺っ娘だったのか…
[良い点] 元ネタ様と色んな(バグ)違いがあって、比較しながら読むのも面白かったです 何気に犠牲者が操作キャラのみなのも個人的には良かった。TAS的にはあっちもいいんですが台詞があるとちょっと気分的…
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