第8話 水の都アクアモーラル
ぼうけんにいこうとおもいましたが、そこまで行けませんでした、すみません。
新しい仲間が一人加わります。お楽しみに。
2度目のダンジョンからシュテルンに戻り、伝説のドワーフ?よりショウの装備を受け取り宿屋で次の目的地の相談を始めた美沙たちは次の目的地を第三の町「アクアモーラル」の東にある湖の中に佇む城に狙いを定めた。
「ねぇねぇ!湖の中にお城がたってるんだって!わたし見てみたいな~!」
「みさっち~、子供じゃないんだからそんなにはしゃがないでよ。」
「えへへへ・・・僕の装備・・・にひひひひ・・・」
「ショウ君?さっきから鎧見てニヤニヤして、自分だけ新しい装備できたからって・・・まぁいいっか、あんなことさせちゃった後だし・・・」
美沙は、少しだけ後悔していた。いたずらから始まったとはいえ大事な仲間をあんな風になるまでほっておいたことを・・・そうあんなこととはショナのことである。
「見てくださいよみさっちさん!ブラックドラゴンの鎧に特殊エンチャントとして連撃と神速、それから闇・光攻撃特大特攻、闇・火・光・水特大耐性がついてるんです!こんな素晴らしいものを・・・あのドワーフは、伝説になれるかもしれないのではなく、伝説なんです!」
「す、すごいねぇ~・・・」
「みさっち、もうこんなアホに気を使わなくって大丈夫だって。」
「でもでも、あんなことしちゃったわけだし・・・」
「大丈夫だよ、本人何も気が付いてないみたいだし。なぁ?ショウ?」
「へ?何がですか?そんなことよりこの小手!ユニークスキルの絶対切断がついてるんですよ!あぁ!こんな装備僕が使って本当にいいんでしょうか、夢見たいです。」
「ね?それにこんな状態なんだから気にしない気にしない。」
「キュイ~・・・」
ショウは話なんてそっちのけで新しい装備を自慢している。ショウは話にならないと取り敢えず美沙とマリの二人で話を進めることにした。
「でね、水中にお城があるんだよ、前世?の記憶でお城が湖の上に立ってたのは知ってるけど、水中は見たことないもん!」
「まぁいいんじゃない?みさっちが行きたいなら行ってみようよ。たださ、あそこの城に魔王が住んでいるって噂があるんだよね。」
「え?いるわけないじゃん、マリって馬鹿なの?パパはいつだって魔王城、つまり私の家にいるんだから。」
「いや、そうなんだけど、今バカって言った?みさっち今バカって言ったよね?古の賢者に向かって。」
「じゃぁさ!そのお城に魔王がいるんなら確かめてみようよ!そしたらマリが馬鹿だって証明できるから!変な噂信じて、それでも古の賢者なんですか?あぁ、あのドワーフの名工ろいっしょれ・・・れんせつふうなんらね」ケラケラ
「ちょ!みさっちあんたそれお酒じゃん!ガキが何のんでんのよ!」
「うるしゃいなぁ~・・・マリが3人にみえるぅ~・・・」ケラケラ
こうして夜は更けていった。酔っぱらったみさっちをマリがおんぶしてその周りをクーがクルクルと旋回して飛び回る。その後ろを鎧を愛でる男が歩いていく、何とも奇妙な光景である。そして次の日。
「ほらーみさっち!出発の時間だよ~!」
クーを抱いて寝ている美沙をマリがゆさゆさして起こす。
「ん~・・・おはよーマリ、クーちゃん」
「キュイー♪」
「はい、おはよ、もう出発の時間だよ。早く準備しないとおいていくよ。」
「うん・・・・わかった・・・頭痛い・・・なんで?」
「ただの二日酔いじゃない?昨日ジュースと間違えてガンガンお酒飲んでたし。」
「え?!わたしが!?確かに何の記憶もない・・・」
「ショウはもう起きて町に買い出しに出かけたから、あんたも早くしなさいよ。」
「は~い・・・」
どうやら美沙は自分がお酒を飲んでいたことすら忘れているようだ、気を取り直して出発の準備を始め、クーと一緒に宿屋の一階にあるロビーまで下りた。
「あ、シェリーさんおはようございます。」
「おはようございます、ミサーラ様、クー様。本日でこの町を発たれるとお聞きしましたが、お間違いはありませんでしょうか?」
「はい、そうなんです。せっかくシェリーさんと仲良くなれたのに残念です。」
「私もとても残念ではありますが、ミサーラ様がまたこの町にお越しの際は是非お顔を出してくださいませ、それと、次の目的地がアクアモーラルとのことですが、お泊りになられます宿はお決まりでしょうか?」
「必ずまた会いに来るからねシェリーさん!そうそう、次はアクアモーラルって町なんだけどね私何も知らないんだよね。だから宿も決まってないんです。」
「ではこちらをお持ちください、私のネットワークを使って描いたパンフレットになります。それとこのカードもお持ちください。今お話ししました私のネットワークで泊まれる宿屋になります。また、私の妹がアクアモーラルにいますので、もしお困りのことがありましたら何なりとお申し付けください。」
「なんかすごい待遇なんですけど、こんなにたくさんしていただいていいんですか!?」
「みさっちあんた、なんか悪いことしてシェリーのこと脅したんじゃないでしょうね?!」
「そんなことしないよ!マリじゃあるまいし!」
「あ゛ぁ゛!?んだって!?この駄目娘が!?」
「あ゛ぁ゛!?なによこの駄賢者!」
「キュ・・・キュィ・・・」
「ミサーラ様、マリ様、クー様が怯えてしまっていますよ。」
美沙とマリが喧嘩をしようとしたときに静かにそれはそれは冷徹な声が、とてつもない圧迫感を含み美沙とマリを包み込んだ。もちろんその声の主はシェリーで静かに切れるタイプなんだと瞬間的に、本能で二人はさとった。そこに何も知らないショウがワイバーンをつれて帰ってきた。
「マリさん、言われたと・・お・・・り?あれ?」
ショウの後ろにクーが隠れると同時に三人が一斉にショウを見た。一瞬ビクッとなったが、気を取り直して話しを続けた。
「言われた通りワイバーンを買ってきました。テイムするものではないのですが、主人と認められたものには従順で乗り心地も最高とのことです・・・そろそろその顔やめてもらえないですか?僕泣きそうなんですが。」
シェリーを除く二人はショウを敵のような目で睨み付けていた。しかし外にちらっと見えるワイバーンを見た瞬間にテンションが上がったのか一目散に駆け出した。
「ショウ様も大変でございますね。もし何かありましたら私たちコンシェルジェにご相談くださいね。」
「まぁ、もうなれましたよ、でも何かありましたらよろしくお願いいたします。」
挨拶をして二人のもとにシュウは駆け寄っていった。その光景を微笑ましく見守るシェリーは、この三人と一匹を心底気に入ったようであった。
「ねぇショウ君!このこで行くの?!わーい!空の旅だね!」
「ほらほら、みさっちあまりはしゃぐとワイバーンからおちちゃうよ。」
「はい、このワイバーンで次の町まで約半日ほどですね、通常の冒険者ならレベル上げをしながら2~3日かかりますが・・・僕はともかくみさっちさんたちはその必要がありませんので。」
「そっか、じゃあショウ君だけ歩きでいいよね?」
「そうだね、ショウはダッシュで行ってもらおうか?」
「ちょちょちょ!まってください!そんな無茶苦茶な!」
「「冗談だってば」」
二人ならもしかしたら本当に走らされるのでは?とショウは心の内でひそかに思う。本気で走らされる前にシュウはワイバーンの首後ろの操作席に乗り美沙たちは背中に取り付けられている椅子に座った。
「それでは行きますね!」
ショウが手綱をとりワイバーンが空高く舞い上がる、初めての体験に三人のテンションが一気に上がる。
「マリ!すごいよ!わたしたち空飛んでるよ!」
「初めてワイバーンに乗ったけどこんなに気持ちいいとはおもわなかったね~」
「ぼ、ぼくもはじめてなんです!しかも操作席なんて!とにかくがんばります!」
「もっとスピードでないの?クーちゃんの方が早く飛んでる気がするんだけど。」
「しかたないですよ、クーさんは上位神獣でワイバーンは一般的なモンスターですから、赤ちゃんとはいえクーさんのスピードはそこらのモンスターじゃついていけませんよ。」
「そっか~、クーちゃんと同じスピード体感できると思ったのに・・・そうだ!いいこと思いついちゃった!」
「「なんか嫌な予感するんですが。」」
「えへへ~、このこを進化させちゃえばいいんだよ!」
「そんなことできるわけないでしょ!モンスターは進化しません!」
「えーそんなことないよー、こうでしょ・・・・えい!」
「ちょ!みさっち!」
「え?!みさっちさんなにを!?」
「んとね、スキル使ったの私のユニークスキルで『望むもの』っていうやつ?」
美沙が平然と言い放ったスキルはその名の通り生物だろうが無機物だろうがお構いなしに美沙の望む通りの進化をさせるとんでもスキルであった。そのスキルのおかげで美沙たちが乗っているワイバーンがいきなり進化を始めたのだからショウとマリは気絶しそうになる、一瞬で進化を終えたワイバーンは通常モンスターの領域を超えてなんと神獣クラスまで進化を遂げていた。ワイバーン改めワイグラーノと進化したのである。そしてワイグラーノとなったワイバーンは一つの能力に目覚めたのであった。
「これは・・・どういうことじゃ?私は一体・・・なにがあったのじゃ?」
「「「ワイバーンがしゃべったー!!」」」
「これこれ、私をこんな風にしたのはそなたではないかじゃ。」
「ま、まさかしゃべるとは思わなかったので。」
「ふむ、確かに私もしゃべれるようになるとは思わなかったのじゃ。」
「しゃべるワイバーンなんてみたことも聞いたこともないわよ!みさっち、あんたなにしてんのよ!」
「わたしはもうワイバーンではないのじゃ、神獣ワイグラーノなのじゃ。」
「し、し、神獣・・・僕が買ってきたのはワイバーンだったのに・・・神獣だったんだ・・・」
「現実逃避は体に良くないのじゃ、前を向いてちゃんと手綱を握ってほしいのじゃ。」
あまりの出来事に脳がオーバーヒートを起こしたショウ、呆れ返って遠い目をするマリ。またやってしまったとベロをペロッとだして頭をかく美沙。そんなこんなしているうちに神獣となったワイグラーノのスピードで半日と掛からず水の都アクアモーラルについたのである。緑色のワイバーンと違い、神獣とかしたワイグラーノは金色に輝くドラゴンに酷似した姿となっている、もちろん世間一般でこんな姿を見られるはずもなくアクアモーラルで噂となることは間違いなしであった。
「そういえば、来るときにちらっと見えたあの湖が今回の目的だよね?」
「そうなりますね、今回の僕らの目的はあの湖の中にあるお城に本当に魔王が存在しているのかどうか?ということですので。」
「ところで、私はどうしたらいいのじゃ?このままではめだってしまうのじゃ。」
「みさっちのちからで人間にでもしてもらえば?」
「ふむ、姿を変えればよいのじゃな?そうなると私のパートナーが必要になるのじゃ。」
「なんで人型になるのにパートナーが必要なの?まぁそれならマリでいいんじゃない?」
「ん・・・わたしは・・・・やめとくよ。今回はショウが契約しなよ。」
「では、私のパートナーとして契約するのじゃショウ殿。」
「え?あ、はい・・・って契約したら僕死んじゃうかもしれないんですよね!」
「あ、それなら大丈夫。今回は意思疎通ができているから、危険はないはずだよ?ねぇ?マリ?」
「あ・・・うん、ダイジョブだよ。」
「では、ショウ殿、わが主としてわが力を汝に汝の力を我に・・・」
「ねぇマリ?何かあったの?」
「べつに~、ただ気が乗らなかっただけよ~。」
「ならいいんだけどさ、ちょっと様子がおかしかったかな~って。」
「契約終わりました。で、こちらが人型のワイグラーノさんです。」
そこには絶世の美女がいた、金髪の髪を腰までなびかせ、ふくよかな胸、きゅっとしまったウエスト、張りのあるヒップ、なぜかミニスカメイドの格好をした絶世の美女が。なぜそうなったのか。誰も知らない謎である。いろいろなことが起こりすぎて、一度整理をしたいとマリが半ば強引に宿屋に入り会議という名の新しい仲間の歓迎会が今始まったのである。
・・・あれ?冒険は?と思ったのはショウとクーのふたりであった。
いつもいつも読んでいただきまして誠にありがとうございます。
次回こそ!水中ダンジョンをかいていきたいとおも・・・おも・・・おもいます!
こんごともよろしく!