表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/77

第三話「伝説の剣って・・・しょぼくない?」

始まりの町にて美沙が伝説となります。そして伝説の剣が・・・

第三話「伝説の剣って・・・しょぼくない?」


魔王城を後にした美沙たちは始まりの町という町に来ていた。距離でいうと、日本とブラジルぐらいの真裏の位置にあるがこの異世界「グリモアール」は地球の2倍の大きさがあるため距離も2倍と考えてもらっていい。え?どうやってそんなにすぐに遠い町に行けたのか?それは美沙の魔法でゲート召喚魔法(どこでもド○)のようなもんがありますので。というわけでこの世界初の魔王城と賢者の家以外の場所に来た美沙、今までと違い華やかな町に見惚れていた。


「ほぇぇぇぇーーー!」


「ほらみさっち!こっちこっち!この宿のご飯がすごく評判なんだって!」


「あ!まってよマリ!私こんなとこ初めてだから迷子になっちゃうよ!」


「あほ面下げて見物してるからでしょ、お嬢様・・ププッ」


「あほ面・・つかひどくない?!ってかのそ笑やめろ、いくら私が優しくてもそろそろ本気でキレるよ。」


「ちょっと!みさっち!駄目だよそんな!街中で魔剣に手をかけるなんて!え?いや!うそでしょ?!時間魔法とか反則だし!ご!ごめんなさい!許して!重力2倍とか普通に歩けないから!」


少しキレた美沙さんがなにやらマリにお仕置きをしたようだった。この町は始まりの町、伝説の勇者が生まれ育った町で伝説の剣が安置されている。伝説の剣はよくある石の台座に刺さっており、剣に認められたものしか抜くことができないというありふれた剣だった、ちなみにチャレンジ料金は一回200Gである日本円にして2000円ほどの料金だ。


「ねー、マリさーあれなんなの?ラーメン屋の行列?」


「あのね、みさっち、この世界にラーメン屋はないの。ってかそのラーメンってなに?おいしいの?」


「え?!ラーメンないの?!町に来たら食べようと思ってたのに…こうなったらいつか作ってやる!」


「はい!はい!はい!それ私の分もあるんだよね?私にも食べさせてくれるんだよね?!」


「え~・・・どうしようかなぁ~・・・」


意地悪そうに美沙がマリをからかう、それよりも気になっているのは目の前にあるラーメン屋のような行列。ゆうに200人を超える行列だ。


「あ~あれね~・・・みさっちもやってみる?勇者検定。」


「勇者検定?なにそれ?」


「勇者の資質があるかどうかを見てくれるんだよ、魔王退治は勇者の仕事だからね。」


「えー!じゃあやらなきゃだめじゃん!パパを退治するのになんで資格が必要なのよ!何この世界!」


「とりあえず人が少なくなる夕方にもう一度来ようか、荷物もあるし宿屋で時間つぶそうよ。」


「あ!そうだマリに聞きたいことあったんだ・・・クリスタルの卵のこと。」


「クリスタルの卵?それってまさか・・・」


そんな話をしながら宿屋に向かう。宿屋はランクがあるらしく、一番下は馬小屋、ノーマルは小汚い部屋、高級はスイートルーム、最上級はVIPとなっている。もちろんその部屋によって金額が全然変わってくるが美沙とマリは迷うことなくVIPを選ぶ。ちなみにこの世界、通貨もあるがあまりに高級な場合はそれに見合った宝石などでも代用がきく。宿屋などの高級志向のお店には大体が鑑定士がいてごまかしがきかないようになっている。

美沙たちはチェックインのためロビーにいると一人の女性に声をかけられた。


「いらっしゃいませお客さま。当宿屋のコンシェルジェを務めさせていただくシェリーと申します。わからないことがありましたら、何でもお聞きください。」


「すごーい!本格的じゃん!初めて見たよコンシェルジェ!」


「わたしも・・・マリあんた賢者のくせに安宿ばかり止まってたんじゃないの?」


「あ゛?なめてんの?普通にVIPとか止まってますけど?」


「そんなことよりシェリーさん、ラーメンの作り方は?」


「そんなこととか・・・最近みさっちの私に対する扱いがひどい気がする。ってかラーメンなんて知らないに決まってるじゃんン!」


「かしこまりました、ラーメンでございますね。この世界にラーメンというものは存在しませんが、発音が近いものであれば、ファーメンというものがあります。小麦を原料に麺を整形してスープに浮かばせ、好みで味をつけて食べるというものです。」


「思いっきりラーメンなんですけど!それ食べたくて仕方ないんですけど!」


「ファーメン?わたしもきいたことないなぁ・・・。」


「ファーメンは先日異界よりもたらされた書物を当宿のコックが読み解き、完成させたものと聞いておりますので、まだ世間一般には出回っておりません、あとでお部屋にお持ちしますか?」


「「是非!」」


自分たちの部屋に通されてファーメンが運ばれてきたころ、美沙はマリに亜空間収納倉庫を右手の人差し指についている指輪から呼び出し水晶の卵を見せた。水晶の卵は以前より少し大きくなっており今まさに生まれそうな雰囲気を醸し出している。


「この卵なんだけど。わかる?」


「これ・・・あんた何処で手に入れたの?」


「変な冒険者と変なドラゴンに託されました。」


「あんた、苦労してたんだね・・・ってか、これもう生まれるね。」


「うん、もう生まれそうだね。」


「おめでとう、世界を崩壊できる力を手にするみさっち。」


「はぁ?!なにいってるの?私そんなことしないし!ってか物騒なこと言わないでよ!」


「いや、本当だよ、この卵は『神竜・エンシェントクリスタルドラゴン』の卵だから。」


「は?なにそれ?」


「世界の終末を呼び起こせる力を持ったドラゴンだよ、魔王よりも厄介な存在です。」


ピキピキ・・・


「みさっち・・・覚悟決めなさいな。もう、生まれるし。もうこの世界は終わりだね。あはは・・・」


「っちょ!マリ!遠い目をしないで!あ!殻が割れる!生まれちゃう!あ!あ!あぁ~っ!」


「キュィ~!」


卵が割れて中からプラチナの小さなドラゴンが現れた、翼が透明でクリスタルのような輝きを放っている。

くりくりした目には美沙がしっかりと映し出されていた。首が長く前足が短く二足歩行も可能な小さなドラゴンが美沙に飛びついた。


「ふぁ!?ちょ!え?」


「あらあら、インプリティングされたようだね。」


「え?!インプリティングってあのヒヨコが初めて見たものをってやつでしょ?!」


「そうそう、ドラゴンもそういった習性持ってるのよ。だからその子の母親は間違いなくみさっちだよ。」


「キュ~イ~♪」


「え~・・・まぁかわいいし、いっか!よろしくね、クー!」


「え?!あんた名前考えてたの!?しかもクーってクリスタルだから?!単純思考すぎじゃない!?」


エンシェントクリスタルドラゴン・・・クーは美沙の頭にしがみつき長い首を美沙の顔の前にだら~んと垂れていた。クーの首を暖簾を分けるように右手で持ち上げ首をなでなでしていた。


「みさっち、今のうちにテイムして、その子と主従契約を結んでおきなさい。あとでしようとしてもできなくなるから。」


「え?どうやるの?」


「頭の中でクーに話しかけるの、認めてもらえれば二人の手に同じ証が浮かび上がるから。」


「やってみる!・・・・」


「キュィ~・・・」


二人の右の手の甲に六芒星が浮き上がり輝きだした。これこそ主従関係を結んだ証しである。


「はぁ・・・こんな風にテイムってやるんだ。」


「そう、でもね。」


「でも?」


「生涯でテイムできるのは1回だけ、テイムにしゅぱいすると命取りになることもあるから、気を付けてね。」


「なんでそれ先に言わないの!?下手したら命取りになるところだったじゃん!気をつけろって意味が分からないんだけど!?ねぇ!何にこれから気をつければいいの!?」


「そんなことよりもさ、もう夕方だしさっきの所に行ってみよ」


「そんなこと・・・そんなこと・・・最近マリが私の扱い方が雑になってきている気がする件」


二人揃うといつでもどこでもぎゃあぎゃあ騒いでいるがはたから見ると姉妹が仲良く話しているようにもみえる。実際小さい時から毎日のようにあっている二人は本当の姉妹と思っている。時には姉妹であり、時にはライバルであり、時には親友。そんな二人はいつもどんな時でもいっしょである。・・・え?賢者の歳?・・・細かいことは気にするな!それワカ○コワ○チコ!本人いわく永遠の17歳と言っている。


「キュイ~!」


「クーちゃんそんなに急がないで!今いくから!」


「しっかりお母さんやってるねニヤニヤ」


「クーちゃんかわいいから~ニコニコ」


「あ、見えてきたよ、勇者検定所。」


「ほんとだ!マリ早く行こうよ!」


200人もいた行列はすでに5人ほどになっていた。この5人も勇者をめざし頑張っている人たちなのだろう。


「はい、次の方は冒険者カードを用意してお待ちください。」


係りの人がテキパキと説明をしていく。何でも勇者とは世界に1人だけではなく何人もいるとのこと、その中の一人だけが台座に刺さった剣に認められるとのことだた。


「はい、ミサーラさんですね、駆け出し冒険者・・・おや?すでに勇者の職業がついてますね。」


「はい!打倒パ・・・魔王を目指しています!」


「では、その奥の剣を一度握って引き抜いてみてください。抜けたら真の勇者として改めて認定をさせていただきます。その前に、その頭に乗っているドラゴンはあなたのですか?」


「え?あ、はい私のテイムしたクーちゃんです。」


そういって手の甲にあるしるしを見せる。


「そうでしたか、ドラゴンをテイムしている方を初めて見たもので。」


「そうなんですか?」


「えぇ、ドラゴンは非常に珍しいですからね、この辺にはほぼいませんし。おっと、話が長くなってしまいましたね、どうぞ抜いてください。」


いざ美沙が剣を抜こうと手をかざしたとき町の入り口から悲鳴が上がった。

入口を見るとマダーファングの群れとキンググリズリーが数体で群れをなし村人に襲い掛かっていた。

非常事態に現場周辺はパニック状態で冒険者も駆け出しばかり、戦うにも戦い方がなっておらず負傷者が増えるばかりであった。そんな冒険者の中にも多少は渡り合えるものもいたが力尽きるのは時間の問題であった。が、次の瞬間誰もが見違える光景を目にした。


「はぁぁぁぁぁ!!」


閃光の様に走り抜け両手に剣を持つ少女、美沙である。片手には魔剣が、片手には伝説の剣が握られていた。バタバタと倒れていく魔物、勇者の誕生に沸きあふれる街、伝説の勇者が生まれた瞬間であった。

モンスターの中にひときわ目立つ危険な存在がいた。『魔人族』魔物と人間の混血ともいわれているが純粋に悪魔モンスターとして今は確立されている。事のありさまを見てやばいと思ったのか逃げ出そうとしていた。


「一匹逃がしちゃった・・・てへ☆」


「そんなかわいく言ってもだめよ、この惨状おさまりつかなくない?」


美沙とマリの周りを囲むように町の人たちが集まっていた。


「女神様~~~~!」


「閃光の勇者様~!」


「おねーさまー!」


「結婚して~!」


いろいろな声が飛び交う。その中で一人だけ悲鳴を上げていた女性がいた。勇者検定所の受付の人だ。


「いやぁぁぁぁ!伝説の剣が!伝説の剣がぼろぼろに・・・!」


美沙がふと伝説の剣に目を向けるとところどころひびが入り刃は零れ落ちて無残な姿になっていた。


「伝説の剣って・・・しょぼくない?」


剣のありさまをみてマリが追い打ちをかける。


「駄目だよ、マリ。こんなのでも伝説の剣(笑)だよ、伝説の剣(笑)」


二人の会話に受付の人が怒り心頭で言い寄ってきた。


「しょぼいとか言うな!(笑)をつけるな!伝説の剣なんだぞ!」


「だってこの伝説の剣(笑)さー、あれぐらいの数の魔物でこんなになっちゃったんだよ?それに比べて私のもともとの剣はほら・・・ね?刃こぼれ一つもないでしょ?」


「それ使わないでほぼ伝説の剣で切ったからでしょ!!っていうか伝説の剣ぬけたの!?」


さすがにパニックになりすぎているのでマリが村全体に睡眠の魔法を施した。とりあえず美沙とマリとクーは宿屋に戻り、今後の対策を練ることにした。


「おかえりなさいませ、美沙様、マリ様・・・お連れ様?」


「あ、この子私のパートナーでクーちゃんです。」


「エンシェントクリスタルドラゴンをテイムするなど、さすがでございます美沙様。」


「ありがと・・・ってなんでシェリーさん寝てないの?っていうか、クーの種族知ってるの!?」


「コンシェルジュである私が不意打ちとわいえ眠るなどできませんので、そしてクー様に関しましては文献より思い当たる存在が一つだけでしたので。ごゆっくりお部屋でおくつろぎください。」


「「コンシェルジュって世界最強の職業なんじゃないかと思う件」」


こうして伝説の剣(笑)が美沙のものとなった。



駄文、間違い等ありますがお読みいただきましてありがとうございます。

美沙の冒険はまだまだつづきます。

次回・・・・まだ何も考えていませんww

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ