表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/17

11 登録

 傭兵組合(ギルド)の入り口を潜った私に、複数の視線が向けられた。

 思わず硬直してしまったが、ほとんどの視線はすぐに無くなり、真ん中の方でで掴み合っている男達に向けられた。

 どうやら喧嘩の真っ最中に鉢合わせたらしい。

 このタイミングで扉が開けば、そりゃ皆こっちを見るよね。


 「てめぇ、もう一度言ってみやがれ」

 「何度でも言ってやるよ、万年Dランク野郎」

 「てめぇだって3日前まで、Dランクだったじゃねぇか」


 たがいに罵り合いながら、派手な殴り合が始まった。

 巻き込まれるのは面倒なので、男達から一番離れた受付カウンターに向かう。

 そこで事態に呆然としている若い受付嬢に話しかける。

 


 「すみません。 ちょっといいですか?」

 「は、はい! どのようなご用件でしょうか?」

 「傭兵組合(ギルド)に登録したいのですけれど」

 「登録、ですか?」

 「そうですけど、何か問題が?」

 「い、いえ、問題ありません、大丈夫です」

 

 登録の辺りで怪訝な顔をした受付嬢を軽く睨むと、慌てて登録の手順と傭兵組合(ギルド)の規約を説明し始めた。

 登録するには名前などの情報を紙に記入し、登録料として銀貨1枚を払えばいいとのことだ。

 傭兵組合(ギルド)の規約は長々とあったが、大事な部分を簡単にまとめるとこんな感じだ。

 

 1.傭兵のランクは依頼の成功数や貢献度により、上からA・B・C・D・Eとなる。

 2.依頼にもランクがあり、自身のランク以下のものまでしか受けられない。

 3.傭兵同士の問題に傭兵組合(ギルド)は基本的に干渉しない。

 4.依頼で負傷または死亡しても、傭兵組合(ギルド)に不備が無い限り責任は持たない。

 5.一定の期間内に依頼を受け、成功させなければ登録を抹消することがある。

 

 まだいろいろあるが、だいたいこんな感じだ。

 それと依頼を受けてなくても、買取などはしてくれるらしい。

 突然魔物や盗賊に、遭遇することもあるからだそうだ。


 渡された用紙に名前・年齢と、出身地などの簡単な情報を書いて受付嬢に渡す。

 一応内容は正しいものを書いた。

 咄嗟の時とかに反応できないと困るし、知られても問題のない情報ばかりだしね。


 「お名前は……クレアさんですね」

 「ギルドカードが出来るまで、少々掛かりますので少しお待ちください」

 

 受付嬢から引換券をもらい、傭兵組合(ギルド)の隅に移動する。

 傭兵組合(ギルド)の中央で喧嘩していた男達は、互いにボコボコになりながらも、まだ殴り合いを続けていた。

 本当に傭兵組合(ギルド)は傭兵同士の問題には介入しないようだ。


 傭兵組合ギルドの職員は見ているだけだし、周りの傭兵達は面白がって賭けまで始める始末だ。

 煩いから早く終わらないかなと思っていると、男達の拳がお互いの顔面にめり込み同時に倒れた。

 両者続行不能で引き分けとなったところで、受付に呼ばれたのでギルドカードを貰いに行く。


 「お待たせしました」

 「これがクレアさんのギルドカードになります」

 「ありがとうございます」

 「依頼は本日から受けられますので、決まりましたら依頼用紙を受付までお持ちください」


 ギルドカードは四角い形をした金属のプレートで、紐を通せる様に小さな穴が一つ空いていた。

 左側に名前と出身地などが書かれ、右側にランクが書いてある。

 当然だが私のギルドカードにはEの文字がある。


 このランクじゃ魔物相手は、せいぜい<緑の子鬼(ゴブリン)>の討伐依頼程度しか受けられないし、大きな町にある傭兵組合(ギルド)の書庫も使わせてもらえないらしい。

 今すぐ手に入るのは受付で聞くことの出来る魔物の簡単な情報のみだ。


 さすがに最低ランクの傭兵が受けれる依頼や得られる情報で、たいしたものは無いよね。

 とりあえず書庫が使えるCランクまでは、さっさと上げておきたいな。

 

 さて、傭兵組合(ギルド)ですることはあらかた終わった。

 この町に来たばかりだけどすることないし、目的地の<ウォーレル大森林>に向かおうかな?

 焦りは禁物だけど、のんびりもしたくないんだよね。

 

 傭兵組合(ギルド)で聞いた情報によると、<ウォーレル大森林>の近くの町まで馬車で2日半ぐらいらで、狩場としてそこそこ人気らしい。

 お金も稼げて私の強化もできるなんて、まさに傭兵稼業は私にぴったりだね。


 早速とばかりに傭兵組合(ギルド)を出て門に向かい、預けていた馬を受け取る。

 それほど時間が過ぎていなかったので、馬の料金は安く済んだ。

 あと1~2日預けていたら文無しになるところだったよ。

 馬って結構餌代が掛かるんだね。


 まあ、食事に関しては私も他人の事言えないけどね。

 私の正体は食欲の怪物だからな~

 体格の割にいっぱい食べるし、お腹が空くとその辺の通行人が”おいしそう”に見えてくるのだ。

 

 もともと<愚かなる暴食(フールグラトニ―)>事態が悪食なこともあり、空腹時は食べれそうな物ならなんでもおいしそうに見えてしまうのが困りものだ。

 おいしそうに見えても、汚いおじさんとかあまり口に入れたくないしね。


 

 くだらないことを考えてる内に門を出たので、馬に跨ると何か言いたげにこっちを見てきた。

 なんだよ重いって言いたいのか馬のくせに生意気な奴め、文句があるなら今日の晩御飯にするぞ。

 

 少しイライラした私の気持ちを感じたのか、慌てて馬は<ウォーレル大森林>方面へ向かい走り始めた。


全然話が進まない。orz


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ