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寵愛されたこのセカイ  作者: uno
一章 始まりの闘い
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モギセン

「あぁーだりぃだりぃ。なんでそんなにやる気満々なのかねぇ。このオレに負けるのが分かってるのによぉ」


そう自信に満ち溢れた態度でハルト達に言葉を放ったのは魔族のエル・デルデ・ブリューナクだった。魔族の中でもかなりの寵愛を受けていると噂になっている男である。身長は190センチあり、瞳は漆黒。髪の毛は赤紫の様な色をしているショートミディアムだ。彼ら魔族は額に二本の禍々しい角が生えており、色や形、大きさにより魔力量が変わるらしい。


「ハルトくんさぁ、今日こそ君の寵愛見せてくれよぉ」


「寵愛」


この世界には寵愛という個人が生まれながらにして持っている能力の名称である。生まれつき1人に1つと決まっており、能力は様々。この世界において寵愛と魔力量が戦局を大きく支配する。


「おいおい、まだ模擬戦は始まってないんだ。ちょっかいだすなよ。エル」


「そーだよブリューナクくん。よくないよ・・・相手を挑発する様な言動は・・・」


そう仲裁に入ったのエルフ族のカスカ・テトラと

弱気な性格が言葉からも分かる獣人族のウサギの耳を生やしたナズナ・ズーリッヒだ。

カスカは如何にも優等生といった感じの顔で、瞳は深緑の色をしている。身長は175センチの銀髪ショートヘアだ。

ナズナはソバカス顔でいつも下ばかり向いている。争いごとがあまり好きではなくいつもエルに付き合う形で模擬戦に参加させられている。瞳の色は紫色をしていて、銀髪のロングヘアーをおさげのように束ねている。身長は158センチと小さくもなく大きくもないという地味な獣人族の少女だ。


「そーだな!エル!今日こそはどっちが強いのか決めようぜ!」


お互い視線を合わせながらライバルといった空気が流れていた


「それではこれより第50回領主候補選別模擬戦を開始する!例年どうり3人1組のチームとなり同じ種族同士で組むのは違反となる!それぞれが寵愛と魔技を用いて切磋琢磨し、ポイントを稼いでくれ!」


この模擬戦は勝ったチームは加点1点、負けたチームは減点1点の総ポイントが高いチームによって順位付けられる。10位まで入賞したチームには領主候補と認められ、自国の領主候補戦に出られるのである。この模擬戦は年齢制限が18歳から20歳までと決まっており、領主候補戦も出られるのは18歳から20歳までと決まっているのである。たまに年齢制限の例外対象となる者もいるが今回の模擬戦の参加者みな18歳以上の異種族成人なのである。


この世界において18歳以上が種族関係なく成人とみなされる。


「今回は気合いが入っている連中が多いみたいで50チームまで組まれる人数になっているはずだ!お前ら!これは異種族交流の場でもある!それぞれが種族同士の個性を理解するのもこの模擬戦の目的の1つだ!仲良くしろよ!」


と大きな声で言ったのは竜人族のマミタスだ。彼女はああ見えて30歳らしく見た目は130センチの蒼いショートヘアで金色の瞳の色をしている幼女。胸もない。ただ恐ろしく強いらしく腕相撲なら負けなしと言われるほどの腕力の持ち主だ。また、彼女の寵愛は“マグナス”というもので5秒凝視したものを3秒硬直させるという能力だ。かなり恐ろしい能力で指導員に向いているとされ選抜された。


この模擬戦の歴史は毎年領主が変わるためのものではなく、当代の領主に闘いを挑む権利を得るというのを目的としている。50年前に5国それぞれが安定した領主を得ることで今の均衡が保たれている。それを維持するために強力な領主を各国は得るために領主協会という団体を作り、模擬戦、領主候補戦を管理しているのである。


「今回のバトルステージはここ北の国のファイアスの南部位置される訓練所が管理する超森林ジャングルだ!我々協会が上空!地中!水中!この3点よりモニタリングする!勝ちの条件は参った言わせること!負けの条件は参った言うことだ!負けたチームは闘いの権利を60分失う!24時間この超森林ジャングルで過ごしポイントを他のチームより多く稼いでくれ!」


とクソ長い前置きに聞き飽きていたハルトにむかってマミタスは寵愛を使った


「てめぇ!人の話はちゃんと聞こうな?私だって好きでこんなことしてねぇんだよなぁ。」


とかなり怖い笑みを浮かべてその凝視を受け止めるハルト


「すみません!ちゃんと聞いてます!指導員殿!」


口だけは辛うじて動かせるので誠実に訴える18歳のヒューマンである僕だ


「よろしい。それでは始めようかチビちゃん達!てめぇら死ぬ気でやれよ!模擬戦スタートだ!」


ようやくちょっとバトルっぽい雰囲気になったなとハルトは現状を噛み締めてるのであった。


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