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過去へ跳んだ少年  作者: 奏
1/2

xxxx年

世界は酷いありさまだった。

食糧のが不足し始め治安も悪くなる一方で、貧富の格差が広がっていた。

第5次世界大戦

全てはそれのせいだった

50年ほど前のことだ。

人類はタイムリープマシンの開発に成功していた。

初めは薬品として服用し効果は時間で切れるものだったが今では人の体にチャージし回数で決められるようになっていた。

まぁそんなものが開発されれば案の定世界を自分たちの国のものに、ひいては自分のものにしようとするものが現れる訳で。

タイムリープマシンが完成した直後にできた世界法なんてものも無視で各国は裏でやりたい放題だったらしい。むやみやたらに過去は書き換えられていき僕らの世界は悲惨なことになった。最後には世界の現状を他国のせいだと各国が言いはじめそこから瞬く間に戦争に発展していった。その戦争が世界的な被害をさらに加速さえていった。

終戦してもそれは元には戻ることなくただただ疲弊していくばかりである。

終戦してから25年。

タイムリープマシンは一般人に販売もされているがすべて国が管理している。購入にも国の審査が必要となった。

終戦直後よりは多少はよくなったかなという時代に俺は生まれた。

良くも悪くもない普通の家庭

普通に親がいて普通に食事をして普通に友達と遊んだ毎日だった。


とある休日、父親が自分の仕事場へ俺を連れて行ってくれた。

父は絵描きだった。これまでは父が何をしているのか全く知らなかったのだ。

俺に見せたい絵があるとか言って部屋の奥の方へ行きそれを慎重に持ってきた、目の前に持ってこられたそれにかけられた布におずおずと手を伸ばしそっと取る。

それは一瞬で俺の心をとらえて離さなかった。

まるで母が何かをやさしく包んでいるような絵、言葉にはできない感情・・・しかし何かが足りない気がした。


父はこの絵は真似をして描かれたものだといって1冊の本を見せてくれた。

そこに本物の絵は乗っていた。確かに目の前の絵よりすごいの一言に尽きるものだったがやはり何かが足りなかった。


本物が見たい。

すぐさま父にそう頼んだが父は首を振るだけだった。

父は悲しそうな顔で「もうこの世界には存在しないんだ、最後に確認されたのはもうずっとずっと昔のことなんだ」

その4ケタの数字に俺は愕然とした。

いくらタイムリープマシンがあるとはいえあれは高すぎて普通の家庭には買うことはできない。

俺はこの絵の本物を一生見れないのかとひどく落ち込むばかりだった。


あの子がこうだったらいいなぁ・・・

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