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乳児編 4. 迷い込んだ魔物

 この世界に来て、二ヶ月ぐらいの時が過ぎた。


 今日も今日とて、読書である。

 必死に文字を見ようとしてきたのが功を奏すしたのか、ある程度、文字の線が見えるようになってきた。視力で言ったら0.2はあるのではないだろうか?

 まだ、細かい文字は難しい。


 文字といえば、絵が付いているおかげで言葉も次第に覚えてきている。絵に書いてあるものが、どういった言葉で表されるかを大雑把にだが。

 他には、体から感じる魔力のようなものを意図して動かせるようになった。これも、できることがない時動かそうとし続けた努力の賜物だな。


 ガチャ

「アーネス〜、******」


 おっと、そうこう考えているうちに母上が入ってきた。

 会話などを注意深く聞いてみたら、どうやら俺の名はアーネスと言うものだったらしい。家名はなかなか聞く機会がないため、まだ正確にわからない。


 部屋の中に入ってきた母は、せっせと俺を持って背負い始めた。何処か行くのだろうか? 何処へ行くのだろうか?

 普段母が出かける時は、メイドや乳母がいるため俺を連れて行くことはそんなにない。まだまだ、世界を知らない0歳児なのである。


 1回、街への買い物に連れてってくれたことがあった。その時はなかなか新鮮な思いもしたものだ。街中に魔法が溢れているということもあるが、何より人種の違いが目を引いた。

 その時見たのが、空想の中のエルフのような、外見がほとんど人間と同じような物語の人種ならば、街中で気づくことはなかったかもしれない。しかし、すれ違ったその男は、人とは外見を全く異にする人種だったのだ。


 彼の外見は、顔や手の皮膚が、鱗と柔肌で半分半分ぐらいに合わり、瞳は鋭く、口からは牙とも呼べるほどの犬歯が見えていた。そして何よりも、彼には尻尾があったのだ。その時はそりゃもう、ガン見してしまうくらい、好奇心をそそられた。

 彼は違った進化系を辿ったのか、それも人から突然変異したのか。疑問は尽きないが、このことは俺に異世界の神秘を感じさせてくれた。


 ともかく、俺はほとんど外出しないし、街の外には出たことがない。今日は街の外に出られるようにと願い込めながら、母の背に体重預けよう。

 しばらく、背に体重を預けていると暖かな風が吹き付けてきた。前回と比べて暖かくなっているような気がする。仮にここが四季のある場所ならば今はちょうど春と言ったところだろうか?


 母の向かって行く場所が、前回と買い物に行った時と違う。もちろん、教会の方向とも違う。これは期待出来そうだ。

 決して早足ではない。けれど、しっかりとした足取りで城壁の方へと向かって行く。城壁の高さは3メートルぐらい、上部に簡単な有刺鉄線が付いている。


 城壁の門の前には、門番が見えた。 母は丁寧に挨拶をすると、門番も礼儀正しく挨拶をする。 町の外に出るのは、顔パスのようだ。

 ついに、この世界に来て始めての街の外! 大自然を感じるようだ! 実際に感じるのは、母の背中の温もりだが。


 道は、一本道になっていた。しかし母はそちらの道に行かずに、左斜めに草原を突っ切って行った。

 最初は外に出られることに浮かれていたが、次第に本当にどこへ向かっているのだろうかという疑念がふつふつと浮かび上がってきた。


 この一ヶ月を省みるに、まさか俺をこんなとこに捨てて行くなんてことはないとは思うが、少々不安な気持ちになる。まだ生後二ヶ月ちょっとなのだから、不安になるのもしょうがないとも同時に思った。


 近くに林が見えてきた頃だろうか。急に止まったのを感じた。

 前を覗き見る。そこには、青い毛並みを持った狼のような獣の親子がいた。

青い狸ではないよ。


風景描写が少ないと思われた方も多いと思いますが、それは本文中でも述べたように主人公の視力に関係しています。

一般小説のような書き方になるのは、おそらく乳児編終盤か第二章幼児編からとなるでしょう。


中二→邪気眼→ダークネスアイ→アーネス、てなイメージ。

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