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動き出す時代

ゴロが悪いと思ったので題名が変わります。

また、中学二年生との区別をつけるため副題の中を厨に変更しました。

中二転生記 〜科学で異世界無双〜→中二トリップ 〜科学で異世界無双〜→中二転生記 〜厨二が科学で異世界無双〜

また、5/24.7/23にこの話を割り込み投稿しました。


第三者視点です。

 ディアス王国の首都ランディア。


 ここに日々出入りする馬車は、近隣諸国も含む都市の中でも図一。

 市場は朝早くから賑わい、商人たちはその弁を競い合う。

 街の中には巨大な教会があり、人々は精神の休息を求め足繁く訪れ祈りを捧げる。

 中心区では、貴族たちがお茶会を開き、情報交換をしながら親睦を深めていた。


 そんな賑やかな表の街から、ふと裏へと顔を向ける。

 そこには、奴隷の売買に非合法ギャンブルの地下闘技場。果ては、盗賊ギルド、暗殺ギルドなどの巨大犯罪シンジケートの拠点までもがある。

 これだけの設備を作るのに、一体いくら費用を必要としたか想像もできない。

 そこでは、人の人権は権力と金と力で守らなければならず、力無き『もの』たちは凌辱の限りを尽くされ、容易くその命を奪われる。

 権力者は欲望を満たし、商人は私腹を肥やし、犯罪者は我が物顔で徘徊する。

 それがこの町の裏の顔。


 輝かしい繁栄の裏に潜む巨大な闇。光と影。

 そういった二面性が、この街からは見て取れる。


 そんな都市のとある重要地区。

 そこで主人公が生まれる二、三ヶ月前、二人の女性が一ヶ月違いで身ごもった。


 先に身籠った女性は、たれ目がちなサファイアのような淡い青い瞳に儚げな美しさを持つプラチナブロンドの髪、純白の肌を持ち優しげな雰囲気の女性。


 もう一人は、つり目がちなキレのあるルビーのような燃え盛る赤色の眼。自己の存在を主張する豪華絢爛な美しさのブロンドの髪。そして、病的なまでの白さを持つ肌を持つ、気の強げな雰囲気の女性。


 互いにタイプは違えど、絶世の美女と言わしめることができるほどの美貌を持つ。

 国最高峰の美女二人を娶った人物は、この国で知らない人はいないてあろう人物。

 近隣諸国から遠方の国までにもその名を轟かせる人物。


 本当に魅力がある人間なのか?

 どうせ権力にもの言わせたんだろう?

 などと。


 その人物は、銀色の髪を持ち緑色の瞳からは知性を感じさせる。すこし黄色気味の白い肌は、彼が持つ人を統べるような威厳の中に少し優しい雰囲気を与える。


 彼らは、今回の出来事が国を揺るがすほどの騒乱の幕開けだとは、まだ知る由もなかった。




 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 それから約一ヶ月。

 二人は週を置かずに妊娠が発覚した。


 二人には一ヶ月の妊娠の差があったのに、なぜここまで近い日にちに妊娠が発覚したのか。

 それはには、理由がある。

 まず、プラチナブロンドの女性アニスは、生理が来ないことにより妊娠が発覚した。

 だが、ブロンドの女性カミラは、夫と閨を共にした後日には、必ずお抱えの魔術師による検査を行うようにして、子供の有無を分かるようにしている。

 つまり、カミラは妊娠から発覚まで日を置いていないのだ。

 彼女は元々大貴族の出であるため、お抱えの魔術師の一人や二人いるのである。

 その差であった。


 二人が同時期に妊娠したことで、国は一時、盛大なお祝いムードであったがそれはすぐに終わりを告げた。




 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 妊娠発覚から六ヶ月後

 宮中は冷戦のような危うさを保っていた。

 そんな中、事態は動き出した。

 今、二人の夫は隣国への訪問で留守にしている。


 仕掛けたのは、当然のようにカミラであった。

 彼女は、教会へ子供の安全と健康を祈るための訪問を利用しのだ。

 この儀式は、王家の赤子が妊娠して六ヶ月になったら行うもの。

 とりわけ神聖なものとして関係者以外、協会は立ち入り禁止。さらに、教会の周りを徘徊していても捕まることがある。

 

 教会への多額のお布施と称し賄賂を渡し、安全と出世を約束することでことで口封じと協力を仰ぐ。

 聖職者といえど、金な権力に目が眩むやつなどごまんといるのである。


 

 そして、儀式当日。

 カミラは、自室で抑えきれぬ笑みを必至に抑えようとしていた。楽しげに、アニスを教会へと送り出す。



 しかし、作戦は失敗した。

 カミラは、なぜだ! なぜだ! と叫びながら、部屋を手あたり次第荒らした。

 そして、子飼いのものから情報が手に入るのを待っていた。子飼いのもの曰く、手筈通り教会で賊が押し入ったはいいが、一人の若い神父が身を挺してアニスをかばったせいで失敗したらしい。


 全員買収したはずであったのに、なぜ助けられたのか。

 その理由は、その神父が幼き頃、身寄りのない子供であったときに、アニスによって救われていたからである。

 そんなことを、知る由もないカミラは怒り狂った。知っていても、怒り狂ったであろう。


 計画は失敗し、次の機会を待った。

 だが、機会が来ることは一度もなかった。

 一度危険な目にあったことから、王は妻二人の警備を厳重にしからだ。

 ならば仕方ないと、カミラは早く子を産むための伝承などを参照し、それを実行し続けた。



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 そして、二人の赤子がこの世に誕生した。

 それも同じ日に。

 僅かばかり、アニスのほうが早かった。

 二人は、クレアとルビーと名付けられた。

 朝にクレア、夜にルビーが生まれた。


 アニスは、二人に微笑みながらカミラに話しかけた。


「二人とも、元気ね。母親は違えど兄弟なのだから、きっと仲良くやっていけるわよね?」


「ええ、そうね。きっと素晴らしい家族になれるわ」


 カミラは、考えた。

 考え直した。


 第一王女でなくても、これからいくらでも地位を取り返せる。

 まだまだ、時間はあるのだからと。


 穏やかな会話の中でカミラは、静かに野心を燻ぶらせていた。

プロローグに入れたほうがいいと思ったため、割り込みで2話目に投稿させていただきました。

少し混乱するかもしれませんが、ご了承お願いします<(_ _)>

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