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憂鬱なミーティング

作者: 深水晶

 あーもーさぁ、ウンザリしちゃう。

 何なの、このタラタラしたオヤジの独唱・独演会。

 ハッ、これがミーティング?

 ミーティングって会議の事じゃないの?

 ってかさ、あたし、上司の高輪課長の代理出席なワケ。

 グータラ課長ってばさ、

『あ、悪ぃ。ミーティング忘れて接待ゴルフ予定入れちゃった。ミクちゃん、代わりに行っといて』

 むろんあたしは断った。

 だって部課長クラスが出る会議よ?

 なのに新入社員のあたしにどうして代わりが務まるのよ。

『いーから、いーから、出て話テキトーに聞いて報告まとめて出してくれりゃあ問題ないから』

 あんまりだ。

 だけど、実際出席して、ようやく判った。

 あのグータラ課長、あたしに面倒押し付けて逃げたんだ。

 最悪。

 いっそ何か発言しちゃおっかな。

 オッサンの声、単調で眠すぎるし。

 まるで読経。

 っつかさ、さっきからほとんど資料読み上げてるだけじゃない。こういう状況で、どうやって報告書が書けるのか。それが知りたい。

 本当、さっきからどうでも良い事しか話してないのよ。

 うたた寝するわけにはいかないし、シカトもできない。

 あ〜、もう、最悪。

「では、高輪課長代理の田代くん」

 ギクリとした。

「この懸案事項に関して、何か意見質問感想はあるかね?」

 ただの代理出席なのに、余計な責任・問題抱えたくない。

「特にありません」

 ミーティングは進展もトラブルも何もないまま、無事に終会した。

 ほっと息を吐きながら、会議室から出ようとした時に、あたしは信じられない事を聞いた。

「しっかしさ、この定例会議ってやる意味あんの?」

「そうだよな。毎回八割が代理で、ろくな発言ないよな」

「上が面倒臭がりだから仕方ないけどさ、こんな事してたら、いつかこの会社、潰れるよな」

「ハハハッ、まったくだな」

 そう思うなら、なんとかしろよ! アホ社員!!

 蒼白になったあたしは、その日の内に、履歴書と求人情報誌を購入し、辞表を書いた。



「へ? やめるの? なんで?」

「一身上の都合です」

「またかい。なんでかやめる子、多いんだよな。なんでだろ?」

 グータラ課長は首を傾げた。



The End.


皆が「責任取りたくない」とか言ってたら、会議どころか業務事態成り立たないよなと思いつつ。


私は会議の報告書を書くのが非常に苦手で憂鬱でした。

特に法令名とか七文字以上の漢字で構成された言葉が出てくると、怪しかったり。


事務職だったので

「いかに手を抜いて楽して効率的に仕事をするか」

「業務を特化せずにフレキシブルに行えるように改善する」

「業務内容を完全マニュアル化する」

「月間および年間スケジュールをきちんと立て公開する」

「可能な限り、社内の誰が見ても判るような形で、オープンな業務が遂行できるようにする」

(隠蔽・ごまかしができないような手順・方法にする)

事に熱意を傾けていました。


どんな仕事でも何か目的や指標があると、楽しいと思います。

私的には「いかに楽して効率的に仕事するか」が一番重要な要素でした。

それをやるついでにその他が派生。

マニュアルは作ってしまうと楽ですが、出来上がるまでは大変だった気がします(自業自得)。

でもマニュアルって読んで内容が理解できないと意味はないんですが、完全に理解してしまうと不要になるので「実は無意味なんじゃないだろうか」と悩んだ事があります。

しかも作ってもすぐ古くなるから改訂というかマメな修正を行わないと、使えない……。

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― 新着の感想 ―
[一言] こんな会議をしているようでは、確実につぶれますね。実はその間に、別のところで本物の会議が行われていたりして。
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