ゲーム禁止令(小学校6年生ぐらい)
私が小学生の頃、ちょうどファミコンが大ブームだった。
特にマリオが子どもたちの間でも大人気。
私も2歳下の弟も、マリオのシリーズは大好きだった。
私が小学六年生ぐらいの頃、我が家にファミコンがやってきた。
ファミコンではなく、ニューファミコンなのだが、覚えている方いるだろうか?
さらに、同じぐらいの時期にゲームボーイもゲット。
これもひとえに、弟が、「スイミングのテストに合格して昇級したらファミコン買って」と、両親に交渉していたからである。
そして、弟はぐんぐんと水泳が上達し、上級クラスに上がってしまった。
弟いわく「だって、ファミコンとかゲームボーイとかスーファミとか買ってもらえるの嬉しいし」だそうで。
ゲームの力は偉大である。
そのため、ゲームで遊びたい時は、弟に一言断るのがマナーであった。
まあ、姉弟ケンカ中とか弟が先にやりたいゲームがない限り、よほど断られなかったが。
私も弟も、それなりにゲームにはまったが、熱心に遊んだのはゲームボーイ。
それ以外のゲームはガッツリはまることはなかった。
その理由は、当時は私も弟も外で遊ぶの大好きだったからだ。
当時も私は健全な子どもだったなあ。
外に出て近所の友だちと遊ぶよりも楽しいことを知らなかった。
ある日、近所の子からドク〇ーマリオのゲームを借りた。
私と弟は、嬉々としてプレイした。
母は、基本的に私たちに、「ゲームはダメ」とは言わなかった。
ただ、母も積極的に混ざるタイプではなかった。
ドク〇ーマリオが家にやってくるまでは……。
プレイ画面を見ていた母が、こう言ったのだ。
「面白そうね。ちょっとお母さんにもやらせてよ」と。
私と弟は、母にコントローラーをゆずった。
すると。
ものの数分で、母はゲームにはまった。
その日、母は夕方になってもドク〇ーマリオをプレイしていた。
さすがに心配になって、私と弟は母に言う。
「ねぇ、お母さん。ご飯の準備、そろそろしなくていいの?」
「んー。ちょっとまって」
母は完全にドク〇ーマリオにハマっていたのだ。
もちろん、その日も母は晩ご飯を作ってくれたし、食べる時間が遅くなったわけでもなかった。
だけど、私と弟は知っている。
ドク〇ーマリオにハマっている最中の母が、なんかちょっとおかしいことに。
今ならわかる。
夢中になると、「ちょっとまってー」と返事しがちなのだが。
私も弟も母のこの姿を見たことがなかったので、戸惑ったのだ。
次の日には、ドク〇ーマリオは近所の子に返した。
母は、「あれ? もう返しちゃったの?」と残念がっていたが。
ドク〇ーマリオを母が買ってくることがなかったのは、ドはまりすからマズイと気づいてはいたのだろう。
そんなわけで、それ以降、我が家にはドク〇ーマリオだけ禁止令が出た。
私が大人になってから、母は桃鉄にハマった。
スマホを持ち始めてからは、スマホのアプリ(ツ〇ツム)にハマったらしい。
今もなにかのアプリのゲームにハマっているらしいが。
私もなんだかんだ言いつつも、ゲームにはついついハマって時間を忘れてしまう。
そこは母と同じなのである。