三つ子の魂百までも……。(およそ3歳くらい)
20歳を過ぎてからのこと。
家の片づけをしていたら、ふるーいメモ帳を発掘した。
母に「これなに?」と尋ねたら母の若い頃の日記帳らしい。
私が生まれた頃や幼い頃のことを記録した日記。
「別に読んでもいいよ」と言うので数ページ読んでみる。
最初のほうは「はなが歩いた」「はなが喋った」などの微笑ましいものだったが
私が3歳の頃の記録でいきなり内容は一変した。
どんな内容かと言うと……。
母は私を予防接種に連れて行った。
どうやら私は医者の姿を見ると泣き出すそうで、順番待ちをしている時から大泣きしていたらしい。
それだけなら、まだ「医者が怖い臆病な子」だけで済むかもしれない。
しかし。
注射だと分かった瞬間。
私の恐怖はマックス。
さらに大泣きし、そして嘔吐。
母は仕方なく列からはずれ、私の予防接種をやめることにした。
そして、予防接種をしないと分かった途端、私は泣き止んだそうだ。
帰りに母と寄った店で冷やし中華をご機嫌で食べていたらしい。
そんな手のかかる娘を見て母は呆れたそうだ。
この子は、将来どんな子になるのだろうか、と。
不安に思う言葉が最後に綴られていた。
そんなこんなで。
大人になった今でもバッチリ注射嫌い。
注射というか針がこの世で一番恐ろしいものだ!
そう言い切れるほど、針恐怖症なのである……。