片付けの出来ない魔女
お話を忘れちゃった人は第4話をみてください。
「ここ、誰の家?」
蜜柑がたずねる。
「アタシの家に決まってるだろ!」
シャルルンがめんどくさそうに答える。
「っは?」
3人の頭の上に、一斉にはてなマークが浮かんだ。
「な、何か文句ある?」
シャルルン、戸惑う。
「文句ありまくりだよ」
柚子が答えると、杏も、
「うんうん。なんでシャルルンみたいなガサツな人がこんなに可愛いお家に住んでるか、疑問......キャーーー!」
だが、そのとたん、杏はシャルルンにぶっ飛ばされ、5メートルはとんだ。
「ふんっ。師匠をバカにしない方がいいってことよ」
一同は、気まずい空気の中、シャルルンの家の中へ入って行った。
ところが、入ったとたん、シャルルン以外の3人は、部屋の中をみて絶句した。
「何これ!」
「こんな散らかった部屋、見たことないよ」
「......外見と中身は、違うんだな」
そう、外から見れば可愛かったシャルルンの家も、入ってみるとシャルルンの性格そのままの散らかりようだったのだ。
そして、柚子は、掃除&お片づけ大好き人間である。
「シャルルン掃除機出して!」
「は?掃除機?そんななんでも吸い込むようなおっそろしい物はないよ!」
シャルルンがまくし立てている横で、蜜柑が杏に囁いた。
「魔女って掃除機怖がるんだね~。初知り~」
すると、シャルルンが蜜柑たちの方を振り返ってギロリと睨んだ。
「何かいったか?」
「ひぇぇぇぇ。な、何にもいってません~」
シャルルンは柚子の方に向き直ると、
「とにかく、掃除機はないの!これ使って!」
といって、箒を差し出した。
1時間後。
部屋はきれいさっぱり片付き、3人は、意外と広かった部屋を見回してほうっとため息をついた。
「なんか、いいなぁ。こんな広くて可愛いお家に住んでて」
杏がいうと、蜜柑が、
「散らかってたからそう広くもないんじゃない?」
「アンタはいっつも一言多いの!」
シャルルンが蜜柑の足をふんずけた。
まだまだ続きます。