98 こちらでは女性に聖女タイムがあるらしい。
「ウグゥ~!」
御館様が大きな叫び声を上げながら反り返り、白目を剥いた。
「「「お見事!」」」
お婿さん達が声を揃えて叫んだ。
お婿さん達の息はぴったり、めっちゃ仲が良い。
掛け声が止み、盛大な拍手へと変わった。
掛け声が止まったので、俺も腰を止める。
発射中も発射後にもずっと腰振りを続けさせられるのは、めっちゃきつかった。
「ふぅっ。」
使命達成!
って、違うだろ。
何で聖闘〇星矢なんだ?
そう言えば掛け声も、セィヤ、セィヤ。
聖闘〇星矢はアテナ様だったけど、ここではハテナ様。
この呪文を持ち込んだのは絶対に転生者だよな。
侍女さん達がクッションを持って来た。
「御館様を、受胎し易い姿勢に致しますのでお離れ下さい。」
侍女さんに言われて、ゆっくり御館様から離れると、侍女さん達が3人がかりで御館様の腰を持ち上げ、クッションを差し入れた。
「お疲れさまでした。 どうぞあちらでお休みください。」
侍女さんに言われてベッドから降りる。
床に足を着いて立ち上がろうとしたら、足腰に力が入らずよろめいてしまう。
自分で感じていた以上に疲れたのか、凄い快感で腰が抜けたか判らないが、膝がブルブル震えている。
両側に付き添ってくれている侍女さんがすかさず支えてくれた。
「済みません。」
体力には自信があるつもりだったが、もっと鍛えないとダメだと実感した。
ガウンを着て、部屋の隅にあるソファーで休憩させて貰う。
侍女さんが冷たい飲み物を持って来てくれた。
子づくりが終わって皆が服を着たので、侍女さんとメイドさんの区別が付くようになった。
う~ん、果実水が全身に染み渡る。
「えっと、ペガ〇スってどういう意味?」
侍女さんに聞いてみた。
「勿論子種を発射して下さいという合図で御座います。 ご存じありませんでしたか?」
「うん。」
「でもしっかり“リュウセ〇ケン!”と応えて下さいましたよね。 子種に元気を与える呪文は御存じだったのですね。」
リュウセ〇ケン”は子種に元気を与える呪文なの?
「いやあれは・・偶々で。」
前世のノリとは言えないので誤魔化した。
ともかくミッションはクリアしたと思う。
何となく欲望を解き放った爽快感や満足感とは違う、大きな仕事を成し遂げた時のような達成感を感じた。
一息つくと、侍女さんに風呂へ案内された。
少し汗をかいたので助かるけど、お風呂は今日3回目。
体がふやけそうな気がする。
詳しくは言えないけど、メイドさん達が優しく丁寧に、丁寧に、丁寧に洗ってくれた。
大事な事だから3度言ったよ。
風呂を上がると、屋敷に来た時の服を着せられた。
貴族なら訪問用や談話用、食事用と用途別の服を用意するらしいが、俺が持っている上等な服はこの七五三服だけ。
まさに俺の一張羅。
浄化魔法や回復魔法で瞬時に綺麗になるから普段の服も熊に買って貰った服だけ。
未だに自分のお金で服を買った事は無い。
「昼食をご用意しておりますので、ご案内致します。」
風呂上りの休憩をしていたら、メイドさんに声を掛けられた。
「うん。」
今度は食堂らしい椅子とテーブルが並んだ部屋に食事が用意されていた。
3人の婿殿が立ち上がって迎えてくれる。
どうやら婿殿達と一緒に食事を摂るらしい。
「お疲れ様でした。 お館様は聖女タイムですので、失礼させて頂きます。」
スグニさんが声を掛けて来た。
「聖女タイムって何ですか?」
「子づくりが終わって暫くは、子種が漏れぬように女性は横になったままお休みになられます。 これをベルンでは聖女タイムと呼んでおります。」
前世では男性が射精した後の時間を賢者タイムと呼んでいたが、こちらでは女性に聖女タイムがあるらしい。
出来れば賢者タイムが欲しかった。
発射直後も動きを止めずに腰を振るなんて、男性社会だった前世では考えられない事。
魔法で筋肉を強化された子宮が子種を吸い上げる間は、ずっと腰を振り続ける方が受胎率が高くなるからと教わったけど、実際にやってみると結構きつい。
男性社会なら絶対にやる男はいない筈。
男性の快感よりも子づくりが優先されるこの世界ならではの事なのだろう。
昼食を終えると、お昼寝。
俺が子種回復のお昼寝をしている間に、伯爵家の人達が2回目の子づくり相手である子爵家の人達と入れ替わる事になっている。
3日間、6人の御館様との子づくりを終えた。
「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ!」が「ヘイ、ヘイ、ヘイ、へイ!」や「ホイ、ホイ、ホイ、ホイ!」に変わった程度で殆どは同じ。
「セィヤ、セィヤ、セィヤ、セィヤ!」や「ペガ〇ス!」と「リュウセ〇ケン!」はどの貴族家も共通だった。
「この呪文って本当に効果があるの?」
ちょっと信じられなかったので聞いてみた。
「魔導師達が調べた結果、子種が活性化するのは間違いの無い事実と証明されております。」
「ソウデスカ。」
納得は出来ないが、きちんと調査して効果が証明されたのならそうなのだろう。




