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78 子供でも知っている常識

お星様とブクマ頂きました。

感謝感謝です。

応援を頂けたので、吾輩のピンク色の脳細胞がめっちゃ元気になり、少し長くなってしまいました。

今回、次回と異世界の花街についてのお話なので、少し性的な話が続きます。

ストーリー的には問題がありませんので、苦手な方は飛ばして下さい。

頼運

「おっちゃん達は、花街とか行った事ある?」

「ブハッ!」

おっちゃんがエールを吹き出した。

「こら、いきなりびっくりさせるな。」

「ガハハ、ショータもいよいよ花街に興味が出てきたか。」

「ショータももうすぐ12歳、花街に興味を持つのは当たり前だ。」

「まあショータの乳好きは有名だから、絶対花街に行くな。」

俺の乳好きって、そんなに有名なの?

最近はガン見しない様に気を付けていたのに・・・。

怪我の治療を終えた冒険者のおっちゃんが、酒場で果実水を奢ってくれた。

最近は治療が短時間で終わるから、こうして奢って貰った果実水を飲みながら、冒険者のおっちゃん達と話をする事が増えた。



「賭けるか?」

「おう、期限は半年だ。 俺はショータが花街に行くに銀貨1枚だ。」

「俺も行くに銀貨1枚だな。」

「俺も行くに銀貨1枚。」

「俺も行くに銀貨1枚だ。」

「俺も行くに銀貨1枚。」

おっちゃん達が次々と手を上げて叫ぶ。

冒険者のおっちゃん達は、時々しょうもない事に小銭を掛けて遊んでいる。

「待て待て、行かない方に掛ける奴はいないのか?」

おっちゃんが酒場を見回すが、誰も手を上げない。

「まあそうなるか。 相手がショータじゃ賭けにならんか。」

「まあショータだからな。」

「そうだな。」

何なんだ、この無駄な信用は。



「ねえ、花街ってどんなところなの?」

裏ギルドのボス達から花街に誘われて、ちょっと興味が湧いている。

俺のイメージでは風俗街のある新宿歌〇伎町やソープ街のある吉〇。

「そうだな、まず女性用と男用の2つに分かれているな。」

前世でも女性相手の風俗が増えているってネットで話題になっていた。

日本でも避妊薬が普及して来た事やネット情報が増えた事、経済的に余裕のある女性が多くなった事などによって、既婚未婚に関わらず自由に性を楽しむ女性が増えているとネットで観た覚えがある。

出会い系サイトも活発だが、事件に巻き込まれる危険が高すぎるから、トラブルの危険が少ない店舗型の女性用風俗店の人気がじわじわと上がっているらしい。

もっとも、悪質なホストクラブが社会問題になったし、女性は人目を気にするので、まだまだ一般的では無かった。

前世とは違って、この世界では女性用風俗はメジャーらしい。

「女性用も有るんだ。」

「女性用については良く知らんが、子供が欲しい女性に子種を出す店だから、そこで働く風俗男は大変だと思うぞ。」

前世なら女性用ソープやホストクラブ?

確かに女性用ソープやホストの仕事は大変だとネットに書いてあったけど。



「子種を出すのは大変なの?」

「当り前だ。 子種は、女性が妊娠し易い瞬間に出さなければ無駄になるだろ。」

「妊娠し易い瞬間?」

瞬間って何だ?

排卵日とかの関係で妊娠し易い期間があるのは知っているけど、妊娠し易い瞬間なんて聞いた事が無い。

瞬間と言う言葉からは、接着剤と湯沸かし器くらいしか思い浮かばなかった。

意味が判らん。

「女性は性感が最高に高まった瞬間に子種を注がれると妊娠し易い。」

「そうなんだ。」

避妊の知識は多少知っているが、妊娠の知識はあまり無い事に気が付いた。

妊活をしている夫婦が増えているという話は聞いていたが、殆どの人の知識は避妊に偏っていたような気がする。



「そうか、ショータは記憶を無くしたんだったな。 これは子供でも知っている常識だから覚えておけ。」

「そうだぞ、自分勝手に子種を漏らしたら、女性に袋叩きにされるからな。」

「酷い時は殺される事もあるから、むやみやたらと女性の相手はするなよ。」

自分勝手に子種を漏らしたら殺される事もあるの?

この世界での性交は命懸けらしい。

「怖いんだね。」

「この街、いやこの大陸はどこでもそうだが、魔獣の数に比べて人間の数が少ない。 少しでも人間の数を増やすために偉い魔術師様達が子づくりについて色々と研究したそうだ。 結論はさっき言ったように、女性の性感が最高に高まった瞬間に子種を注ぐ事だ。」

「そうなんだ。」

「だから女性は小さな頃から性感を高める訓練をする。 最高に高まる瞬間を迎えやすくする為らしい。 俺には良く判らねえが、性感が高まり難い女性もいるらしい。 男は女性の性感が最高に高まっている20秒位の間に子種を注げるように訓練する。」

「20秒? そんな短い時間に合わせるの?」

男は、女性の絶頂に合わせて射精しないとダメらしい。

それってめっちゃ難しいぞ。

イメージしてみる。

5・4・3・2・1・発射!

出来るかぁ!

この世界では男性が女性に合わせるのが当たり前らしい。

前世で好きな時に出すのが普通だったのは、男社会だったからかも知れない。



「訓練で多少は伸びるらしいが、女性が最高に高まる瞬間はおよそ20秒だ。 女性は自分で性感を高め、ある程度高まったと思ったら男に合図をする。 男はすぐに入れて、発射に備えた準備運動に入る。 女性は性感を高める最終作業に入り、女性が出せと合図したら男はすぐに子種を出す。 これが子づくりの基本だ。」

「・・・、そうなんだ。」

俺には絶対に無理な気がして来た。

この世界では、誰も俺の相手をしてくれないかもしれないと不安になる。

出せと言われて、すぐに出せる程器用じゃない。

「この塩梅が出来ない男は、最低の男として家から放り出される事もある。」

どうやらこの世界では、生活力よりも子づくり力が男を選ぶ基準らしい。

前世でも昔は3年子無きは去れとかいう、女性蔑視の言葉があった。

この世界では合図と共に出せない男は去れ、なのかもしれない。

「そうなの?」

「そうだ。 この塩梅が特に上手い男だけが風俗男になれる。」

風俗嬢じゃなくて風俗男なんだ。



「何回も出せるとかじゃ無いの?」

前世のイメージだと、女性用ソープとかで働けるのは、何度も出せる絶倫男って感じなんだけど。

「偉い魔術師様が調べた結果、6時間の間隔を置かないと、子種が薄くなって妊娠率が落ちるらしい。 だから法律で風俗男の営業発射は6時間以上に1回で、1日に2回までと制限されている。」

この世界にも、風営法のような法律があるらしい。

「そうなんだ。」

「風俗男が1日に相手出来るのは2人迄だから、子づくりの店は料金が凄く高いらしい。 まあ1日2人の客が払う料金だけで生活する訳だし、良い物を食わないと子種に元気が無くなる。 その上若い時しか出来ない仕事だから高いのも当然だし、女性は金を持っているから大丈夫なんだろうな。」

確かに相当な金を貰わないとやって行けない。

あれ?

治癒師の料金が高いのも、そう何回も治癒魔法を使えないから?



「そうなんだ。 男用の店はどうなの?」

正直に言って、女性用風俗には興味が無い。

俺が知りたいのは男性用の風俗店情報だ。

「男用の店は大きく分けて2種類だ。 乳や尻を触らせてくれる店と、子種を出すタイミングを指導する店がある。」

「タイミングの指導?」

また訳の分からない言葉が出て来た。

なんとなく、前世の性知識は殆ど役に立たない気がして来た。

「店の女性が性感の高まる様子を演じてくれるんだ。 女性の演技を見ながらタイミングを計り、女性が合図をした瞬間に子種を出す訓練をしてくれる店だ。 これが旨く出来ないと婿には成れないから若い奴らはみんな必死になって練習しているぞ。」



「えっとぉ、自分で出すとかは無いの?」

ちょっと恥ずかしかったけど、ついでなので聞いてみた。

「毎日は無理でも、週に3~4回は出さないと子種の生産能力が落ちるから、皆頑張って出しているぞ。 もっとも、本番に備えて女性からの合図をイメージしながらだから、快感よりも疲労感の方が大きいな。」

「そうなんだ。」

「自分勝手に出せば気持ちは良いが、変な癖がついて本番で失敗する事が多くなる。 男にとっては、出す事よりも発射時期のコントロールこそが大事なんだ。」

「そうそう、男の義務だから頑張ってはいるが、結構辛い時もあるな。」

黄金の右手は健在らしいが、前世と違って快楽を求めてするのでは無く、男の義務らしい。

「そうなんだ。」

自分勝手に出して良い男社会の前世とは、射精の考え方が根本的に違うらしい。

「ショータもいずれは練習する事になる。」

「子づくりは男の義務だから、頑張るんだぞ。」

「はあ。」

「まあそんな訳で、男が一番楽しめるのは、乳や尻を触りながらのんびりと酒を飲める店だ。」

「自分のペースで自由に触れるなんて、花街くらいでしか出来ないからな。」

「そうなんだ。」


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